みなさま

気分転換してますか?

 

(第一話)

 

*記事掲載につきましては本人許可の上、

大幅に加筆修正をしておりますので、

内容はほぼフィクションです。

また登場人物は全て仮名です。

ちょっと気分転換に短編小説を読んでいただくような感じで、

息抜きにお読みくださいますと幸いです。

 

 

登場人物;ミキ子さん

 40歳代 女性

 

(第1話からの続き)

 

私は現在、

高校の教師をしている夫と

2人の子供の子育てをしながら

私も高校の教師をしている。

 

・・・・・

 

大学に入るまでは

教師にはなるつもりはなかった。

 

ただ、

周りの友人たちはほとんどが

教師を目指していた。

 

その影響もあって

私も教員採用試験を受験した。

 

結果は友人たちのほとんどは合格したが、

私とカズオくんの二人が不合格だった。

 

結局、私は大学院に進学した。

 

偶然にもカズオくんも同じ大学院に進学した。

 

あまりに偶然が重なるので、

二人ともその偶然に驚いたものだが、

といって恋心が芽生えることはなかった。

 

私はどちらかというとカズオくんを弟みたいな存在に思っていた。

 

実際、

私の妹とカズオくんの性格は

とても似ているような気がした。

 

 

カズオくんもカズオくんで私に対して恋愛感情という気配を見せることはなかった。

 

だから、

大学院に入学してもお互い本当に仲の良い同級生というか親しい友人関係を維持できた。

 

そして、

2年間という大学院生活も

あっという間に過ぎた。

 

院修了後の進路について

真剣に考えなければならない。

 

かつて不合格だった教員採用試験を再度挑戦するか、それとも違う道に進むか

迷っていた時に、

たまたま教師をしている

私の女友だちに相談してみた。

 

彼女は実に生き生きと

教師生活を送っていた。

そのことに感銘した私は、

 

採用試験を受験しようと決心した。

 

そして合格。

 

一方、カズオくんはどうやら

博士課程に進学するという。

 

意外だった。

 

この段階でカズオくんと私の偶然は途切れた。

 

でもとにかく頑張って欲しい。

 

 

・・・・・・

 

 

その後、私も無事勤務先が決まった。

 

赴任先の学校は、

生徒たちは素直で、

進路実績もとても良い学校だった。

 

何より職場の雰囲気がいい。

職場環境に恵まれた、

と思った。

 

そんな感じのスタートだったので、

時間はあっという間に過ぎていった。

 

教師生活2年目には副担任になった。

そこで、担任の先生と仲良くなった。

 

その先生は私より4つ年上の男性教師。

 

赴任した時から気になっていた

先生(ケンジ先生)だ。

 

気になっていたというより、

その時はもうすでに私の中で

そのケンジ先生に対して

恋心が芽生えていたのかもしれない。

 

4つ年上ということもあり、

ものすごく大人に見えた。

そしてとにかく頼りがいがあった。

 

生徒たちに対しては

どんなに小さな(つまらないような)ことでもきちんと誠実に対応していた。

 

私にとっては教師の鑑のような存在だった。

 

こんな人ともし結婚できたら、

幸せだろうな、と思ったりもした。

 

 

・・・・

 

 

ところで、

私には4つ年下のサトコという

妹がいる。

 

この妹は私と違って、

マイペースでカラッとした性格だ。

 

男っぽい気性で、

昔から運動が好きで

部活もずっとサッカー部に所属していた。

 

大学もサッカーの強い大学に進学した。

だから、

大学は部活中心の生活だった。

男性と交際するような時間もなかった。

 

そんな妹が選んだ就職先は

大学の職員だった。

 

その大学には

着任部署は広報部だったが、そこの大学は女子サッカー部もあり、

コーチも引き受けていた。

 

妹は就職してからも

相変わらず化粧もそこそこに男っけもなく、

浮いた話は全くない。

 

 

そんな私たち姉妹はこのままずっと独身か?

 

と思うくらいだった。

 

 

ところが、、、

 

 

(第3話に続く)