童話ー老犬チャチャとカッパのテツ 4 | コダイラ翔の独り言、徒然なるままに呟く

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関西弁・話し言葉エッセイスト なにわのオバちゃん「ひめ」こと コダイラ翔のブログです。

4話目です。




「最近、テツが来なくなったねぇ」

「ダムが出来るから、もっと上流の川に行くって、言っていたよ」

「テツって、言えば、自動車に轢かれた妹を思い出すよ」

「そうでしょう?私も、驚いたもの。カッパになって帰って来たのかなってね」

「テツは、子育てが嫌いだった。11匹の子猫を育てたのは、私だからさぁ。でも、優しい猫だったよなぁ・・・・・・」

「そう、私も、テツ姉さんが好きだった」

「そりゃそうさ。私みたいに小言を言わないもん」





夏が来ました。




秋が来ました。




冬が来ました。




そして、カッパのテツが来なくなって、何回目の春の訪れでしょうか?


「すねていないでさぁ・・・・・・」

「だって、必ず遊びに来るって言ったのに、淋しいよ」

「ダムの建設が終わったら、必ず来るさ。いい奴なんだろう」

「そうだけど、ダムなんか止めてしまえばいいのにさぁ」

「人間様が考えたことだよ。いいか悪いか?分からないもの」


ダムの建設は、8年間続きました。カッパのテツは、一度も来なかった。

四季は、9回目を迎えていました。


チャチャも、もう14歳のおばあちゃんになっていました。

カッパのテツは、何歳になったのでしょうか・・・・・・!?


チャチャの思いは、淋しくて、淋しくて、おばあさんと散歩に出かけても、元気がありませんでした。




チャチャは、年老いて、桜子姉さんの夢を毎晩見るようになりました。

散歩に出かけても、足取りは重く、桜子姉さんを引っ張っていた元気も、もう無くなってしまいました。


日付が変わってしまいましたね。ペタしてね

これからの、展開は、哀しい結末になることだけを、お伝えしましょう。

御意見を、コメント、メッセージで頂ければ、幸いです。

皆さまも、良い夢を・・・・・・。