もう一息でまとわりつくような季節におさらばできそうな
朝には冷たい空気が肌を包むけれど、じりじりと真昼の太陽はまだまだ凶暴でゆるみはじめた身体を弄るという矛盾を抱えた季節の変わり目。
そんな一日に生まれたそのひともやはり大きな矛盾を抱えているように見える。
いつだって明るく屈託ない言葉で語るくせに、ひとりきりにどんな孤独を抱えているのか、底を見通せない眼をしてる時があることに気づいてしまった。
でもそれは疎ましいとか、怖いとかそんなものでは勿論なくて、そのひとに対する興味をもっともっと大きなものにしていくばかりだった。
出会ってから、もう何年が過ぎただろうか。
そんなことさえ忘れてしまうほど長く傍に在るのに、冗談めかして騒ぎ立てるばかりで毎日を過ごしてばかり。
もっと聞きたいこと、とか
もっと知って欲しいと思うこととか
日々がどんなに足早に過ぎてしまうのか、近頃ようやく気づきはじめたから。
今年こそは、きみに話したいことが
聞いてほしいことがあるんだ。
大切なきみの生まれた
このきれいな月の夜に
きみが生まれてきてくれたことに感謝を。
それから、もちろんきみの言葉で、きみのことをもっと聞かせてくれたら、って
いつだって偽りのないきみの言葉で。
BY Blue