第9396回「トリック 山田奈緒子関連本 その8、時間の穴で未来を読む女 ストーリー、ネタバレ」 | 新稀少堂日記

第9396回「トリック 山田奈緒子関連本 その8、時間の穴で未来を読む女 ストーリー、ネタバレ」

 第9396回は、「トリック 山田奈緒子関連本 その8、100パーセント当たる占い師、時間の穴で未来を読む女 ストーリー、ネタバレ」です。ドラマの第一印象に基づき書いたブログのストーリー部分を前半に再掲し、後半には山田奈緒子の視点を書き加えるという、メタ・ミステリとして取り上げているシリーズです。


「その8、100パーセント当たる占い師、時間の穴で未来を読む女」

 ※※※間にはさまれた部分は、他のエピソードで引用済みです。御面倒でしたら、読み飛ばしてください。


 『 ※※※ 詐欺師にしろ、いんちき霊能者にしろ、多用されるテクニックとして"コールド・リーディング"と呼ばれる手法があります。


 「お父さんは、亡くなっていませんね」と聞かれたとき、どう答えるでしょうか。私の場合は、「はい、40年ほど前、学生の頃、父を亡くしております」と答えるかと思います。では、健在だった場合はどうでしょうか。「はい、病気がちですが、長寿を謳歌しています」ぐらいの答え方をすると思います。


 「亡くなって、いない(存在しない)」と「亡くなって(は)、いない(否定)」の間には、わずかなイントネーションの差しかないのです。コールド・リーディングは、会話を通じて、相手を知るひとつのテクニックです。日本語表現に限らず、言語の持つ限界性を、最大限利用しています。


 ホット・リーディングは、もっと直接的です。事前に相手の情報を知る方法です。紹介者からの情報とか、時には探偵、待合室での会話など、多種多様です。


 当然、リーディングを行なうものには、思惑があるはずです・・・・。行き着く先は、「クロサギ」です。ですが、それは別の話です。「当たるも八卦、当たらぬも八卦」と呼ばれる占いの世界に、100%当たる占い師が存在するのかというのが、このエピソードのモチーフです。 ※※※、』、以下、ストーリー部分に入ります。

 

 『 山田奈緒子(仲間由紀恵さん)は、かに座です。上田次郎(阿部寛さん)が知れば、「道頓堀みたいな女だな」と言いながら、手を蟹風に振るぐらいのことはすると思います・・・・・・。奈緒子の今週の星座占いは、恋愛運、金運とも最高なのです。ですが、商店街をふらふらと歩く奈緒子は、街の人々に混乱を引きおこします・・・・・。


 「スーパーマン3」の冒頭でも、似たようなシーンがありました。商店街で福引が行なわれています。一等商品「米俵一俵」、奈緒子はガラガラと回します。出てきたのは、"金の玉"、米俵一俵60キロです。アパートの部屋に持ち帰ると、上田が待っていました。


 そして、上田は福引のからくりを暴きます。「商店街では、"金の玉"は入れていなかった。ではお前はどうして金の玉を出せたのか、これは詐欺だ」 この一言で、奈緒子は上田に協力させられることになります。上田と奈緒子が相手をすることになるのは、"100%当たる占い師"鈴木吉子です。


 新興宗教のように、大きな屋敷に信者を集めています。彼女の占いの方法は、「時間の穴」を通り、未来をのぞいて来ることです。吉子は、プロモーション用のビデオを作っています。一週間前に、一週間後のニュースを録画してきたと言うのです。結果として、今日のニュースということになります。


 封印されたビデオが再生されます・・・・。当たっています。山田奈緒子はここで山っ気を出します。自分も未来を透視できると・・・・・。カードを取り出し、信者の一人が決めたカードを当てます。しかし、信者は言い返します。「来週あがる株の銘柄を教えろ」 ごもっともです。


 ですが、吉子はできたのでしょうか、できていれば、確かに信者は喜んで寄進すると思いますが・・・・・。しかも、任意の数字を選択できる"ロト6"は、毎回当てることが出来ますし、JRAも思いのままです・・・・・。ただ、そこまでの展開は見せていません。


 奈緒子のチャレンジが完膚なきまでに潰されたのは、教祖・吉子が選んだゲームによってです。3個のグラスの内、1個のみに毒を入れます。それを透視し、そのうち無害の2個のグラスの水を飲み干すと言うものです・・・・。


 吉子は先に二つのグラスの水を飲み干します。奈緒子には残りのひとつを飲み干す必要がありますが、吉子は毒ではなく塩を入れたと明かします。奈緒子の完敗です。これが、ラストの伏線になっています。奈緒子は、吉子から、「おまえは、最も大事なものを失う」と告げられます。その日から、上田が消えたのです。


 吉子と奈緒子のおバカな戦いが、信者を巻き込み続きます。上田はどこに行ったのでしょうか。信者の中に、長部という挙動不審な男がいます。かばんを肌身離さず抱えています。当人は、芋が入っていると主張しますが、どうも大金が入っているようです。


 ところで、上田次郎は、インテリアとして置かれていた鎧の中に身を潜めていたのです。一方、奈緒子は、"時間の穴"を探します。ヒントは、「怨」、「呪」、「叫」と書かれた三つの箱・・・・。時間の穴は存在するのか、という展開です。


 「叫」は「04」だったと言う落ちの後(確かにそう見えます)、奈緒子と吉子の最後のバトルが始まります。毒入りグラス・ゲームです。今回は長田も入ります。長田は、恋人を殺されていたのです。ここに来た目的は、復讐です。


 上田のアドバイスで、奈緒子は毒の入っていないグラス二つを選びます。まず、奈緒子が飲み干します。次に奈緒子が選んだもう一つのグラスを、長田が飲み干しますが、・・・・。長田が倒れたのです。吉子は勝ち誇り、最後のグラスを飲み干します。


 突然、長田が立ち上がります。演技だったのです。吉子は、悶絶し亡くなります。これが、長田の復讐だったのです。 』(以上再掲)



「山田奈緒子の視点」

 "私"は雑誌の占いコーナーには必ず目を通しております。「金運・恋愛運は、今週最高。今週のあなたは人生で最高の1週間になるでしょう」、確かに御町内の福引きで一等賞の米俵を当てたのです・・・・。「あんなのはインチキだ」とアパートで口出ししたのは、上田次郎でした。


 彼の思惑は分かっております。暴くべきトリックの依頼に来たのです。何か困ったことがあるとすぐに"私"を頼ろうとする、新手のストーカーのような男です。今度の相手は、"100%当たる占い師"鈴木吉子でした。庶民がすがる福引きでも占いでも、決して悪事を許してはなりません。こうして、"私"は正義感に燃え立ち上がることにしました。


 街頭で占いをしているという吉子の元へ行きますと、「石段を決して上ってはなりませぬ、あなたは大事なものを失くしますよ」と吉子は占います。そんな虚言など信ぜず、私は断固として階段を上りました。すると、上田が消えましたが、上田など"私"の大事なものではありませんので、占いはハズレです・・・・。


 でも、矢部が来ましたので、一緒に事務所に行くことにしました。吉子は豪語します、「過去・現在・未来、いずれも占って見せますよ」、しかし、超天才マジシャンの"私"がすべてのトリツクを暴いてやりました。"私"と上田さんは、吉子に呼ばれているという長部いという男と共に彼女の家に行きました。

 

 吉子は過去・現在・未来に通ずる穴があると吹聴していましたが、"私"はその嘘を暴きました。キレたのでしょうか、吉子は"私"に挑戦してきます、「三つのグラスの中から、毒の入ったグラスを見抜きましょう」と言ってきたのです。幸いその場はしのげました。


 ここで、一緒に屋敷に来ていた長部の正体が明かされます。彼は婚約者を吉子に殺されていたのです。吉子は"私"に同様の挑戦を叩きつけましたが、今回新たに加わったのが長部でした。"私"は毒の入っていないふたつのグラスをえらび、そのひとつを飲み干します。セーフでした・・・・。


 次に飲んだのが長部でした、長部が選んだのは"私"が毒の入っていないと判断したグラスです。しかし、長部は苦しみ始め倒れます・・・・。勝ち誇って飲んだ吉子さまでしたが、彼女も倒れたのです。これが長部流の復讐でした。倒れたのはフェイクだったのです。


 家に帰ると、大家のハルさん、ジャーミーくん、上田の三人があの一等賞の米(60キロ)を喰いつくし

ていました。覚えておれ!上田、食い物の恨みはこわいぞ。


(追記) 「トリック 山田奈緒子関連本」につきましては、随時取り上げていく予定です。過去に書いたブログに興味がありましたら、お手数ですがブログトップ左側にあります"ブログ内検索"欄に"奈緒子関連本"と御入力ください。