時は遡り1週間前。

俺はある男に、茹だるような熱気の中、全てのやる気を削ぐ人ゴミの街“渋谷”に呼び出された。

男の名はT柳。

そう。既にブログでも触れられた通り、このパーティーの中心人物だ。



その日の携帯から伝わるT柳の声はいつも明るくデカイそれではなく、心なしか震えているようだった。


“何かあったに違いない!”


直感的にそう察した俺は、この季節を省みず走った。

猛ダッシュした。

生まれて初めての信号無視もした。

生まれて初めての逆ナンにも目をくれず、定規よりも真っ直ぐな心で渋谷を目指した。
全ての犠牲は恐らく渋谷で震えて待つであろうT柳のため。

“待ってろ!T柳。すぐ助け出してやるからな!!”






…が、しかし。


数分後。

目的地にたどり着いた俺を待っていたのは想像とは180度異なる悪魔の姿だった。

汗だくの俺を前に、悠長にカフェでコーヒーを下品に啜りながらケラケラと下品に笑うT柳。
「TO-影さぁ~、髪型カリメロみたいじゃん!(笑)」

低俗な中傷はさておき、

『お前何かあったんじゃないの?』と問いかける俺への奴の回答が後に語られる“男女3人夏物語事件”の引き金となる。







「暇だったから!」











数日後、冒頭のシーン。
TO-影、BUY蛇、羅9堕の3人で鍋をつつき合いながらの首脳会談がまことしやかに開かれ、T柳にドッキリバースデー判決が下されたのは言うまでもない。



理由は簡単。そう…















暇だったから!!

  

  -fin-