第4629回「ガソリン高値と、橋下市長が説く"原発なくても電力不足は起きない"」
第4629回は、「ガソリン高値と、橋下市長が説く"原発なくても電力不足は起きない"」です。今朝のみのもんたさんの朝ズバで、取り上げていた二大テーマです。
1. 原発なくても電力不足は起きない
橋下市長のブレーンだと称する人が、橋下市長の"意見"を代弁していました。「原発の稼動がなくても、電力不足は起きない」、そのとおりかと思います。ですが、重大な事実を伏せています。膨大な量の燃料を追加輸入していることです。
みずほ総合研究所が、昨年の貿易赤字を分析していますので、数値部分を引用します。
『 2010年 2011年 増減 (単位:兆円)
鉱物性燃料輸入金額 17.4 21.8 +4.4
原油 9.4 11.4 +2.0
液化天然ガス(LNG) 3.5 4.8 +1.3
石炭 2.1 2.4 +0.3 』
リビア、イラン情勢などの産油国事情が大きく影響していますが、記録的な円高が継続している中でも、この輸入増ですので、明らかに日本の突発的な需要増が、価格形成に影響していないとは言えません。
あれほど言っていた「二酸化炭素の削減」は、どこに行ったのでしょうか。日本は、今後4兆円に相当する二酸化炭素を排出し続けることになります。4兆円相当分とは、あくまで原発事故を受けての増加分です。
4兆円以上の燃料を追加的に燃やせば、橋下市長が主張するように、原発などなくても大丈夫です。「どんどん、二酸化炭素を排出しよう! 温暖化?そんなのく×らえだ」、市長は温暖化防止との整合性に目をつむっています(みのさんとコメンテーターには、その認識すらありませんが)。
2. ガソリン価格の高値を受けて、観光地とドライバーが悲鳴
原油価格と天然ガス価格は、連動制を取っていますので、当然、原油価格、天然ガス価格が上がりますと、ガソリン価格も上がります。日本にとっては、原発稼動停止とガソリン価格は連動して動いていきます・・・・。
観光でいくのであれば、公共交通機関で行けばいいのです。価格の上がるものもあれば、下がるものもあります。それを仕事にしている人には大問題ですが、デフレは未だに続いています・・・・。
(蛇足) メガソーラーも、わが過疎県にも2基建設が決定しています。メガソーラーと言っても、たった600世帯分(2メガワット)の電力供給しか出来ません。過疎県とはいえ、40万世帯ありますので、原発にかわるメガソーラーでしたら、同規模換算で300基以上必要になります。
個人の家で、ソーラー・システムを導入する人が増えています。ハトのフン害に5年ほど悩まされた私は、ソ-ラーには、嫌悪感しか感じません。そのあたりの事情が、個人導入の成否を決めると思います。
(補足) 写真は、東京電力の米倉山太陽光発電所です。日本では最大規模の出力10メガワットですので、単純計算では3000世帯分の電力が供給できます。