第4630回「小沢被告に無罪判決、争点は元秘書との共謀の有無」 | 新稀少堂日記

第4630回「小沢被告に無罪判決、争点は元秘書との共謀の有無」

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 第4630回は、「小沢被告に無罪判決、争点は元秘書との共謀の有無」です。10時には「無罪」との速報がテロップで流されました・・・・。産経新聞のネット版から、写真を含めて一部引用します。


 『 資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる事件で、政治資金規正法違反(虚偽記載)罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の判決公判が26日、東京地裁で開かれ、大善文男裁判長は無罪を言い渡した。求刑は禁錮3年。・・・・


 小沢被告は「検察が違法な捜査を行い、検察審査会を誘導した」と無罪を主張。(1)検審の起訴議決に基づく起訴の適法性(2)虚偽記載の有無(3)元秘書との共謀の有無-が争点となった。・・・・ 』


 判決理由の朗読は後回しにされましたが、(1)の"検察審議会の起訴"につきましては、合法だったとの判断を下しています。やはり、争点は、(3)の"共謀の有無"でした。大善文男裁判長は、検察側の弁護士が提出した状況証拠だけでは不十分だと判断したものと思われます(全文を読み終わった段階ではっきりしますが)。


 今年(2012年)3月20日に、「小沢一郎被告と木嶋佳苗被告、裁判の類似点、一方が無罪であれば・・・・」のタイトルでブログに取り上げました。後半部分を再掲します。


 『 ・・・・ 一方、あの小沢被告です。公判の早い段階で、裁判長は検察側(弁護士が代行)の最大の根拠である検察調書を全否定しました。これまた、有罪に持ち込む決定的証拠に欠けています。ですが、木嶋被告の裁判で、検事は歴史的証明を持ち出しました。確かに、小沢被告の庭だけでなく、東京一円に雪が降り積もっていたのです。


 小沢被告の最終弁論は、自宅だけでなく東京一円に雪を積もらせたのは、検察の仕業だというものです。検察が正しいと考えている者は、もはや当の検事ぐらいです。ですが、そんな"極悪検事"にも、東京一円に雪を降らせることは不可能です。


 ワイドショー・ネタの木嶋被告と、今なお隠然と日本の政治に影を落とす小沢被告、少なくとも木嶋被告が有罪であれば、小沢被告も有罪でなければ、法としての一貫性に欠けます。逆に、木嶋被告が無罪であれば、当然小沢被告も無罪に・・・・。


 なぜ、裁判員裁判が導入されたのか、いま一度考え直す時期が来ているのかもしれません。司法全体がおかしくなっています。だからこそ、裁判員裁判が導入されたと考えるべきです。 』


 状況証拠だけの刑事訴訟で、一方は死刑判決、片や無罪判決・・・・。「裁判官によって判断は変る」と言った元検事の言葉が、印象的でした。