みなさま

気分転換してますか?

 

(第3話)

 

*記事掲載につきましては本人許可の上、

大幅に加筆修正をしておりますので、

内容はほぼフィクションです。

また登場人物は全て仮名です。

ちょっと気分転換に短編小説を読んでいただくような感じで、

息抜きにお読みくださいますと幸いです。

 

 

登場人物;保育士 レイ子さん

 30歳代 女性

 

 

(第2話からの続き)

 

勤務している保育園の園長先生からの紹介で、小学校の先生と2回のお見合いをした私だったが、

 

その方とは、

どう考えても

結婚というイメージがわかない。

 

見た目も性格も悪くない、

おそらく結婚したら良い旦那さんになり、

子どもができたら

良い父親になるだろう、、、

 

でも、

 

私にしたら、

結婚となると何か物足りないし、、、

 

 

私のその想いを園長先生に

率直に伝えた。

 

園長先生は

「それはご縁がないって感じね、

先方にはお断りをするということで

いいですね」

と言い、

 

私は

「はい、

せっかくのお話でしたが

お断りしてください」

 

と正直に答えた。

 

なんかスッキリとしたというか、

サッパリした。

 

これで良かった、

と思う。

 

両親にもそのことを伝えた。

両親は少しがっかりした様子だったが、

「ご縁がなかったということ」

とつぶやき、

私のこの判断に納得してくれた。

 

 

さぁ、

 

私には保育園での

かわいい子どもたちが待っている。

 

気持ちを切り替えて、

また仕事に専念しよう。

 

 

しかし、

今回のお見合いで

私も結婚ということを

しっかり考えることができた。

 

結婚というのは、

やはり「ご縁」というものなのだろう。

 

このご縁はその人自身にしかわからない

何か不思議な運命的なもの

なのかもしれない。

 

でもまぁ、

 

しばらくはその運命的な出会いが来るのを焦らずのんびりと待つことにしよう。

 

 

・・・・・

 

 

そして

 

それから、しばらくして、、、、

 

 

勤務している保育園にシングルファザーで一生懸命、

育児をしている父親がいる。

 

私より10歳年上のワタルさんで

1児(女の子)のパパだ。

 

どことなく頼りない感じでどこか憎めないワタルさんだが、

保育園でもイクメンパパで人気があった。

 

奥さんは子どもを産んで間も無く病気で

亡くなったということだった。

 

 

 

ある日のこと、

 

そのワタルパパが仕事でお迎えが

遅くなったことがあった。

 

 

その時、

たまたまワタルパパの子どもである

チイちゃんのお世話を私がしていた。

 

チイちゃんは保育園でも

人気のある

とても素直で優しい子であった。

 

そのチイちゃんが、

「うちのパパね、

レイ子先生のこと

ちょっとママに似ているって言ってたよ」

 

と言う。

 

私はちょっとドキッとしたが、

 

冷静に

 

「そ、そうなんだ、

きっとママも綺麗だったんだね」

 

と笑いながら冗談で言い返したが、

 

チイちゃん

「そう、写真のママも美人だよ」

と真顔で言う。。

 

(冗談なのだが)

 

焦った私はすぐに、

 

私は話題を変えた。

 

 

 

そしてしばらくして

ワタルパパがお迎えにきた。

 

慌ててやってきたのか

汗だくで

「遅くなって、すみません。

ありがとうございました」

ワタルパパが挨拶した。

 

私はちょっとドキッとしながら、

 

「あ、いえ、お疲れ様でした」

 

と言い、チイちゃんを引き渡した。

 

その時のワタルパパの匂いや声が

爽やかでなんか良かった。

 

「えっ」

 

チイちゃんを抱っこして去っていく

ワタルパパの後ろ姿を見送ったのだが、

 

パパに抱かれていた

チイちゃんが私に

 

意味深な笑顔でウインクをしてきた。

 

 

「えっ!?なに、なに、」

 

 

 

 

第4話に続く