レクチャーコンサート「印象派というアートシーン その音楽と色彩」を聴講しました。
コンサートが開催された別館は京都博物館 別館ホールは国の重要文化財・旧日本銀行京都支店の建物です。
演奏・お話は、ピアニストで、京都市立芸術大学音楽学部准教授の上野真氏。
プログラム
ベートーヴェン:ソナタ 第25番 作品79 「かっこう」
ラヴェル:水の戯れ
オンディーヌ
ドビュッシー:オンディーヌ
亜麻色の髪の乙女
こどもの領分
使用ピアノ:1866年製エラール
フランス印象派の作品、特に先ほど観賞した開催中の美術展「光の賛歌 印象派展」に因んだプログラムを中心に、当時の楽器であるエラールのフォルテピアノを使ってのレクチャーを交えながらのコンサートでした。
絵画と音楽が必ずしも一致する訳ではありませんが、当時のピアノ曲を当時使用されていたピアノを使っての再現が大変興味深く、当時の絵画との繋がりを聴き手が感じられるような選曲でした。
エラールはベートーヴェン、リストも愛用しており、ラヴェル、ドビュッシーの幼い頃もこのピアノで学んだと言われています。
エラールはダンパーの構造上、打鍵をしてからの減衰がモダンピアノとは異なり少し長いのですが、当時はこのような響きが好まれていたようです。
ところで、プログラムのベートーヴェン「かっこう」のだけが浮いているように思いましたが、ラヴェルはリストの影響を受けており、リスト→ツェルニー→ベートーヴェンにたどり着くことで、絵画も元をたどると自然への回帰に行き着くのではないか。
ベートーヴェンは森の散策が好きでインスピレーションを得ては作曲していたようで、「かっこう」を選曲されたようです。
絵画との繋がりのお話は殆どありませんでしたが、それでも先に絵画展を見て聴いたので、印象派の音楽と絵画の共通点など気づくことがありました。
エラールの音は優雅で高貴、19世紀のフランスの香りを感じました。
コンサートのアンコール曲は、リスト:スペイン狂詩曲。
上野氏の本領発揮と言う感じで、ダイナミックな演奏でした。
誘ってくれた友達に感謝です。
ありがとう(*^-^*)