第6847回「古典落語 その141、皿屋敷 二代目桂枝雀 ストーリー、ネタバレ」 | 新稀少堂日記

第6847回「古典落語 その141、皿屋敷 二代目桂枝雀 ストーリー、ネタバレ」

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 第6847回は、「古典落語 その141、皿屋敷 二代目桂枝雀 ストーリー、ネタバレ」です。漫才に近いニュアンスで、観客の笑いを誘っています。これから落語を聴こうという人には、恰好の入門口演になっていると思います。


 この落語のモチーフは番町(播州)皿屋敷です。ウィキペディアから講談版でのストーリーを引用することにします。


 『 牛込御門内五番町にかつて「吉田屋敷」と呼ばれる屋敷があり、これが赤坂に移転して空き地になった跡に千姫の御殿が造られたという。それも空き地になった後、その一角に火付盗賊改・青山播磨守主膳の屋敷があった。


 ここに菊という下女が奉公していた。承応二年(1653年)正月二日、菊は主膳が大事にしていた皿十枚のうち一枚を割ってしまった。怒った奥方は菊を責めるが、主膳はそれでは手ぬるいと皿一枚の代わりにと菊の中指を切り落とし、手打ちにするといって一室に監禁してしまう。


 菊は縄付きのまま部屋を抜け出して裏の古井戸に身を投げた。まもなく夜ごとに井戸の底から「一つ……二つ……」と皿を数える女の声が屋敷中に響き渡り、身の毛もよだつ恐ろしさであった。やがて奥方の産んだ子供には右の中指が無かった。やがてこの事件は公儀の耳にも入り、主膳は所領を没収された。 』


「枕 怪談の季節」

 夏はやはり怪談の季節でんな。どてらを着た幽霊なんか、怖くはありませんからな。やはり薄物の着物が、幽霊には、よう似います。


「本編」

 町内の若い衆が、御隠居さんから近くの皿屋敷の幽霊話を聞かされます。隠居の語り口は、講談調であり、一切関西なまりはありません。「でも、九枚まで聞いちゃいけない。六枚まで聞いたらすぐに逃げ出すんや」と御隠居は諭(さと)します。


 御隠居の忠告を守りますが、お菊はんは大変な別嬪だったんですな、あくる夜も、若い衆は出かけます・・・・。しかしですな、噂が噂を呼び、日をかさねるごとに客が増えたんですな。「もう六枚だ、どけ、どかんかい!」、あわてて逃げ出します。


 ある夜のことです。押し寄せる人波で、動くに動けません。お菊はんも連夜出ておりますので、風邪でも引いたんでっしゃろか、のどを嗄(か)らしてたんですな。「一枚、二枚、こほっ、三枚・・・・」、六枚まできましたので逃げようとしますが、人並みに押されて逃げられやしまへん。


 「九枚、十枚・・・・」、ついに「十八枚」まで数えます。客のひとりが大声を出します。「おまんら、黙っとれ。わいが代表で聞いたる。そこ黙っとれ。お菊はん、おかしいやないか、九枚で終わりやろ?なんで十八枚まで数えたんや」


「落ち」

 「こほっ、このとおり風邪をひいていますので、明日はお休みを取らせてもらいます。それで明日の分まで数えさせていただきました」


(追記) 随時、「古典落語」につきましては更新していくつもりです。過去に書いたブログに興味がありましたら、ブログテーマ「ねたばれ古典落語」か、下記のURLをクリックしてください。

http://ameblo.jp/s-kishodo/theme-10061012317.html