第63回「四国八十八ヶ所 二十番札所 鶴林寺(かくりんじ)」 | 新稀少堂日記

第63回「四国八十八ヶ所 二十番札所 鶴林寺(かくりんじ)」



 第63回は、「四国八十八ヶ所 二十番札所 鶴林寺(かくりんじ)」です。鶴林寺は、勝浦町にあります。勝浦町は、勝浦川に沿って長く展開しています。


 小学生が、見知らぬ人に言葉をかけることは、現在の世情を考えれば、慎むべきことかもしれません。ですが、それでは世の中がすさむばかりです。徳島県民の一つの選択は、老若を問わず、お遍路さんに声をかけることでしょうか。受ける側としては、非常に嬉しくもあり、励みにもなります。


 小学生は、登下校時に限って挨拶をするようです。昨日、数十人の小学生とすれ違いましたが、約七割の児童から挨拶がありました。それにしましても、世知辛い世の中になったと思います。


 6月20日(金)7時前、旅館を出発しました。旅館を出てすぐの角を曲がりますと、遍路道です。鶴林寺まで3kmですが、ジグザグ状に上っていく自動車の通れる舗装道路を、ほぼ直線で上っていく遍路道が何度か横切ります。遍路道は、コンクリートで舗装されています。約1mの幅で続いています。緩やかな勾配です。ですが、時々振り返りますと、次第に標高を増していくのが分ります。


 鶴林寺に近づくに連れ、さすがに道の勾配もきつくなり、階段状になっていきます。そして、「××丁」の表示されている苔むした小さな石柱を見かけます。一里塚のようなものでしょうか。ガイドブックでは、「丁石(ちょうせき)」とのことです(一丁は約30m)。十二番札所焼山寺(遍路殺しの道)で慣れたのか、比較的楽な気分でたどり着きました。山門には、鶴の彫り物があります。


 山号は、霊鷲山(りょうじゅさん)です。山号の名に決して負けない、風格のある山岳寺院です。独特の落ち着きがあります。山深いせいかと思います。二十一番札所への道は、境内の中にあります。本堂に続く階段を降りてすぐのところです。