第6843回「古典落語 その140、にらみ返し 十代目柳家小三治 ストーリー、ネタバレ」 | 新稀少堂日記

第6843回「古典落語 その140、にらみ返し 十代目柳家小三治 ストーリー、ネタバレ」

 第6843回は、「古典落語 その140、にらみ返し 十代目柳家小三治 ストーリー、ネタバレ」です。


 『 ・・・・(小三治は)5代目小さん門下で柳家のお家芸である滑稽噺を受け継ぎ活躍。噺の導入部である「マクラ」が抜群に面白いことでも知られ、「マクラの小三治」との異名も持つ。全編がマクラの高座もある。


 落語協会会長6代目三遊亭圓生は大変に芸に厳しい人物で、前任の会長より引き継いだ者を真打にした以外は、実質3人しか真打昇進を認めなかった。つまり、6代目圓生から真打にふさわしいと見做されたのは、6代目三遊亭圓窓・小三治・9代目入船亭扇橋の3人のみである。小三治は17人抜き真打昇進という記録を作った。・・・・ 』(ウィキペディア)


 この「にらみ返し」は、いわゆる顔芸ですので、ライブか動画で見ませんと面白くないと思います。録音ですと、ラスト近くは観客の笑いしか収録されていない時間が多くあります。


「枕 大晦日」

 掛買いが常だった昔は、大晦日はその清算日に当たっていたんですな。それだけに大変でございました。かような川柳も残されております。

「大晦日 (掛けとりの)箱提灯 こわくねえ」

「大晦日 猫もとうとう 蹴とばされ」


「本編」

 大晦日になりますと、おかしな人も出てきますな。「借金取りを追い返しましょう!」と連呼する人物がいたんですな。仁王のような顔つきの大男です。そこで、八五郎が早速呼び入れると、「ようがす、借金取りを追い返してあげましょう。お代は一刻一分」と答えます。


 玄関口に座り込みますと、押しかけてくる掛け取りを仁王のような顔で睨みます。ここからは顔芸です。しゃべりではなく、顔で借金取りをにらみます。一方の借金取りも睨み返します。しかし、勝負にはなりません。しばらくにらみ合った後、借金取りはなすすべもなく帰っていきます。


 いずれの借金取りも追い返します。日も暮れた頃、大男は帰ろうとします。八五郎は必至で押し止めようとします。「待っておくんなせい。これから大口の賭け取りが来るんでさ」


「落ち」

 「いやあ、これからは自分の家で掛け取りをにらみ返す必要があるんで」


(追記) 随時、「古典落語」につきましては更新していくつもりです。過去に書いたブログに興味がありましたら、ブログテーマ「ねたばれ古典落語」か、下記のURLをクリックしてください。

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