
(沖田)だから何度も検証する。オペっていうのは、準備で全てが決まるから。
オペの手順、考えられるリスク、それを回避する方法、それらを全部、何度も何度も何度も、恐れや不安がなくなるまで検証する。
怖いってことは準備が足りてないってことだから、オペしちゃいけない。
(井川)すごいですね。そんなの誰にも教わったことないです。
(沖田)ああ・・・僕も、それは誰かに教わったわけじゃない。
あなたを救うために、生きてきた。
2017年1月15日放送『A LIFE~愛しき人~』
2006年 冬。
当時恋人同士だった沖田と深冬。
10年後、東京 壇上記念病院。
患者の往診を終えた深冬は、会議に遅れて参加。
病院の経営のため、小児科・産科の縮小が必要と考える壮大副院長に対し、小児科は原点と主張する院長。
意見は違えど、院長・副院長両方とも壇上記念病院のことを必死に考え、支えていると感じる深冬。
会議中、院長は、心臓に違和感を感じる。
その夜、深冬は、家で頭に違和感を感じる。
直後、院長が倒れたと連絡を受ける。
院長の病名は、大動脈弁狭窄。
年齢や心機能状態から、手術は難しく、半年の寿命を告げられる。
院長の希望で、シアトルにいる沖田医師を呼び戻し、手術を頼むことに。
沖田 一光(木村拓哉)は、心臓血管と小児外科が専門の外科医。
沖田は、院長の診察をし、手術を勧める。
一度目の手術は成功。
・・したかのように思えたが、失敗。
院長は意識不明。
失敗により、深冬も後悔し、沖田にきつく当たる。
ナース・柴田の助言もあり、オペの方法が見つかる。
やっと見つけ出したオペの方法を言うが、他の医師は一回失敗しているため消極的。
(井川)なんで切れるんですか?院長、意識ないんですよ。一回失敗したんですよ。なのにメス入れるなんて・・・怖くないんですか!?おかしいですよ。
(羽村)どうせダメだから、実験的オペですか?
(赤井)よく恩師を切れるわね。
(黒谷)あとはもうそっとしといてやれよ。
(白川)切らなきゃ もっと生きられたのに。
(沖田)まだ出来るオペがあるんですよ!心尖下行大動脈人工血管吩合術を行います。
(井川)人の命、何だと思ってるんですか!
(沖田)知ってるんだったら教えてくれよ。
オペを認めず、解散しようとした時、院長の娘である深冬が自分の気持ちを言い出す。
(深冬)ちゃんと生きてます!父は今、生きてるんです。さっきから、もう亡くなった人みたいに言われて・・・腹が立ちました。
誰よりも自分に腹が立ちました。私も、もう無理だって諦めてたから。父に叱られます。
父は眠っているけど、絶対に諦めてないと思うから。あの日、死ぬつもりなんか全然なくてオペ室に行ったんです。
沖田先生、諦めないで、オペの方法を探してくださってありがとうございます。大丈夫ですよね?
(沖田)ああ、大丈夫だ。まだ終わりじゃない。絶対に救う。
(深冬)沖田先生、父のオペをよろしくお願いします。
2回目のオペに挑み、手術は成功☆
(沖田)シアトルに行ってよかった。
華麗なる技と沖田の人間性を見せられ、惹かれていく井川医師。
(井川)これ、さっきのオペの記録ですか?
(沖田)すぐ書かないと忘れちゃうから。
(井川)全部のオペ、こうやって書いてるんですか?
(沖田)書いたら見直す。何度も何度も何度も、頭の中にインストールされるまで。
(井川)ここまでやるんですか?
(沖田)じゃないと、自分の血と肉にならないから。
(井川)今まで何件ぐらいオペされたんですか?
(沖田)今日で6364件。
(井川)6000!?そんなに切ってるから、どんなオペも怖くないんですか?
(沖田)怖いよ。
(井川)えっ?
(沖田)だから何度も検証する。オペっていうのは、準備で全てが決まるから。
オペの手順、考えられるリスク、それを回避する方法、それらを全部、何度も何度も何度も、恐れや不安がなくなるまで検証する。
怖いってことは準備が足りてないってことだから、オペしちゃいけない。
(井川)すごいですね。そんなの誰にも教わったことないです。
(沖田)ああ・・・僕も、それは誰かに教わったわけじゃない。
院長たちの頼みも虚しく、沖田は壇上記念病院に残らず、シアトルに帰ることに。
しかし、健康診断で、深冬の脳腫瘍が発見。
「冷静な判断を保てない恐れがある」ため、身内は手術が出来ない。
壮大は、沖田に、深冬の手術をお願いする。
沖田は、壇上記念病院に残るという選択をする。