6/5から続いている舞台も今日で千秋楽。
ネタバレがー ってあんまりにも言われすぎたので
今日まで我慢しましたよ。たぶん我慢した←



自分がスマヲタさんなので、末満×和田コンビのというと
前作のジャンヌとついつい比較してしまうのだけど
少女三部作で言えば、圧倒的にステーシーズ寄りなのでしょうかね。
もっとも完全な新作と言うよりは
TRUMPの続編(番外編)のようなのだけども…

そんなわけで前半はヴァンプ、世界観に関する設定説明。
後半はテンポ良く紐解きが加速していって
二時間ドラマ的な自白解説から皆殺しエンド。
最後に絶望だけが残り、観客の心を掻き乱した状態で終わる。

この舞台、そのラストの強い衝撃が評価されているのかなと思います。
あと、特に女性評価が高いというか、劇場で見てても
号泣してたり、放心状態だったりするのは女性で、
割と涙もろいじっちゃんの多いハロヲタが
いつもよりぐしゃぐしゃの顔してない気も。

その理由は、あくまで憶測だけど
どうも性別によって感情移入のしやすさが違うんじゃないか、と。
受け皿になるキャラクターの数の差は
この世界にどっぷり入り込めるチャンスの差になってるかもしれません。

あとは、アレだ。
○○かわええええってシーンはメイン所にあんまりないわなw
ならばファルスかっけえええってなる女子のが好評のも納得か。

僕は…ジャンヌのが好きだったな(ボソッ


という感じのざっくりとした総評から
物凄く勝手な各メンバー評へ。
異論は認めるけど反論は認めないんだからねw

鞘師:リリー
結果的に優等生然とした佇まいにまとまるのは
意地悪な観方をすれば面白みに欠けるとも
言われてしまうのかもしれないけれど
ともかくこの人は、主役になるべくして生まれた人だと思う今日この頃。
その特性が、観客に干渉してはいけない前半で生きて
ラストには大爆発するわけです。
「そうやって永遠の孤独の中で泣いてろ」の切れ味は
何度見ても惚れ惚れします。

結局これが出来るのはこの人しかいないし
現16歳時点で言えば、ハロプロ最高傑作←なのかもしれません。
それにしても、よくぞまぁこの期間でこのボリュームを吸収して
きっちりアウトプットしてると思うのです。立派の一言。


和田:スノウ
与えられた役の分だけ表現できる力を持ってることを
改めて確認したような気分。
あやちょを感じさせないように、と言っていたけれど
歌っている時の手の使い方だったり
すごく気を遣っていそうな歩き方から微かに感じるくらいで
ちゃんとスノウしてたと思います。
ま、寝起きとかあんな感じで不機嫌だったりするのかなって
逆引きの想像はしましたがw

一方で感受性の強さは女優としての才能でもあるけれど
毎度毎度役にどっぷり嵌って精神を病む姿を見ていると
悪い書き物(≒物書き)に当たったら
マインドコントロールされてしまうのではないか
そんな心配もしてしまいます。
あまりにもこういう様子が続くようなら
あんまり芝居させたくないまである←

サントラの「幻想幻惑イノセンス」は
サビなどにみえる幼さ含みの甘い声が印象に残りますが
舞台上では低音や力強さのが感じられるのは
場数でこなれてきたからでしょうかね。

あと公演後半からか、小節の後半を引っ張って
歌詞を繋ぐように歌うようになったような気がしたのですが
その分リズムがルーズになったのは狙いなのかな…
とはいえ、最後の「無垢のままでいて…」の
やや病んだような情感はこの人にしか出せない味…ですよねw

さて、ここはAyachoholicなので…
スノウだけちょこっと掘り下げます。

スノウは50年早くイニシアチブ耐性がついて
「忘れることができなく」なってしまった。
恐らくそのタイミングで「永遠の繭期」の真実を聞かされて
死への恐れから、ファルスと共に生き続ける永遠を受け入れた。

しかし、ファルスは繭期のループを
クランのヴァンプたちに気付かせないために
長くても中高6年くらい?で定期的に記憶をリセットする。
もちろんその期間にソースはないけど
強いて言うなら「純潔な少年少女」という言葉と
出演者の実年齢層が根拠になるかw

…それはともかく、そうして「いつかは消えてしまう記憶なら」ばと
スノウは他者との関わりを絶った。
リリーに同じ兆候が表れるまでのこの50年で
10回20回は記憶のリセットとループを繰り返していたと思われる。
それはその間の孤独の蓄積であり
共同幻想ユートピアで苦悩、悶絶する様子に現れているのだろう。
というか50年も記憶が蓄積されてるとしたら
頭はもう十分におばあちゃんだなとも思うw
そういう意味でも、登場した瞬間から
只者ではない落ち着き感が出てるのは正解なんでしょうね。

このスノウのキャラクターを見た時、いつだかに
「学校へは早く行って、一人で図書館で本を読んでいる」
といった感じの、拡大解釈すると
「学校では勉強したいからあまり人と関わってなさそう」
なエピソードが出ていたことを思い出し
それを読んだ時に想像した大学生の姿とダブりました。
それ以外にも、10年の付き合いの福田まろをして
プライベートがよくわからないというミステリアスな様子など
どこか同じ属性を持っているのではないか、と感じたものです。

そして、宗教画の知識や”仏教のシャンデリア”のあるお家の育ちなど
他の子より宗教的な意味で生死観を持っていそうなイメージからも
なかなかのハマリ役だったのかなーと思います。
そういった部分について、スノウがどう感じていると理解したのか
また、あやちょさん自身がどう感じるのか…
そこらへんにも興味は尽きないけれど、聞ける機会はないんだろうなぁ…

工藤:ファルス
持って生まれたルックスとボーイッシュな声。
今回のメンバーでコレが出来るのは他に考えられない。
場合によっては彼女ありきで話が出来ていると
言ってもおかしくないレベルかもしれない。
降りてくる系の役者さんで、時に滑舌の悪さだったり
若さが感じられる部分はあれども
それすら今回のキャラクターらしさの一部になっているような気がする。
ただ、彼がここまでモテるのを理解し切れないのは
…俺が非モテだからか…orz

福田:紫蘭(シラン)
譜久村:竜胆(リンドウ)
トークイベでは「先生」って言ってたけど
正確には「監督生」ってポジション。
常に出番はセットではあるけど
まろのがバトルアクションがある分印象に残るか。
というかストーリー進行上(以下自粛

彼女らが「最高傑作」ではないあたりがいろいろと泣ける。
そして想いの強さの分だけ余計に泣ける。
でもって今作で何も望んだことが叶っていないまま殺されてしまうあたり
最も不幸な人々であるのかもしれないw
紫蘭の永遠の繭期への固執は
ちょっぴり恋するハローキティの時の
おめー出し抜くんじゃねーよ感に似ているような気もしますw

でも気になるのは謎のバカボンのパパ口調なのだ。
どうもしっくりきてないのだ。反対の賛成なのだ。
あと、武器の持ち方も。。。
乗馬鞭はなぜか布団たたきのように
ピストルはどうも照準合ってない感じに見えてしまったりも。
そもそもぱっと見で連発できる構造に見えないところから
アレではあるのだけどねw

小田:シルベチカ
失踪少女。モーニングさんの中では歌姫だから
歌パートで重要な所を任されています。
ただ、歌声が3種類(かそれ以上)はっきりと違っていて
見ていて戸惑うというか、統一されていないところに違和感があるというか…
特に低音が効いた歌い方の時に歌詞が聞き取りづらくなります。
逆に「あなたを愛した記憶」で魅せる
ウェットでちょっぴりハスキーに振った時や
高音、ファルセットはこの舞台で指折りの心地良さ。
初舞台でこれは上出来でしょう。
その変幻自在さがなんともセイレーンのようで
ちょっと気味悪い感じすらします(たぶん褒め言葉w

中西:キャメリア
直近のBDイベでも、トークイベでも
ソロで歌った際の歌唱力が高く評価されていた意味が
この舞台を観れば納得できると思います。
意外な高評価だったジャンヌから更に一段上へいった印象。
男役もなかなかどうしてしっくりきていて
「チョトマテ」の頃の劣等生キャラの影は微塵もありません。
でも和田さんの評価は「モテなそう」だったのは…ねw
すごく「良い奴」だと思うんだけどなー

石田:チェリー
竹内:カトレア
鈴木:ローズ
勝田:ナスターシャム
お笑いカルテット的なポジション。
チェリーは恐らくこれがだーいし感なのだろう、というシーン満載。
少々一本調子な具合で叫びまくるきらいはあるものの
それを求められているのだろうから、あれはあれで正解なんだろう…
タケはタケの間で、ぷーさんはぷーさんの間で
空気を変えて笑いを取っていく感じ。
この人達のお笑いパート、初見の時に序盤がやや冗長な感じもしたけれど
後になって思い出した時、なんとなく救われるような気もしますw

田村:マリーゴールド
人間と吸血鬼の合いの子(←ここらへん使えない言葉w)。
生まれて以来、長らく差別を受け続けてきた中で
初めてやすしすんのやさしさに触れ、そこから独占欲に火が点いて
禁じ手の噛みつきイニシアチブまで使ってちょさんを殺そうとする恐ろしい子。
…って心の流れがちょっぴり急な感じもするが仕方ないかw

途中、テンパるコミカルな所では流石の器用さを感じたけど
怖いモードの時に、ちょっぴりジャンヌ時(マリオン)とダブる印象もあったかも…
しかし、まるで彼女のために用意されたようなソロ曲は圧巻。
どうあってもこの人はミュージカル女優ですw
一人だけ本格ミュージカルらしすぎるから
本質的にはミュージカルが苦手な僕には
味付けが濃すぎると感じるのは別の話でw

佐藤:マーガレット
どこまでいってもまーちゃん。
本当はよく知らないけどたぶんそういうことなんだろうw
マリーゴールドにイニシアチブを取られた後立ち上がる時の動きが
まるで糸で引っ張られて操られているようで美しかったりする。
そこは研修生3人との差を感じます。
でもモブで集中力がないのはいただけないなーw

田辺:ジャスミン
加賀:クレマチス
佐々木:ミモザ
前髪のある田辺ちゃんの可愛さはこの舞台の中でも屈指のモノ。
加賀ちゃんのやられ声はなかなかに良い味が出てます。
最後に残るだけのことはあるねw
田辺・加賀は中間列以降くらいからだと
シルエットが勝田さんと被るかも~
でも加賀ちゃんはもうちょっとよく見ると
やっぱり(ゆ)さんの面影が…かも~><
佐々木ちゃんのお芝居は、立ち振る舞いは見栄えするんだけど
気球の時からどうもセリフが棒に感じるんだよな…声質のせいなんだろうか。

さて、こうガーッと書いてきたものの…
なんかいつもよりあまり乗り気じゃない感じがしたとすれば
あなたの感覚は正解ですw
正直、この舞台どうも苦手なんだな。
PG12?R15?指定が必要かなーと思うような毒の盛られっぷりと
観れば観るほど腐女子ウケしそうなポイントが目に入るのと
絶叫過多な感じと、何より後味の悪さと。
演者の方の「心が疲れちゃう」っていうソレと同じくらい
観客の僕のピュアハート←も疲れてしまうみたいです。

アイドルによくやらせたな、という内容であって
この年代のアイドルにしか出来ない内容でもあるので
否定するつもりは全くないけれど
かなりの問題作のようにも感じています。

ファルスの追い求めた「純潔」とは何だったのか。
それをアイドルおたくさんの理想と重ねて考える感想を
しばしば目にしますが、その感覚で見ていると
大ラスで「現実の世界へ帰ろう」と歌うリリーには
こちら側まで止めをさされるような気分になります。
まさに皆殺し。富野御大も驚くわw

あとは、理想を追い求めることが押し付けになっていないか
なーんて余計な悩みも生まれたり。

そして、ファルスの感じる孤独だったり
スノウの言う「どうせ信じてもらえない」だったり
どうもこの数年の個人的なヲタ活とリンクして
刺さる所の多いセリフが多いのも
疲れてしまう原因なのかしれませんね…w

以下、とてつもない蛇足のいい例えば…
純血種であるリリーがついに真のTRUMPとなっていて
ダンピールであるソフィーの能力を上回り完全なるイニシアチブを取って
ついでにクラウスの代わりに”永遠の孤独”から救済しちゃうような筋で
リリーはソフィーに感謝の言葉を言われつつも
オリジナル(の血)消滅によって、皆不老(不死)の効力がなくなり
「花は枯れるから美しい」というテーマに回帰して
800年の親友ピーベリーがゆりゆり←

…みたいなハッピーエンドだったとしてもクソつまらねぇですねw
あっ、血の効力切れで急に老ける設定外してもらわないと
これも結局全滅エンドになっちゃうわw

ところで繭期の少年少女達の親御さんって
何十年何百年経っても戻ってこない子供たちのことを
どう思っているのでしょう…
北の将軍様的な社会問題になってたりしないのかしらw←蛇足も蛇足