例題21. 空気密度0.75kg/m^3の高層中を迎え角2°で翼弦長さ2.6mの翼幅23mの翼が、330km/hの速度で飛行するときの揚力並びに動力を求めよ。但し、翼の揚力係数は、0.62抗力係数は0.04にとる。
解答
V=330km/h=91.7m/s、翼面積A=2.6・23=59.8m^2
揚力FL=CLA(ρV^2/2)=0.62・59.8・((0.75・91.7^3)/2)=691.7kw
例題22.セスナ機の流速υ=360km/h、重量を30kNとすると、使用に耐え得る翼の面積を求めよ。但し、流入流れと翼となす角(迎え角)α=15°、空気の密度ρ=11.8N/m^3とする
解答
CN=2πsinα/(4+πsinα)=0.34
F=1/2CNSρυ^2 S=2F/(CNρυ^2)=1.4955[m^2]
例題23.静止平板に衝突する定常噴流において、円形ノズルの直径d=20cmで、υ=100m/sとすると、平板が噴流の方向と角度60°、密度ρ=9800Nm^3ときに平板に及ぼす力を求めよ。
解答
Q:ノズルに流れる流量=π/4d^2・υ=3.14/4・0.2^2・100=3.14m^3/s
F=ρQυsinθ=9800・3.14・100・0.866≒2664855[pa]=2.7[Mpa]
例題24.高さ100m、幅30mの高層ビルに台風により最大風速60m/sの風が真横に吹き付ける時、この高層ビルが受ける力を求めよ。但し、抵抗係数C=1.15、空気密度ρ=11.8[N/mm^2]とする。
解答
F=1/2CSρV^2=73278・10^3[N]=73278[kN]
例題25.可溶性結晶の攪拌槽の容積が1.5m^3を必要とする。容積の80%まで液を満たすとして必要な装置の寸法と動力を求めよ。但し、羽根先端速度5m/s、粘度12mPas比重1.3にとる。
解答
1.溶解の所要動力からタービン翼とプロペラ翼が有利であるが、タービン翼を用いる。
2.攪拌槽寸法槽高 高さ比κ=H/DT=1~1.2の範囲にある。
H=₃√(κ^2・V/(π/4))=1.4m
槽径 DT=√(V/(π・H/4))=1.168≒1.2m
3.溶液高さ Hl=0.8・H=1.12m
4. 6枚タービン型撹拌機の羽根寸法
羽根直径D₀=DT/3=0.4m
底面からの高さh₀=D₀=0.4m
羽根高さh=D₀/5=0.08m
羽根長さB=D₀/4=0.1m
邪魔板の幅b=DT/10=0.12m
邪魔板数=4枚
例題26.直径1mの攪拌槽に1mの深さまで液体を入れて、直径0.28m、幅0.1mの6枚羽根標準タービンを底面より0.3mの高さで95rpmで回転するのに必要な動力を求めよ。但し、槽には幅0.1mの邪魔板が4枚あり、液の粘度は1000cp、密度は0.92g/cm^3にとる。
解答
μ=1000cp=1pas、ρ=0.92g/cm^3=920kg/m^3
Re=920・95・0.28^2/(60・1)=114
動力曲線図より、動力係数φ=4
攪拌動力P=φ・ρN^3D₀^5=4・920(95/60)^3・0.28^5=25.1w
例題27. 長さl=10m、幅w=1mの薄い矩形板が、15℃の水中を一定の速度u=5m/sで板と平行方向に引っ張られている。この板を引っ張るのに必要な動力を求めよ。
但し、抗力係数はCD-0.0045である。
解答
D:抗力=2CD(ρu^2/2)A=2・0.0045(999.1・5^2/2)・10・1=1124[N]
P:動力=D・u=1124・5=5620[w]=5.62[kw]
例題28.直径d=65mm、質量m=0.156kgのボールをu₀=40m/sの初速度で水平に投げられた。投げた位置からl=18mだけ離れたホームベースを横切る時のボールの速度を求めよ。但し、空気温度は20℃である。
解答
Re=40・0.065/(115.01・10^-6)=1.3・10^5 あるから、円柱,球,平板の抗力係数の図より、CD=0.5
l=2・0.165/(0.5・1.205・0.00332)ln(1+(0.5・1.205・40・0.00332/(2・0.175)T)
上式にl=18mを代入すると、
1+0.243T=e^0.109=2.718^0.109=1.115
∴T=0.473s
1/u=CD/2m・ρAt+1/u₀ ∴u=u₀/(1+(CDρu₀At/2m))より、
u=40/(1+(0.5・1.205・40・0.00332・0.473/(2・0.165))=35.9[m/s]
y₀=1.5とすると、
y=1/2・9.8(0.473)^2+1.5=0.48mとなる。
例題29. 20℃の砂糖水溶液(10wt%)のm=1と3に於けるコンシステンシーKを求めよ。
解答
各試料の流動曲線のパラメータと温度によるコンシステンシー係数K°の補正パラメータの表を参照して、砂糖水溶液の場合N=1,τ₀=0,m=1、A=8.06・10^-7,
B=2.18・10^3を得る。
m=1の場合
K°=8.06・10^-7・exp(2.18・10^3/293.2)=1.36・10^-3[pas]
m=3の場合
K°=1.03・10^-4・exp(6.47・10^7/297.2^3)=1.34・10^-3[pas]
例題30.分散機で、被分散物がシリコーン(σ=20.1・10^-3N/m),連続相が水
(μm=10^-3pa・s)を分散した。微粒化できる最小粒子径dcを求めよ。
解答
dc=2Cacσ/(μmγ')=(2・0.41・20.1・10^-3/(10^-3・1.95・10^7)
≈0.845・10^^-6[m]=0.845[μm]
例題31.(ひまし油+安息香酸ブチル)を水に分散したエマルション及び安息香酸ブチル
を25%庶糖溶液に分散したエマルションの2種類をつくった。
両溶液の分散相の容積分率φを変えた時、其々の溶液の相対粘度ηrelは次の通りであった。比粘度ηsp=aφ+bφ^2と於いて、定数a,bを求めよ。
①.(ひまし油+安息香酸ブチル)/水
②.安息香酸ブチル/25%庶糖溶液
φ 0.06 0.08 0.12 0.16
相対粘度① 1.162 1.224 1.36 1.528
相対粘度② 1.108 1.152 1.252 1.352
解答
ηsp=aφ+bφ^2を還元粘度η/φに直して
ηsp/φ=a+bφである。このφと還元粘度との関係から、a,bを求める。
φ 0.06 0.08 0.12 0.16
ηsp① 0.162 0.224 0.36 0.528
ηsp② 0.108 0.152 0.252 0.352
ηsp/φ① 2.7 2.8 3 3.3
ηsp/φ② 1.8 1.9 2.1 2.2
①a=2.25 b=6.25 ηsp=2.25φ+6.25φ^2
②a=1.6 b=3.13 ηsp=1.6φ+3.13φ^2
aの範囲は1<a<2.5である。
分散媒の粘度と液滴の粘度
η₀[cp] η'[cp]
① 0.934 4.89
② 2.08 2.67
ηsp=aφ+bφ^2+cφ^3…よりaを求めると、
①の場合2.26
②の場合1.84 となる。
例題32. 8.14(w/w%)の食塩水の温度と相対粘度との関係は、次の通りである。
アンドレート式を使って、流動の活性化エネルギーを求めよ。
℃ 15 25 35 45
相対粘度 71.5 57.9 48.3 40.1
解答
アンドレート式lnη=lnA+ΔE/RTに於いて、定数Aは粘度の次元を持っている。
ln(η/A)=ΔE/RT
相対粘度を使って計算すると、
Hrel 71 57.9 48.3 40.1
T 228 298 308 318
(1/T)・10^3 3.5 3.4 3.2 3.1
(ηrel)₁→T₁、(ηrel)₂→T₂を考える。
(ηrel)₁=Ae^(ΔE/RT₁)
(ηrel)₂=Ae^(ΔE/RT₂)
即ち、
ln((ηrel)₁/(ηrel)₂)=ΔE/R(1/T₁-1/T₂)
(ηrel)₁=71 T₁=288[k]
(ηrel)₂=48.3 T₂=308[k]
をとる。
ΔE/R=ln(71/48.3)/(1/288-1/308)=0.385/2.2・10^-4=1.75・10^3[k]
故に、
ΔE=1.75・10^3[k]・8.314[Jk^-1mol^-1]=14.6[kJmol^-1]=3.5[kcalmol^-1]
例題33.濃度の薄い液体では、容易に液体の水頭圧力が求められるが、高粘度の場合
ではガラス管の液面に空気圧をかけて、強制的に押して流量を求めることになる。
この方法で5%の澱粉糊化液の圧力と体積流量を求めると、次のような結果になった。
流動式を求めよ。但し、管の半径R=2.86・10^-3m、その長さL=0.264m、流量は
試料体積V=2・10^-4[m^-3]を流通させるのに要する時間tsで表した。
P・10^-3[pa] 2.95 2.16 165 1.37
t[s] 100 145 200 250
解答
∱ω=RP/2L、γ'=4Q/πR^3を用いて、
P・10^-3[pa] 2 1.38 1 0.8
∱ω[s] 15.98 11.7 8.938 7.421
γ'[s^-1] 108.9 75.1 54.44 43.55
logγ'とlog∱ωの関係から、n,Kを求めると、
lnγ' 4.69 4.319 3.977 3.774
ln∱ω 2.771 2.469 2.19 2.004
Δlnγ' 0.371 0.322 0.223
Δln∱ω 0.311 0.27 0.186
Δlnγ'/Δln∱ω 1.193 1.193 1.197
Kについては準塑性流動式πP^N/(2^N・(3+N)L^N・K)R^(3+N)で求めると、
0.2434,0.2426,0.2424,0.2424となり、平均0.243となる。
以上から、
γ'=(1/K)∱^N K=0.243[pas] n=1.2
例題34.接線式の標準型サイクロンの圧力損失を求めよ。但し、ガスは常温・常圧とし
入口風速ui15m/s,処理ガス量Q=30m^3/minとせよ。
解答
標準型サイクロンの各寸法の外径をDで表すと、
ΔPcyc=((30A√D)/(d^2√(L+H))(γ/2g)u^2=12√3/5・(γ/g)u^2
代入すると、ΔPcyc=116.9kgf/m^2≒117mmH₂O
入口断面積A=bh=(2/15)D^2
A=Q/ui=0.5/15=1/30m^2
D=0.5m
例題35.清浄沪布抵抗係数ζ₀=10^7m^-1、ダスト層の比抵抗α=2・10^10[m/kg]
ダスト負荷m=0.15[kg/m^2]なる条件でバックフィルターの圧力損失を求めよ。
見掛け沪過風速u=1.2m/min、含じんガスは常温、常圧とする。
解答
ΔP=(ζ₀+mα)(μu/gc)=(10^7・0.15・2・10^10)((1.8・10^-5)(1.2/60)/9.8
=73.7kgf/m^2[mmHg]