駄目ダメっぽな nottv を敢えて支援してみるテスト | システム開発の見積もりブログ

駄目ダメっぽな nottv を敢えて支援してみるテスト

4月1日に発表すれば、「みなさん、エイプリルフールでした」で済む問題なのだろうけど、放送開始が 4/1 だと洒落にならないのでは?と思って見ておりました、nottv の発表会。USTREAM: docomoOfficial: 2012年2月16日(木)12:00より「NOTTV開局・NTTドコモ新商品発表会」を中継いたします。.

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どうにも駄目な部分は、twitter 等あちこちにあるのですが、端的に駄目そうな部分を挙げると、

  • 初年度、契約数100万台、3年後500万台の達成見込みが、「販売はドコモ販売店」になっている。
  • 設備投資が、450億円級である。
  • 視聴者ターゲットが、比較的若い世代になっているが、対象は既にスマートフォンを持っていたり、その時間は仕事だったりして視聴しない。
  • 損益分岐点が、500万台契約らしい。
  • 一方向なのに、「ライブ感」を主題にしている(とういうか、放送自体に主題がない)。

ntt docomo が全面に出ていますが、運営は 会社概要 | 株式会社mmbi という会社です。資本金 240億円で、株主が、docomo をはじめとして、フジTV、電通、富士通、というところでしょうか。アナログ地上派の空きを利用して、TV放送をする会社です。

携帯マルチメディア放送の名称は「モバキャス」に - ケータイ Watch

tiwtter 等、「回線のパンク」を危惧する意見がありますが、LAN回線ではなくて、地上波(TVと同じ)を使うので一方向的な電波を使います。なので、デジタル系の回線がパンクすることはありません。ラジオと同じですね。

おそらく、google tv や iTv を懸念して、一蓮托生...じゃなくて日本の放送界を奮起させる、ということでお金を集めたのでしょうが、いやいや、これって、海外展開はできないし、コンテンツのばら売りはできないし、どうにも駄目なところです。「リアルタイム放送」を前面に出しているのですが、ニコニコ動画や、tiwtter、facebook 等の「リアルタイム感」というのは、双方向である一体感を演出しているところが大きいので、nottv のような一方向通信ではこれは難しい...と言いますか、一放送だけでは不可能です。

まぁ、これで駄目駄目ですね...と終わってしまうのは、あまりにも「残念」なので、ちとテコ入れ見積本舗案を、無理矢理考えてみます。

  • ブロードキャスト放送と、無線LANを組み合せて、双方向を実現する。
  • キャプテンシステム方式(文字放送方式)を復活させて、データ蓄積できるようにする。
  • 視聴ターゲットを、高齢者に絞る。
  • 垂れ流し CM オンリー番組をワンチャンネル作る

■ブロードキャスト放送との組み合せ

「発表会」のはじめの方に、ニコニコ動画等の輻輳の問題がでていますが、多重視聴の場合は tcp/ip 通信ではデータ量が多くて無駄が多いのです。実は、ケーブルTV 方式のようにブロードキャストすればよいのですが、もともとアナログ波で実現されているものなので、これを復活させます。

画像、動画データの垂れ流しは、アナログ派のようなブロードキャストで十分です。なので、放送時間に縛られることになりますが、アナログ波として動画配信をして、双方向通信(感想のアップや、動画情報の取得など)は機器からの無線LAN(wifi)を使います。こうすることで、サーバーの負荷も減るし、データ転送量の問題は解決しますよね。

このあたり、スマートフォンの動画視聴のものを同じ問題を抱えているのですが、今のところ、ブロードキャスト的なプロトコルは、擬似的に ustream が実現してるだけで、他は無理という状態なので。本格的にやろうとすると中間機器が必要になりますからね。

■キャプテンシステムの復活

もともと、キャプテンシステム(文字放送、字幕)はアナログ波のチャンネルの隙間に入れていたもので、隙間だったからデータ量が少なくて単純な文字データしか送れなかったのですが、今回はそれなりに帯域を取れるので文字データ自体をブロードキャストすることが可能です。

文字データで有効なのは、地震速報、番組情報、天気情報、株価情報など、リアルとタイムでありつつもアナウンサーを必要としない(エンターテイメント性を必要としないという意味で)で、ちょっとだけ視聴者が能動的に動けばよいものがあります。

文字放送と wifi 通信との使い分けは、文字放送の場合は、アナログ波としてブロードキャストされるため、「勝手に蓄積される」ということが実現可能です。「勝手に蓄積される」というのは、発表会の中でもありましたが、あれは動画に対してのもの。しかし、有効な手段としては文字放送ですよね。番組のテロップなども、文字放送で実現が可能です。双方通信(問合せ)が必要な場合は、無線lan のほうに切り替えればよいのです。

■視聴ターゲットを高齢者に絞る

専用端末を買って、月額450円支払う場合、ユーザーはそれなりに視聴しないと思うので、あまり視聴しないのであれば、端末も買わないし、月額も払いません。なので、ニコニコ動画やyoutubeなどに慣れている若い層はターゲットから外してしまって、TV をだらだら見る、高齢者(これから定年になる団塊世代とか)をターゲットにしたほうがいいですね。

専用端末を大画面にして、病院への設置、公共機関への設置をしたほうがよいでしょう。基本は、TV と同じなので、TV 世代をターゲットにしたほうが効率がよいのです。

ただし、この場合 500万台が達成できるかどうか...というのは難しいところで、いや、そもそも 500 万台の損益分岐点って何?ってことなので、これは経営戦略として見直してほしいものです。

■垂れ流し CM を流す専用チャンネル

コンテンツ単体では、お金を取れない(yahoo gyao などは、1番組いくらという切り売りが可能ですね)ので、月額という契約になります。なので、番組制作費を絞れば絞るほど、mmbi が儲かる仕組みになっています。こうなると、人気映画を買ったり、オリンピックの放映権を高い値段で買うのは無駄です。そのあたりは、デジタルTV のほうに任せてしまえばよいのです(競合させても無駄でしょう)。

なので、オリジナルコンテンツとしては、深夜ラジオ風の安いライブ番組の垂れ流しと、既にある番組コンテンツの横流しが一番よいかと思います。あとは、1チャンネルは CM だけを流すだけでも ok かもしれません。CM 自体は既に出来上がっているので、古い CM なり、新しい CM なりをバンバン流してしまって、スポンサーのほうから徴収するという方法がよいでしょう。無論、月額450円も支払って CM だけを見るかというと、「若い世代」ならば怒るでしょうが、先に書いた通り「高齢者&TV世代」がターゲットな訳ですから、月額450円ぐらいならば、捨て値です。たまに CM を観たり、たまに番組をたりという垂れ流しの、ながし見がよいかと。逆に、月額ナンボかを取っているので、視聴率が全くなくても大丈夫、というスタイルでも ok だと思いますよ。

 

まだ、アナログ波は空いているでしょうから、こういう面で一発充てるのもありかなぁと、妄想してみたり。