第4794回「名探偵ポワロ中短編、その2、謎の盗難事件、ストーリー、ネタバレ」(死人の鏡) | 新稀少堂日記

第4794回「名探偵ポワロ中短編、その2、謎の盗難事件、ストーリー、ネタバレ」(死人の鏡)

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 第4794回は、「名探偵ポワロ中短編、その2、謎の盗難事件、ストーリー、ネタバレ」(死人の鏡)です。シャーロック・ホームズ譚でも、政治家とか外交官が登場するエピソードは、ほとんど駄作です・・・・。


 メイフィールド卿の屋敷で、晩餐会が開かれていました。この屋敷には、空軍が開発中の最新鋭機の設計図が保管されていました。結論から言いますと、その設計図が盗まれたのです。当日の出席者を、先ず紹介しておきます。


① メイフィールド卿・・・・ たたき上げのエンジニアであり、苦労して今日の長官の地位を築いてきました。自身エンジニアですので、最新鋭機プロジェクトの責任者を兼ねています。出身のためか、粗野な人物として描かれています。


② ヴァンダリン夫人・・・・ 某国のスパイだとの噂が付きまとっている人物です。妖艶な美人ですが、老いが忍び寄りつつあります・・・・。


③ マキャッタ夫人・・・・ 住宅問題とか、児童福祉を担当している政府要人です。メイフィールド卿(①)を退屈させています。


④ ジョージ・キャリントン卿・・・・ やはり最新鋭機プロジェクトの責任者です。名門の出身らしい、風貌と身のこなしを備えています。


⑤ ジュリア・キャリントン・・・・ ジョージ卿(③)の妻であり、長身の女性です。40歳ほどなのですが、細身であり未だ容色は失われていません。神経質なタイプです。


⑥ レジー・キャリントン・・・・ キャリントン夫妻(④、⑤)の長男であり、将来キャリントン家を継ぐ身です。明らかにヴァンダリン夫人(②)に興味を示しています。


 果たして、犯人は・・・・。この屋敷に呼ばれたのが、名探偵ポワロです。各人から、盗難時の状況を聞き出していきます。ポワロに不可能はありません、果たして、設計図は取り戻せるでしょうか(矛盾していますが)。


 以下、最後まで書きますのでネタバレになります。


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 メイフィールド卿(①)は、屋敷の外を逃げ去る人物がいたと証言しています。一方、ジュリア・キャリントン(⑤)は、ヴァンダリン夫人(②)にのぼせ上がっている息子のレジーの仕業ではないかとの疑惑を捨て切れません。


 ポワロが考えたのは、屋敷内の人物が、ヴァンダリン夫人に設計書を渡したということです。では、外部の犯行を暗示したメイフィールド卿は、誰かをかばったのでしょうか。ポワロは、ふたりだけでメイフィールド卿と会います。


 「ヴァンダリン夫人に過去のスキャンダルの証拠を握られていたあなたは、設計図を夫人に渡したんです。ただ、その設計図には、プロでも分からない欠陥を織り込んでいますが・・・・。図面を受け取った国の研究者は、その試作機を失敗作だと考えるでしょう」


(追記) 短編につきましては、デアゴスティーニ社の「1話1巻」方式に不満を感じていますので、購入は差し控えています。場所を取るだけに、「2話1巻」方式で出してもらいたかったというのが本音です。


 なお、スーシェ主演でドラマ化された作品につきましては、短編についても、原作に基づき、以降順次取れ上げていくつもりです。過去に書いたブログに興味がありましたら、お手数ですが、ブログトップ左側にあります"ブログ内検索"欄に"名探偵ポワロ"と御入力ください。