人はなぜ山に登るのだろう。

「そこに山があるから」

んなわけないだろ。そんなこと言うのはエベレストに八回もチャレンジするような人限定。

たいていの人は馬鹿だから。そう、馬鹿と煙は高いところに上りたがる。

そういう諸説ありがちな理由はさておき、二大理由は、「達成感」と「眺望」ではないだろうか。

ずっと憧れてた山がある。
富士山でもない、ましてやエベレストでもない。

「裏山」だ。標高300メートルぐらいはあるかと思うが、この山には名前がない。

いつのころからかそんな名もなき山にいつかは登ってみたいと思うようになっていた。昨日までは。

何のへんてつもない山なので登山する人もおらず、道は途中で途切れている。が、たいした高さでもないので生きているうちに幼いころから仰ぎ見たこの山に登り、頂から我が家、我が故郷を見下ろしてみたいと考えていた。昨日までは。

そしてその日がやってきた。2018年5月28日午後2時頃のことである。

今週末あたりに裏山登山を考えていた私は、スーパーの帰り道、山を見ながらチャリをこいでいた。

と、その時車が正面から・・・両足切断で登山の夢が・・・なんて衝撃の展開を期待させていたら申し訳ない。

そうではなくて、山頂をみつめているうちに重要なことに気づいたのである。

「木が生い茂ってるやん」

登山経験者ならご存じだろうが、木があると眺望がさえぎられるのである。
山頂からの360°なパノラマは不毛地帯限定。

にもかかわらず、わが裏山は山頂に青々と高木がびっしり。

つまり二大登山目的のうちの一つ「眺望」がゼロということが判明したのだ。

達成感だけのために登山するほどには若くない。

ノコギリ持参でのぼるかどうか判断に迷うところである。