第6839回「トゥームレイダー 感想、ストーリー、ネタバレ ウエスト監督 A.ジョリー主演」 | 新稀少堂日記

第6839回「トゥームレイダー 感想、ストーリー、ネタバレ ウエスト監督 A.ジョリー主演」

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 第6839回は、「トゥームレイダー 感想、ストーリー、ネタバレ ウエスト監督 A.ジョリー主演」(2001年)です。惑星直列(グランド・クロス)がモチーフになっています。ウィキペディアから引用します。


 『 ・・・・ 1982年に起きた例では、太陽から見て 90度ほどの扇形範囲に全惑星が集まっていたもので、この程度の並びを「直列」と呼べるかどうかからして、はなはだ疑問である。・・・・


 惑星が一直線に並ぶと多くの惑星の総合された重力が太陽に異変を起こし、地球にもその影響が及ぶとの主張があり、オカルト雑誌などで取り上げられることがある。しかし地球科学の立場からは、惑星直列による重力の変化は、月と太陽による潮汐の何十万分の一以下であるため、問題にならないとされる。 』


 映画では、5000年に一度の現象として設定されていますが、ある広い扇型の範囲内に点在し、なおかつ扇の面からは遊離しているのが実情です(惑星によって軌道面に固有のわずかな傾きがあります)。それでも面白い現象であることには変りはありませんが・・・・。


 映画の印象は、現代版「インディ・ジョーンズ」ですが、はるかにVFXが多用されているため、SFアドベンチャー・ムービーとしての色彩が強く押し出しています。


「プロローグ ララ・クロフトVSロボット」

 ララ(アンジェリーナ・ジョリー)が地下墳墓に潜入します。オベリスク状の振り子が揺れ動く中、そこから床に飛び降ります。ララがお宝に向かおうとすると、彼女の前にロボットが立ちふさがります。鉤爪状の手で襲ってきます。実弾でララは対抗し、ついにお宝を手に入れ、ロボットに挿入します。


 技術部門担当のブライス(ノア・テイラー)が製作したロボットの性能実験でした・・・・。実験を行っていたのは、ララの宮殿の屋敷内だったのです。大きなアトリウム空間になっています。ララをサポートするのは、ブライス以外には執事のヒラリー(クリス・バリー)が仕えていました。


「第1章 惑星直列と摩訶不思議な時計」

 ララの父親のクロフト卿は、考古学者でした。彼が注目したのが5000年に一度訪れる惑星直列でした。5000年前に栄えた超古代文明は、その年に降ってきた隕石により、時を支配できる"トライアングル"を造った言われています。しかし、おごりのために滅びたとされています。


 おさないララに、父親は遺言とも言うべき任務を課しています。「ララが大きくなった時に次なる惑星直列が起きる。その時、ふたつに分かたれたトライアングルの存在が明らかになる。ララ、そのトライアングルを破壊するのがおまえの使命だ。必ず、人類のために壊してくれ」、今でもとの時のことが思い出されます。


 そんな父親は行方不明となっており、死亡が宣告されました・・・・。今、惑星直列が迫っています。屋根裏で、父親の遺品の時計が動き始めます。その中には、不思議な時計が隠されていました。銅鏡のような形状をしており、中心部の宝石のような石が光っています。


 ララは、時計の専門家に鑑定を依頼しますが、別の鑑定人を紹介されます。それがパウエル(イアン・グレン)でした。パウエルに時計を見せた夜、早速、特殊コマンドーが屋敷を襲ってきます。20数名の男が武装していました。屋敷の立地を利用し反撃を試みますが、時計は奪われました。


 破壊の痕が著しい屋敷の片付けに追われているとき、宅配屋が手紙を届けに来ます。亡き父親からの手紙でした。期日指定の手紙でした。ララにしか分からない場所に手記が隠されていることを暗示しています。早速、取り出すと"トライアングル"の隠し場所について記されていました。そして、謎の時計はそれを取りだすための鍵であると・・・・。


「第2章 トライアングルの半分はアンコール遺跡群に」

 ララは、トゥームレイダーの隠れ蓑に、報道カメラマンを自称しています。その関係で知り合ったのでしょうか、軍とも傭兵とも親しく付き合っていました。そのコネを最大限に利用し、イギリスからカンボジアに直行します。惑星直列が迫っていたからです。謎の時計を奪われたと言っても、ララにはひとつ有利な点がありました。それが、父親のメモです。


 ララが到着した時には、パウエルは現地人を使って門扉を破壊しようとしていました。ララは、別ルートで神殿に潜入します。異様な大きな仏像が多数安置されていました。父親のメモに従い、錠となる部分を探し当てます。


 やがて、パウエルたちも入ってきます。彼の傍らには、やはりトゥームレイダーのアレックス(ダニエル・クレイグ)がいました。アレックスは、陽動的に誤誘導するための場所に、鍵となる時計をはめ込もうとします。その時、ララが叫んだのです。「そこではないわ、私を信じられないのなら、再び五千年待つことになるわよ」


 戸惑いつつも、パウエルはララに時計を投げます。間一髪、錠となる部分に差し込みます。ギミックが動き始めます、そて、トライアングルの半分が現れます・・・・。さほど大きくはありません。一辺30センチほどでしょうか。ここからは争奪戦になります。さらに、あの仏像群が動き始めたのです。


 パウエルは時計を回収します。一方、ララはトライアングルの半分を確保しました。痛み分け状態です。あとは、仏像群とパウエルのコマンドーとの闘いが待っていました・・・・(最大の見せ場です。VFX全開です)。


「第3章 トライアングルのもう半分はシベリアの奥地に」

 辛くも、ララは追撃を振り切ります。次なる地点はシベリアです。一方、パウエルが誰の命令で動いているのかが明かされます。インフィニティというフリーメイソンのような組織です(ダン・ブラウンの「天使と悪魔」ではイルミナティとして登場します)。


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 そういえば、ララの父親は、"全智の眼"という表現を使っていました。超古代文明の象徴であり、謎の時計にも象嵌(ぞうがん)されています。残り半分のトライアングルも取り出すのにも、惑星直列時期を基準とした時間が指定されています。カンボジアで奪取したトライアングル半分を渡すことを条件にララは、パウエルと行動を共にします。


 3台の水陸乗用車に分乗し、氷結した湖を渡ります。そして、洞窟に至ります。巨大なギミックが設置されていました。指定の時間が近づくにつれ、動き始めます。錠となる部分は赤い直径3mほどの球の中に隠されています。ギミックを使って多数のコマンドーが近づこうとしますが、次々にギミックに挟まれて亡くなります・・・・。


 「私に任せて。時計を投げて」、ララが叫びます。見事、球体の中からトライアングルの半分を取り出します。こうして、トライアングルは一体となりました。ララは時間を遡り、父親と再会します。成長した娘に父親は語りかけます。「時の支配者になることが、おまえの使命ではない。人類のために、破壊するのだ」


 意識を取り戻したララは、一瞬にしてトライアングルを破壊します。しかし、洞窟は崩壊しようとしていました。像も動き始めています。しかし、パウエルとは対決する必要があります。彼こそが父親殺しの犯人だったのですから・・・・。パウエルを殺し、像を破壊し、ララは洞窟を脱出します。


 ララの次なる冒険は、エーゲ海の美しいサントリーニ島から始まります。


(補足) 一ドル紙幣に描かれている"眼"につきましては、ウィキペディアから引用しました。第一作は確かに面白い連続SFアクション映画に仕上がっています。果たして第二作は・・・・。