第251回「信長公記」(歴史) | 新稀少堂日記

第251回「信長公記」(歴史)



 第251回は、「信長公記」(歴史)です。歴史上の人物で、常に人気の高い英雄といえば、西郷隆盛、坂本龍馬、そして、織田信長でしょうか。いずれの人物も、時代劇で観るか、小説を通じて、そのひととなりを知ることになります。


 しかし、織田信長につきましては、同時代人の著述により、その詳細が分ります。家臣であった太田牛一によってです。日記とか、備忘録の寄せ集めのように読めます。非常に詳細なのです。当時の風俗とか、習慣が読みとれます。今日まで伝わっていますのは、稀代の英雄、織田信長を中心に据えているからだと思います・・・・。


 荒木村重が反逆した結果については、詳細に記されています。実にむごいのです。荒木自身は、毛利に走りますが、女房団・臣下・領民は残されています。見つかり次第、全員処刑されます。戦国の世に生きた人々にも、強い印象を残したようです・・・・。


 信長公記の本巻は、信長の上洛から、本能寺までの約15年間を綴っています。首巻で、上洛までの半生が描かれています。稀代の英雄であるのは、間違いありません。しかし、その苛烈さを評価するかどうかは、・・・・。


 信長ファンには、必読の書です。候文が若干わずらわしいのですが、信長と家臣団の雰囲気が十分伝わってきます。小説では味わえない、歴史の持つ真実がそこにはあります。


(追記) 織田信長は、上司に持つには最も怖い存在です。