文科省が進めている英語教育改革。

グローバル化という全世界的な流れと産業界側からの要望によって、様々な改革が文科省から打ち出されています。

英語4技能評価など、「まあ当然と言えば当然だよね」と思えるような英語教育改革の基本路線なのですが、
細部を見てみると、

「オイオイ、本当にこれやりきれるの?」

「誰が採点するの?誰が授業するの?」

「絶対に教育現場の実情を理解していないでしょ?」

みたいな、極端な施策が盛り込まれています。


例えば英語の教員に英検〇級レベルの語学力を求めるとか
オールイングリッシュの授業を目指すとか・・・

目指すべき方向性は正しく、やるべきなのは誰もが理解できるのですが、実際にそこまでたどりつけるかどうかは・・・という状態です。


当然のことながら、学校関係者や民間の教育ビジネス関係者は、ここにツッコミをいれるわけです。
「この改革大丈夫なのか?」と。

また、過度な英語教育への舵取りによって、そもそも日本語・国語教育は大丈夫なのか?という弊害も心配されます。
だいたい、「英語」なんてのは、言語という単なるツールであって、「英語」ができたとしても、海外で活躍するためには他のスキルがなければ意味がないのも事実。
英語のみを神聖視しても意味がないわけです。 (文科省はこの点、ICT教育や合教科試験など色々考えていることがわかりますが)

このように英語教育改革自体は色々な意味で先行き不透明な点が多々あります。
受験産業自体を大きく変える可能性が高く、また公教育現場にも色々な変化が生まれるでしょう。


英会話スクールにとっては、基本的には英会話市場が成長拡大するので追い風のように見えますが、
実のところ、学習塾とのボーダレス競争によって、逆にかなり厳しい環境になっていく可能性もあります。

一方で消費者にとっては、英会話という領域の付加によって、さらに教育投資が必要になると、家計にかなり重く負担がのしかかってくるのも間違いありません。
このため、従来の英会話スクールの価格帯とは異なる英語教育業態が成長する可能性も高い。


英語教育改革をビジネス視点でどのように先取りして対応していくのか?

ここから5年が正念場となりそうです。