上場直前に約1億円分のストックオプションを捨てて、当社を去った幹部がいました。
22年間頑張ってくれた創業メンバーだったので必死に止めましたが
「杉本さんや湯藤さんの背中を追いかけたい」と言い残し彼は結果として独立をしました。

その幹部から昨日深夜に突然
「どうしても相談があります。今お電話出来ないでしょうか?」というメッセージが来ました。
「どうしたの?」と聞くと、会社の資金繰りがもたないから相談に乗って欲しいという事でした。

年間売り上げ9,500万円、社員5名、借金2億円、残金1,000万円。どうやら不正のお金もある。
一通り話を聞き、僕から伝えたのは
「もう戦いは終わったよ。意地を張らずに戻って来な」という言葉でした。
最後の結論は聞かずに電話を切りましたが、これが起業のリアルです。

会社の生存率は10年で26%、20年で3%、30年では0.3%というデータがあります。
なんと、30年で99.7%が潰れるのです。

昨近、起業は美化されがちですが、現実は楽ではありません。
屍の山を乗り越えたほんの一握りの会社が生き残り、更に億単位の利益を出して成長を続けるのは0.0001%の世界線です。

起業をするという事は、お金を出してくれた株主だけではなく、人生を賭けて働いてくれる社員やその家族、応援してくれる取引先やお客様と、様々な人達の人生をも背負う事になります。
その覚悟が出来た時でなければ、起業はお勧めしません。

しかし、それだけに「起業家」とは、人生を最も熱くさせてくれる生き方の一つなのだと思います。

インタビュー動画では湯藤と創業時を語ってます☟