鈴木尚広選手が、今シーズン限りでの現役引退を発表しました
プロ野球界に「代走の切り札」という新境地を開拓した選手。
その名は”元祖”として、永久に刻み付けられます。(・・・はずです)
シーズンを通してレギュラーとして活躍したシーズンは無かったものの、代走、守備固めとしてチームに欠かせない存在でした。
打席数は少ないものの3割近い打率を残すシーズンもありました。
ただ、他の選手との兼ね合いで控えに回ることが多く、代走としての出番が多かったです。
それだけ、走塁技術を買われたということになるわけですが。
レギュラー選手として活躍したのは、2008年後半~2009年前半と短かったのですが、規定打席に到達しなかったにも関わらず2008年はゴールデングラブ賞を獲得しました。
「足のスペシャリスト」の異名が表すように、2010年以降は安打数よりも、盗塁数が多かったです
200盗塁以上の選手の中では、最も成功率の高い選手でした。
思い出すのは、2009年に札幌ドームのカープ戦でライトポール際ギリギリに放ったホームランです。
たしか、クルーン選手の暴投で勝ち越され、敗戦濃厚ムードで出た、まさかの同点ホームランでした。だって、「塁に出れば盗塁でチャンスはある」とは思っても、あそこで打つなんて、絶対に誰も思って無いもん。本人だって思ってなかったはず。
だから、あれはまさかのホームランです!!
このホームランは原監督の記憶にもあり、2015年にホームランを打った時(2009年のまさかのホームラン以来です)の監督インタビューで「札幌ドームのホームランを思い出しました。あれ以来じゃないですか?」と言ったほど。
試合後半になると、いつでも行けるように準備に余念がありませんでした。
この何かに備える「準備」というのは、とても大事な事だと思います。
仕事でもプライベートでも。
今年のCS1stステージで敗退した時、ベンチにいる鈴木選手が映ったのですが、グラウンドを見つめる目が、どこか寂しそうな、遠い眼をしていたんですよ。
その時、『もしかして?』とは思いましたが、やっぱりでしたね
「代走の切り札」という新たな境地をプロ野球界に
♪タ~カ~ヒ~ロ 走っていく、タ~カ~ヒ~ロどこまでも~♪
「トレイントレイン」のメロディに乗せて、プロ野球の世界を走り去って行きました。
(そういえば普通は打席に入る時の登場曲なのですが、代走に出る時にかかった事ありましたね)
20年間、お疲れ様でした。
2013年度のビニターユニフォームと共にお別れです。