第1573回「スノークイーン ―雪の女王―」(ファンタジー) | 新稀少堂日記

第1573回「スノークイーン ―雪の女王―」(ファンタジー)

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 第1573回は、「スノークイーン ―雪の女王―」(ファンタジー)です。180分、スタンダード・サイズ(4:3)ですので、アメリカのテレビ・ドラマかと思います。原作は、アンデルセンの童話ですが、全くオリジナルな作品といって言いかと思います。


 面白いアイデアが詰め込まれているのですが、180分と言う放映時間が長すぎ、散漫なイメージしか残りません。120分に編集していれば、傑作ドラマになったのではないでしょうか。ヒロインの恋人役であるカイを演じたジェレミー・ギルバートにも問題があると思います(恋人役としては魅力に欠けます)。


 物語は、スケート・シーンから始まります。自然に凍った湖面でのスケートです。19世紀の後半でしょうか、舞台は、アメリカと思えるのですが、後の展開から考えますと、ヨーロッパのようにも思えます。スケート場から、娘と夫を残し、母親が馬で出かけます。家に帰る予定(?)だったのですが、森の中で遭難します。スノークイーン(ブリジット・フォンだ)の仕業でしょうか。


 そして、娘ゲルダ(チェルシー・ホップス)は、美しい娘に成長します。父親と共に、ホテルを経営しています。ベル・ボーイ兼何でも屋として、カイは雇われます。お決まりどおり、いつしか、ゲルダとカイは愛し合うようになります。ところが、ある吹雪の夜、カイは目に痛みを感じます。目に何かが入ったようです。そして、その日から、カイは性格が変ります・・・・。大きな伏線です。


 美しい女性が、吹雪と共に、ホテルにやってきます。カイは、その女性と共に去って行きます。失意のゲルダは、橋から身を投げます。そして、一人の女性に救われます。「春の魔女」です。こうして、ゲルダのカイ探しの旅が始まるという展開です。


 四季を意識したストーリーです。「春の魔女」、「夏の王女」、「秋の盗賊」、そして、「雪(冬)の女王」です。ゲルダの旅は、そのとおりに進んでいきます。さらに、脇役として、話すことができるシロクマとか、トナカイが登場します。


 ドラマは、カイのパートと、ゲルダの冒険が交互に描かれていきます。カイは、冬の宮殿に監禁されています。ジグソー・パズルのように粉々に砕けた鏡を復元することが、彼の任務です。しかし、ワン・ピースだけ、欠けています。その最後のピースは、カイの目の中に・・・・・。鏡は、かって悪魔が作ったものです。その鏡があれば、世界を思い通りにできます。


 こうして、ゲルダとスノークイーンとの戦いが始まります。ここで、魔法のアイテムともいうべきブローチが登場します。かくして、ゲルダは、カイの愛を再び手に入れます。そして、氷の宮殿の雪は解けていきます。そして、外に出ると、氷の宮殿は、実はゲルダと父親のホテルだったと言うエンディングです。


 シロクマの正体は王子であり、スノークイーンと幸福に暮らしました、というエピソードも挿入されています。やはり、長すぎるのです。エンディングなどは好きなのですが、冗漫すぎるのが欠点かと思います。