こんにちは。
先日、とあるニュース番組の特集コーナーを視ていて、思っていることを書いてみる。
そのコーナーの内容とは・・。
日本の伝統工芸について。
伝統工芸品の焼き物、漆器の作り手とそれを売る人についての内容だった。
漆器は、漆を何度も塗り重ねて独特の美しいツヤを出す。
塗っては乾かし、また塗っては乾かし・・の繰り返しで、完成まで半年以上かかるものもあるとか。
完成した漆器は確かに素晴らしいツヤで凄いなぁ、と思う。
その職人の技術を伝承することは重要だとは思う。
一方で、その漆器を商品として見た場合、少し話しは変わってくる。
完成まで、半年もかかる漆器。
その値段は、安くても漆器一つで数千円はするらしい。
職人は材料の一部に木ではなく、樹脂を使うなどしてコストダウンしていると言っていたが、
値段からしてそう売れるものでもないし、一般に広めるのは難しいだろう。
とあるバイヤーが、その漆器の素晴らしさに目を付け、
もっとお手軽な値段で漆器を売り出したいと言う。
当然、職人は、コストと合わないと言うのだが・・。
漆器の塗りの回数を減らし、コストを下げた製品を作ることに。
職人は、塗りの回数が減ることで、腕の見せどころが減るばかりか、仕事も減る・・と渋っていたが、
バイヤーの押しに負け、作ってみることに。
ただし、材料には妥協せず、樹脂の使用はやめて、贅沢に無垢の木材を使うことにした。
出来上がった製品は・・
漆の塗りの回数を減らしたことで、ツヤはあまり出ていない。
その代わり、材料にはこだわったので、無垢の木材の木目が美しい製品が出来上がった。
しかも低価格。
一般の人にも、一目で、材料のよさが伝わり、
また手軽に伝統工芸の素晴らしさに触れることができ、
売れ行きはとてもいいそうだ。
私が印象に残ったのが、その漆器を作る職人の話し。
今までは、漆の技術にこだわり、作る製品については、消費者のニーズなどあまり考えていなかった。
でも、これからはそういう時代ではない。
消費者がどんなものを欲しているか、また、そのニーズに対して、職人としていかに応えることができるかが重要だ。
考えてみれば、当たり前のことなんだけどね。
この話しは、先ほどの漆器だけに限ったことではない。
今まで、意識が内向きで自分の作りたいものを作ってきた業界が多い。
その様なものが今まで売れてきたのは、モノがない時代だったから。
今はモノが溢れている時代。
技術的に素晴らしいモノが何でも売れる時代は、とっくに終わっている。
素晴らしい技術も、使ってもらえなければ意味がない。
その技術を使って、いかに世間に受け入れられるモノを作れるか。
それが鍵となっている。