第4031回「名探偵ポワロ全集、第21巻、メソポタミア殺人事件、その1、感想」 | 新稀少堂日記

第4031回「名探偵ポワロ全集、第21巻、メソポタミア殺人事件、その1、感想」

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 第4031回「名探偵ポワロ全集、第21巻、メソポタミア殺人事件、その1、感想」です。原作は、看護師の視点で描かれています。当然、ドラマ化作品では、雰囲気がどのように変るのかが、興味の対象でした。


 クリスティの再婚相手が、考古学者であったために、中近東の発掘には何度か立ち会ったようです。その経験は、「死との約束」(※、死海殺人事件)などにも活かされています。


 ドラマの見どころとしては、発掘現場の光景です。ポワロは、バクダッドのホテルと現場を行き交うことになります・・・・。一方で、ポワロの私生活の断片が明かされます。伯爵夫人に恋しているようです・・・・。そして、遭遇した殺人事件。


 殺人現場に至るには、犯人は二箇所にわたって人々の目を潜り抜ける必要があります。ですが、第三者も含めて犯人らしい人物は通っていません。いわば密室殺人です。いかなる手段を使って・・・・、というのがトリックの中心になっています。


 ハウダニット(※)がトリックの中心だと書きましたが、このトリックを解明しますと、唯一の犯人にたどり着きます・・・・。物語を複雑にするために、被害者と犯人にまつわるエピソードに紙数を費やしています。ですが、推理小説の本質から言いましたら、なくてもいいパートです。


 トリックは傑出しています、十分楽しめます。やはりトリックの女王です。そして、舞台はメソポタミアです。次回、ドラマ版に従い、ストーリーについて書く予定です。


(蛇足) 縁がないと言うのでしょうか、残念ながらイラクには行っていません。旅行をしているなあ、という感慨に最も耽れるのが中近東のエリアです。全く異質の世界が堪能できます・・・・。


(補足※) ハウダニットについて、ウィキペディアから該当部分を引用します。

 『 フーダニット (Whodunit = Who (had) done it): 誰が犯人なのか


ハウダニット( Howdunit = How (had) done it): どのように犯罪を成し遂げたのか

ホワイダニット ( Whydunit = Why (had) done it): なぜ 犯行に至ったのか 』