S.Light.M(カウンセリング・ヒプノセラピー・レイキヒーリング)の瀬川です!


 

先日には性同一性障がいの人が戸籍の性別の変更の際に生殖機能を無くす(奪う)手術が必要などの法律について、最高裁判所は「憲法が保障する意思に反して体を傷つけられない自由を制約しており、手術を受けるか、戸籍上の性別変更を断念するかという過酷な二者択一を迫っている」とし、憲法に違反して無効との判断をしたニュースも流れておりました。



そこで今回は2021年11月6日・13日の第381・382回目のTOPICS『 Xジェンダーと性別ゼロ ~多様性が生み出す新たな少数派にも目を向ける~:前半・後半 』から、そのほんの一部を再構成の上で、お届けしてみます!


(当該TOPICS掲載当時の)先日のニュースでアメリカのパスポートにおいて、 性別を男か女かの「二者択一(のみ)」ではなく、「X」という性別の選択肢を認め 、実際にそのパスポートが初めて発行されたとの報道が流れておりました。
 

と、ここで、

《 Xジェンダーとは、自分は男性と女性のどちらにも属さない(合致しない)と意識する(自認する)人のこと 》
 

と言われております。
 

また、

《 ジェンダーとは、生物学的な性別(SEX)に対して、社会的・文化的につくられる性別のこと 》
 

つまり、

《 男性と女性の役割の違いによって生まれる性別のこと 》

とされています。

そして、
 

存在というのは・・・

存在しているだけで・・・

事実であり・・・真実である・・・


 

という視点が存在しております。



では、早速、進めて参りますが、今回活用する素材は《 2019年 》11月22日のBS1スペシャル(NHK)で放映された『 僕が性別 “ゼロ” になった理由(わけ) 』からです!

まず、この番組の冒頭は、2012年10月、当時17歳で高校3年生の小林 空雅(たかまさ)さんが弁論大会でご自身の性別の違和感について告白した場面から始まります。


(17歳の)空雅さん:
『 私は男性ですが女性の体をもって生まれました。
  この心と体の不一致で幼い頃から悩んだり苦しんだりすることもありました。

  私には夢がふたつあります。
  ひとつは体をなおすこと。
  間違ったつくりの体をなおし、戸籍も男性になおして生活をしたいと思っています。
  もうひとつは声優になること。 』


 

こうして、空雅さんの人生への密着が始まっていきます、、、



この密着は2010年の夏、当時の空雅さんが15歳の時から開始されました。
と言うのも、女の子を男子生徒として認めた中学校があると聞きつけた事が取材の発端となりました。
それまでの空雅さんにおいては学校でのイジメや、女子の制服を着させられる事などに苦痛を感じ、登校拒否になっていました。



そして、当時の学校生活においては、トイレは職員用のトイレを使うように言われていたそうです。
しかし、空雅さんはそれまで学校のトイレを使った事がなく、それはトイレを我慢するという事でもなく、トイレに行きたいという気持ちにならなかったから、と述べておりました。



そして、母親の小林 美由起さんは、娘(空雅さん)が小さい頃から女の子らしくない事に気づいていたそうです。
そして、中学生になった時に大きな変化があったとおっしゃっておりました、、、


母親の美由起さん:
『 ちょっと体が丸くなってきて、体育の授業とかもあるので、まぁ、ちょっとブラジャーをね、最初つけた方がいいんじゃないかっていう事を話した時に、すごく嫌がって、そろそろお友達も生理がきてるという事だったので、そういう話もちゃんと手当ができないと困るからって話そうとすると、もう本当、泣いて嫌がる。

  (そして空雅さんに)聞いたんですね。
  あなたは 男の子なの? 女の子なの?

  そしたら、その時「自分は男の子だ」って、「(そして)病院へ行きたい」っていうような事を言って、分かった、じゃあ、すぐ病院を探しましょう、と。 』


 

そして、14歳の時に、心と体の性別が一致しない性同一性障がいと診断されました。

そこで、美由起さんは診断が下りたら(確定したら)女子生徒としてではなく、男子生徒として扱って欲しいと学校にお願いに行きました。
このようにして、空雅さんは男子生徒としての通学が正式に認められました。
更に、この時にお名前も「花菜(さん)」から「空雅(さん)」へ変更したそうです。



では、ここからは17歳の高校生である空雅さんになりますが、体が女性らしくなってきている事に強い嫌悪感を抱き、男性ホルモンの注射を打つ為に診療所へ通っていました。


当時ではホルモン治療を受けられるのは16歳以上とガイドラインで定められていたそうで、それにより16歳になるとすぐにホルモンを打ち始めたそうです。
そして、声変わりなどもして、自分のあるべき様(姿)に(今までよりも)もっと近づけたと感じ、だんだん明るくなってきたと、当時の空雅さんは述べておりました。



さて、高校では入学時から空雅さんは男子生徒として認められましたが、それと同時にご自身でも周りの人々に自分は性同一性障がいである事を隠さずに告げていったそうです。



そして、2013年1月、18歳になったばかりの頃の空雅さんですが、当時は18歳になると乳房の切除手術が受けられるようになっていました。
その手術を翌日に控え、「何故、手術をしたいのか?」と問われ、



空雅さん:
『 なんでって、う~ん、みんなは色々将来したいことあるだろうけど、それでゼロからプラスに行くわけだけど、今、自分はマイナスにいるから、プラスに行くには、まずゼロに戻らなきゃいけないなぁっと。 』


 

時は、乳房の切除手術から約1年後の2014年12月、19歳になった空雅さんは高校を卒業し一人暮らしを始めていました。


そして、子宮と卵巣の切除手術を約1ケ月後に控えた頃でもありましたが、手術には約150万円ほど掛かるので、空雅さんは働いてその費用を貯める必要もあった時です。
空雅さんは30を越えるバイト先に応募しましたが、全てに採用されずに、あるレストランのみがウェイターとして快く迎えてくれ、そのお店で働く事が出来るようになりました。

 

が、しかし、この一つのお店だけでは足りない為、他のバイト先へ応募する履歴書を書いていましたが、空雅さんは性別の箇所において、男性として働く場面では男性に丸(○)を付け、それ以外では丸も何も付けずに履歴書を作成しておりました。
しかし、性別の箇所を空欄にして提出すると、返事すら来ない状況であったそうです。

 

そして、2015年1月、空雅さんは20歳になりました。
20歳になると子宮と卵巣の切除手術が受けられるようになります。
また、同じく20歳になると法的にも性別の変更が認められるようになりますが、その為には生殖器の切除手術も必要になり、空雅さんは山口 悟 医師の元で手術を受ける事に決めました。

ただ、それにはリスクも伴います、、、

それに関して山口医師は、、、



山口 医師:
『 小林空雅さんは、今日は子宮と卵巣を取る手術を受けるんですよ。
  完全に両対取っちゃうっていうのは、普通ないんですよ。
  なぜかと言うと、卵巣では女性ホルモンが作られているんですね。
  で、この性ホルモンが無いと、まず骨の密度が落ちちゃうんですよ。

  こういった20歳くらいでホルモンが無くなっちゃうと、残り60年もたないです。
  骨がスカスカになっちゃうんで。
  必ずホルモンの補充が必要だと思います。
  それを生涯、続けます。 』


 

そして、手術から2ケ月後の2015年5月、法的な手続きも終え、空雅さんは正式な男性となりました。


そして、喜びも感じ、将来の夢も日に日に増え続けているとの事で、


空雅さん:
『 今はようやくゼロだから、とりあえずは、堂々と男として生活ができるわけだから、これからは、もう、今通っている声優の養成所に専念して、もらったものを返していきたいなと思っています。 』



こうして、空雅さんはご自身の夢でもある声優になるべく、 色々と行動に移していく ようになりました、、、

しかし、男性として生活を始めて2年、空雅さんは 新たな違和感を覚える ようになっていました、、、



空雅さん:
『 違和感あるなって思ったのが22歳とか、職場で店長が私を新人だって紹介してくれた時に、新しく男の子が入ってくれたんですよって、なんで男の子ってわざわざ言うんだろうって、そこがすごい抵抗があって、そもそも性別に触れられたくなかったのかもしれないって、その時ちょっと思って。 』


 

そして、様々な出逢いを通し(これに関しては当該TOPICSで詳しく触れております)、法的にも男性として認められる中、一方で違和感を抱え続けたまま3年ほど経った2018年5月、空雅さん23歳の時です。



空雅さん:
『 今、自分の性別を表現するとしたら、男性でも女性でもない、性別がない状態ですね。
  女性じゃなかったら、性別はふたつしかないと当時の自分は思ってたので、じゃあ(自分は)男性だ!って、そこしか選ぶものがなかったので。
  ただ、アルバイトをしてて、男の子なんですよって言われたりとか、まぁ男の子扱いをしてもらえるようになってから、きっとこれも違うなっていうのに、だんだん違和感がチョットずつ積み重なっていったような感じで。
  で、今では、もう男性でもないんだなぁっていうのに気がつきました。 』


 

そして、この時の経過と共に、お名前を「空雅(さん)」から「このみ(さん)」へと変更しました。
また、男性ホルモンの注射も止め、女性ホルモンの薬を飲み始めていました。
と言うのも、このみ(空雅)さんは体の男性化は望んでいない事と、ホルモンの調整をしないと更年期障がいのような症状が出てしまうからでした。



そして、高校生の時から抱き続けてきた、もうひとつの夢である 声優へのチャレンジは中断 していました、、、なぜなら、、、


このみ さん:
『 声優になりたいっていう夢があったんですけれども、結局そういう役者とか事務所に所属した時に、男性タレント・女性タレントって分かれてしまうことが、自分はチョット無理だなと思って、あきらめてしまいました。 』



そして、更に次のようにこのみ さんは続けます、、、



このみ さん:
『 胸がないのは本来の自分らしい姿というか、シックリきてます。
  胸を取ったこと、(胸が)平らになったことも、これは自分らしさだと思うし、子宮・卵巣はもう、自分にとっては全くいらないものだったので、後悔はしてないですし、それ以上の手術、例えばペニスをつくるとか、そういう事はしてないんですけど、それは無い状態が自分にふさわしいと思っていて、ホルモンで声変わりした、この声も自分のものだと思ってます。

  生物学上が女性で、戸籍上が男性で、心はどっちでもないって、あえて、このややこしい、色々なものをもっていることが、今の自分らしさかなと思ってます。 』


 

そして、そこから約1年後の2019年6月、24歳のこのみ さんは(事務所などの所属に捕らわれない)ネットで友人と繋がって、声優や役者への夢に(再)チャレンジしています、、、

そこで、再度の質問がインタビュアーから問い掛けられます、、、



インタビュアー:
『 今の自分は好きですか? 』


このみ さん:
『 今の自分は好きですね。
  世界で一番好きな人は自分なので(笑)
  世界一好きな人・・・ 』


 

インタビュアー:
『 前に同じ質問をした時は、好きじゃないけど許せるかなっていう応えでしたけど、今は? 』


このみ さん:
『 過去、自分がフィットしてなかった時代とか、性別で悩んでた時代って、やっぱ悩みがあるから、こういう体だから、この自分が嫌いだ!って、あったと思うんですけど、なんか、まぁ、まだ24(歳)ですけど、生きてきて、自分の好きじゃないとこって確かにあるにはあるんですけど、そんな自分だから知り逢えた友達とか、今、周りにいる大切な人のことを想うと、あぁ、今の自分だから、こういう自分だったから、この人たちと今、一緒にいられるんだって思うし、そう思うと、まぁ、よくやったな自分!って、うん、誰よりも愛したいですね(笑) 』


 

今回は「性の多様性」をテーマとして活用させて頂きましたが、ここに流れている 「本質」や「源」というのは、他の「あらゆる面」にも「繋がって」「重なって」いる 大切な視点です。

そこで、今回のテーマとしての「性の多様性」に限らず、



全ての人において・・・

様々な出来事や物事などにおける経緯も背景も状況も環境も・・・

ましてや「思い・言葉・行動」もそれぞれ(各人毎に)違う・・・


 

というのも事実であり真実です。

そして、今回のような、例えば「性の多様性」というテーマを、



ほんの少し(頭の片隅に)「知って」おくだけでも・・・

「性の多様性」はもとより・・・

その他の「あらゆる面」に・・・

臨機応変に活用も対応も出来るようになり・・・

たった「ひとつのテーマ」だけからでも・・・

充分に「考える(事が出来る)」素材となる!!!


 

という点が、今回の趣旨の「ひとつ」でもあります(笑)

そこで、私なりの補足ではありますが、性の多様性にせよ、他の様々な多様性にせよ、



「多様性」という枠組みが創られると・・・

そこから外れる「少数派」が生み出され・・・

更に、その「少数派」も次第に(ある枠組みの中で)「多様性(多数派)」を形成していき・・・

同じくその中から新たな「少数派」が生まれる・・・


 

という事になります。

そして、一見すると切りが無い!?と思えてしまうかもしれませんが、



最後の最後まで・・・

「理解」という「繋がり」と「重なり」を拡大し続ける・・・

つまり「諦めない」という事が大切となる・・・


 

という事になります。

それが、



「諦める」の語源は・・・

「明らかに究める」・・・



という事であり、これはひいては、



己(自分自身)を知る・・・


という事に結び付いていきます。
勿論、このような事に終わりがあるのか、終わりが無いのかは私にも分かりません(笑)



また、これは私が以前に観た別の番組での事ですが、実際に医学(生殖器等)の観点においても、その人が男であるか?女であるか?との線引きは、実は、 かなりあやふや、あるいは、かなり曖昧模糊な面が多々ある (という事が分かってきている)と、医師でもあり研究者の方が話していたのを覚えております(笑)



と、このような内容でお届けしており、少し長くなってしまいましたが、


自分の出来る範囲内で大丈夫なので・・・

知り・考え・(自分なりの何かに)気づく!!!


 

という心持ちだけでも意識してみて下さい(笑)


『 Xジェンダーと性別ゼロ(前半) ~多様性が生み出す新たな少数派にも目を向ける~ 』はこちら

『 Xジェンダーと性別ゼロ(後半) ~多様性が生み出す新たな少数派にも目を向ける~ 』はこちら

 

S.Light.MのHP(詳細)はこちら

 

『 レイキヒーリングの詳細 』はこちら