【目次】
①まえおき
②直花果と有葉果について
③直花果と有葉果の品質の違いについて
④実際に育てて収穫したみかんの品質について
⑤有葉花の摘蕾(てきらい)と
翌年の結果母枝(けっかぼし)の確保について
⑥まとめ
<①まえおき>
趣味の鉢植えでみかんを育てる場合の話で
実の品質(糖度、サイズ)のうち
サイズは小さくてもよく
糖度を高めて
隔年結果になりにくい
摘蕾の方法を考えてみました。
<②直花果と有葉果について>
有葉花(ゆうようか)、有葉果(ゆうようか)
直花(じかばな)、直花果(じかばなか)
の説明は下記のリンク内に詳しく載っています。
枝に葉を伴わず直接ついている直花果。
枝から葉を伴ってついている有葉果。
<③直花果と有葉果の品質の違いについて>
まずは直花果と有葉果の
品質の違いについてなのですが、
糖度と重量(サイズ)の違いを
見ていきたいと思います。
下記の文献は
「させぼ温州」という品種で
シートマルチを施した条件下での
栽培のことが書かれています。
★シートマルチ栽培「させぼ温州」の
有葉果と直花果の果実形質の違い
https://www.pref.nagasaki.jp/e-nourin/nougi/theme/result/fruitPDF/n21-2-1.pdf
>①シートマルチ栽培下で果実糖度が
>14.0以上になる樹では、
>直花果は1果の平均重量が小さく、
>S級果が中心となり、有葉果は
>葉の枚数に関わらずM級果中心となる。
>②シートマルチ栽培下では、
>直花果は有葉果に比べて
>糖度がやや高い傾向にあるが、
>有葉果の葉の枚数の違いでは
>差はみられない。
(マルチシート栽培下で
果実糖度が14以上の樹の場合)
直花果は平均重量が少なくSサイズが中心で
有葉果は平均重量がMサイズが中心となり
直花果の方が有葉果より
小さい傾向があるようです。
一方
(マルチシート栽培下)
直花果は有葉果に比べて
糖度がやや高い傾向にあるようです。
他の温州でも
直花果は有葉果に比べてサイズは小さく
糖度が高い傾向がありそうな気もします。
<④実際に育てて収穫したみかんの品質について>
私が育てていたみかんは
2020年と2021年には
摘蕾、摘花、摘果などは行わず
自然任せにしていました。
個人的には
直花果と有葉果の品質に
明確な違いは感じられませんでした。
なので
趣味で栽培するのであれば
直花果と有葉果のどちらでもよさそうです。
<⑤有葉花の摘蕾と翌年の結果母枝の確保について>
★カンキツ連年安定生産のための
技術マニュアル
(第一章 弱剪定と後期重点摘果)
https://www.naro.go.jp/publicity_report/publication/files/rennen-manual01-tekka.pdf
上記の文献の5ページ目に
>そして5月にかけて
>有葉花(果)の摘蕾を必ず行います。
>表年樹では有葉花(果)はわずかですが、
>摘蕾(果)により新梢を確保することができます。
有葉花(果)の摘蕾(果)により
新梢(しんしょう)が確保できる。
と言うようなことが書いてあり
この新梢が翌年の
結果母枝(けっかぼし)なるのでしょう。
また
有葉花の摘蕾に関する
具体的な条件が書いてある文献がありました。
★みかん 5月の管理
http://www.ja-shizuoka.or.jp/~ooigawa/_vti_bin/eino/t3/stored/up0017.pdf
>着花過多樹は新梢の発生が期待できず、
>来年の着花も少なくなり、隔年結果
>が助長されていきます。
>早い段階で着果負担を軽減し、
>来年に向けての余力を残すようにします。
>有葉花を摘蕾することで
>来年の結果母枝を確保してください。
>目安として、有葉花の長さ5センチ以上
>または新葉5枚以上のものを摘蕾しましょう。
有葉花の長さが5cm以上または
新葉が5枚以上のものを摘蕾して
来年の結果母枝を確保するそうです。
実の品質を保ちつつ
翌年の結果母枝を確保する
ための条件なのでしょう。
小さめの実でも構わないなら
直花と有葉花の両方がついている場合は
すべての有葉花を摘蕾しても問題なさそうです。
そうすれば来年の結果母枝を
たくさん確保できるので
隔年結果(かくねんけっか)が
より起きにくくなるかもしれません。
<⑥まとめ>
2022年(来年)
みかんの日南1号で
直花と有葉花の両方がついた場合は
有葉花をすべて摘蕾してみようと思います。
そうすると
実の品質に関して
サイズは小玉で糖度は高い傾向になり
翌年の結果母枝も多く確保できるので
隔年結果のリスクが減るかもしれません。
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