相場は需要と供給で決まります。 | 不動修太郎の「ニュース報道の裏側」

相場は需要と供給で決まります。

私はかつてマレーシアのクアラルンプールに
6年間住んでいました。いまでも中国、東南アジアの国々に
数多く行き来しています。そのせいか、現地の
状況を尋ねられる事が多いです。

 マレーシアは人口が増えつつあり、経済的に
発展しています。フィリピン、タイなど東南アジアの
国々は程度の差こそあれ、経済発展の途上です。
中国はともかくも平均的には東南アジア諸国は
日本よりも経済発展の伸び代が大きいのは事実です。
 それならば、日本で株、不動産に投資をするよりも
東南アジアで投資をすべき、という意見が多いですが、
ちょっと待って下さい。

(この記事の写真はすべて私が撮影したクアラルンプールの
風景です。)





 世界で土地、建物の賃貸料が高いのはどこでしょうか?
東京では、銀座、丸の内、海外なら香港島、ロンドン、
ニューヨークの一等地が思い浮かびます。
銀座には数年前から大きなビルが建ち、海外の有名企業が
出店しました。これからもオフィスビルは増えるでしょうが、
銀座の土地そのものがが増えるわけではありません。同様にロンドンの
繁華街であるセビルロウの土地が増えることも無いです。限られた土地に
店を出したいと願う人が多く、土地が増えないので、その土地の
値段、賃借料が上がるのです。供給に限りがあり、大きい需要があるので、
値段が上がるし、大きな下げは無いのですね。





 では東南アジアはどうでしょうか?
経済的に発展しているので、所得が上がり、
どんどん人口が増えているので間違いなく不動産の
需要は伸びていますね。
一方で、建物の供給は物凄い勢いで増えており、
マンション、オフィスがあり得ないスピードで建っています。
ですから、需要が増えていますが、供給もまた猛烈に増えています。
 昔の私を含めて現地に赴任している大使館の職員、会社員は、
現地の事情、社会情勢を良く知っています。その東南アジアを良く知って
いる日本人が現地の不動産を買うことがありますが、挙(こぞ)って
買っているわけではありません。
 私が住んでいたクアラルンプールの周辺は、飛行機の窓から見下ろすと
分かる通りジャングルとヤシ、ゴムの畑です。だから、土地を広げようと
思えば、いくらでも開発して、不動産を建てることが出来ます。
こういう環境なので、今は不動産の値段が上がっていても早晩、価格が
下落すると観ています。