合格体験記2023・その2 多摩美術大学グラフィックデザイン学科 推薦入試合格 | 渋谷美術学院、代表のひとりごと

渋谷美術学院、代表のひとりごと

多摩美術大学 各デザイン学科合格率
武蔵野美術大学 各デザイン学科合格率
 創設以来、15年連続全国一位!!!
   信頼の合格保証制度!(美術業界初!)
     現役生の多摩ムサ合格率97%以上!
       ※見学などのお問い合せはお気軽に 

 

多摩美術大学グラフィックデザイン学科 推薦入試合格

 

R・O

 

東京都立つばさ総合高等学校 

 

 

 

入試再現作品

 

 

 

 

 

「かわいいね」 お母さんとお父さんが笑った。

私は二人の笑顔が大好きだった。

自分が作った絵本を見せては両親に褒めてもらった。

それが幸せだった。

 

そして成長していくうちに褒められてもらうことではなく、

笑ってくれるのがうれしいのだと気付いてきた。

優しい両親、ワクワクする友達、かわいいいとこ達。

私の人生には、絵本のようにキラキラとしている人たちがいる。

この人たちに笑っていてほしい。

そう思った時、絵本を通してなら笑顔を届けられるかもしれない。

そう思った。

 

その時から私の絵本作家への第一歩が始まったのです。 

絵本作家になるための計画プラン。

それは美術大学に通い絵の実力を磨くことでした。

 

そのために予備校探しを始めた高校1年生。

ネットでたくさんの予備校を見てるうちに、ある言葉に目が止まったのです。

 

「合格率、No.1!」

 

絶対ここに行けばこの勝負勝ちだ。

そう思いました。

 

母と二人で面談に行く事を決め、いざ学院を目指し出発。

渋谷についたものの、学院の場所に辿り着けず、

電話でナビをしてもらいながら着いたところがセブンイレブンでした。

そしてとうとう講師の先生に迎えに来てもらったのはとても懐かしいです。

(あのときはありがとうございます)

 

緊張しながら学院のドアを開けると、立っていたのは

クロックスのスリッパに、青い髪の毛、

初めて見るデザインのTシャツにそしてサングラスをかけた、山本先生でした。

 

この先生がいずれの私の師匠になるお方です。

とても不思議な雰囲気を持っていて、

今まで会ってきた美術の先生とは何か違う…!そう思ったのです。

 

学院の壁に貼ってあるデザインもデッサンも人間が描いてないと思いました。

そのくらい上手で、私もこんなになれたらどんなに素敵かと胸がドキドキとしました。

光速でこの予備校に通うと決意しました! 

 

胸を高鳴らせながらやった夏期講習会での初めてのデザイン。

私は幸せなことに優しい方々に囲まれた人生だったので、

私の絵を皆が褒めてくれ、好きと言ってくれましました。

そんな私は当然絵が上手いと大勘違いをしていたのです。

なので、この時の講評の結果は衝撃的でした。

 

 

1点。

 

 

ワクワクもドキドキも消滅しました。

お先真っ暗だ。

どん底に落ちた瞬間でした。

絶対に山本先生に下手すぎて怒られると思い、身を構えてると…

「初めてのデザインどうだった??」そう言ってくださり、答えると

全く怒られる気配はなく、むしろ笑顔で他愛のない世間話をしてくれました。

全く思ってた講評と違う…もっと講評って怖いものじゃないの?

こんなに楽しいものだっけ?

先生とお話するのが楽しくて楽しくて、

辛い結果もまぁいっかと思えるほど、

先生とのお話は心をほぐしてくれました。

この毎日の楽しい講評が合格するまでの長い間、私の唯一の楽しみでした。 

どんどん授業を重ねるうちに、講評の他にもう一つ楽しみができました。

 

それはすんごく上手な受験生の先輩方の作品を見ることでした!

毎回毎回、信じられないほど上手で講評で並べられた時は、

まるで美術館のようです。

いつかこんなふうになれるのだろうか?

皆、元々上手いんじゃ…などと毎日思っていて、

不安が胸に募ったりもしました。

しかし、点数が安定してきた頃も、私を前に突き動かしたのは

いつも、この時の感情でした。

 

この時に出会った先輩方はいつでも私の目標なのです。

この時の先輩方が合格し、学生講師となって学院に来た時、

嬉しくてたまりませんでした!

 

実際にデッサンやデザインをやってくださる

デモンストレーションという授業なんかでは、

その先輩方の背後霊のようにずっと動かず、じっと見ていました。

上手い人の5時間デッサンは1時間のように感じます。

そのくらい見ていて面白いのです。

名作映画のバック・トゥ・ザ・フューチャーにも負けませんよ! 

高校2年生、高校3年生と学院で過ごすうちに

学院の皆との仲も深まっていきました。

 

毎回すごいデッサンを描く人や、講評の時、

いつも盛り上げてくれるムードメーカーや、

いつも真剣に取り組む姿勢がかっこいい人。

学院での時間は高校での時間よりも青春していたかもしれません。

 

学院の皆は時にライバルで、心の友で、夢に向かって走るには欠かせない存在です。

学院に置いてある図書をみながら、どの作品が好きかと話したり、

参考作品を見てすげー!と騒いだり、

いつも支えてくれました。

 

いつも下段ばかりで辛いときを乗り越えられたのは、

学院の皆がいたからです。

お互いに切磋琢磨しあえたこの時間はとてもかけがえのないものだと思います。

皆といることで、沢山のデザイナーの方々を知り、

皆といることでたくさんの視野を持つことが出来ました。

皆はある意味、誰よりも私の先生でした。 

だんだん点数が安定してきた、高校3年生冬。

推薦では残念ながら失敗してしまいましたが、

それからすごく成長してきた私です。

本番今までやってきた事を生かせるのか、

デザインのアイディアが全く思いつかなかったらどうしようとか、

試験本番では遠くから見ることができない、という縛りの中

全体的なデッサンのクオリティをあげられるかどうか、

不安は星の数ほどありました。 

そんな中、私の気持ちを変える出来事がありました。

不安は持ち物にも現れ、心配症の私は絵の具をトランクにパンパンに、

そして宅急便のようにダンボールにも絵の具を詰め込みました。

すると、「少し持とうか?」私の荷物を見た皆がそう声をかけてくれました。

皆もトランクの大荷物で絶対重いはずなのに…。

そう思うと荷物を持とうと気にかけてくれた皆への感謝が溢れてきました。

皆の優しい気遣いと、この会場に一人じゃないんだという勇気が、

私の心を励まし、不安をほぐしてくれました。

なので、不安な気持ちになっても、約2年間通ったんだから大丈夫。

そんな強気な気持ちに変わっていました。

今まで描いてきた作品が合格への階段になるとしたら、

その階段はもう出来上がっているはずです。

そのくらいたくさんの作品に命を注いで描いてきました。

なので、どんな課題が出ても全力でやれば大丈夫。

そう思っていました。

しかし、デッサンの課題文は「顔を覆う両手」血の気がサッーと引きました。

それを見た時の感情を今も忘れません。

私は顔を描くのがすごく苦手だったのです。

どうしよう。でも、やるしかない!

どうにかして顔を極力描かない方向でエスキースを考え、

扇子で顔を覆う両手を描きました。

デザインもデッサンもなんとか描き切り、あとは結果を待つだけです。

 

「不合格」

 

ドキドキとして開いた画面に映し出されたこの三文字。

高校1年生から今まで積み上げてきたものが崩れ落ちていくような感覚でした。 

今思うと、当然の結果なのかもしれません。

とても未熟で、一人のデザイナーとして自立していなかったと思います。

それがわからなかった当時の私は、

5月病のように水のようにぐったりしていました。

そんな時、ある講師の先生のお言葉で世界が変わって見えたのです。

 

「いつ入学するかは関係ないよ、現役で行っても、何浪しててもやる人はやる。

 大切なのは大学でどう頑張るかだよ。」 

 

今までの自分がどれだけ入学にだけ、こだわっていたかがわかった気がしました。

今の時間は入学するための時間ではなくて、

成長するための時間なのだと改めて気付かされたのです。

それからの私は別人のように変わった(気がしました)。

 

浪人中は、私は手を動かすのではなく、頭を動かしたのです。

描くより先に頭を動かして、感情よりも、理性を持って作品に望みました。

パッションも心の叫びも作品のスパイスです。

しかし、それはスパイスにすぎず、

根本的なところはしっかりと考えを持った作品にこそ現れるのだと思いました。

デッサンもデザインも何度も、何度も、エスキースを描き、消して、

考えながら描くと、いつの間にかいい作品に繋がっていました。 

 

浪人中、私を支えてくれたのはそのお言葉と講師の方々と一人の友達です。

その子と私は常にライバルであり親友です。

いつも、デッサン、デザインを描いてる時は

天心VS武尊のようにお互い燃え上がってますし、

戦い終わったあとは共に成長するのです。

絵を描いてるときの気持ちは伝説の格闘家のようでした。

その熱と負けたくない気持ちが私の筋肉になったのです。

彼女がいなければ、私はきっとこんなに走れなかったと思います。

彼女のすごいデッサンやデザインが私を燃やし、

ずっとそばにいてくれた事で私はこの浪人人生を乗り越えられたのだと思います。

彼女へはありがとうを何回言っても足りないくらい、感謝でいっぱいです! 

浪人することで、現役のときに一緒に戦ってきたメンバーとの関係が

終わってしまうのではないかなと悲しい気持ちになったことがありました。

その皆が先生になったり、住む世界が変わってきてる気がしたからです。

初めはやっぱり寂しくて、一緒に先生になりたかったなぁと思ったり、

一緒にキャンパスライフを送ったり、皆でやりたい事が山ほどあったので、

とても寂しかったです。

でもそんな気持ちを思ったのは一瞬でした。

皆は誰よりも応援してくれて、見守ってくれて、友達でいてくれたのです。

このデッサンめっちゃいいね!と言ってくれたり、

遅くまで残ったときは差し入れをくれたり、

一緒にデッサンの案を考えてくれたり、

クレセントボードをお裾分けしてくれたり…

皆は先生というよりも、ちゃんと友達としてそばにいてくれたのです。

どんなときも大切な、かけがえのない友達でした。

本当にこんなに素敵な友達を持って幸せ者だなぁと今心から思っています。 

 

そんな私は沢山の友達の応援を背負って2度目の挑戦へ。

2022年の推薦入試の会場へと向かいます。

デッサンの日、橋本駅まで母と二人で行きましたが、

道中不安で自然と涙が溢れてきました。

前回の一般入試では、デッサンが思うように点が伸びず、

それがトラウマになっていたのです。

本番、会場につき、友達から応援のお菓子のドーナツをもらい、準備万端です!

あのとき、電車で泣いたおかげで心は不思議と晴れやかでした。

 

「試験を開始してください!」

 

その言葉と同時にめくった問題用紙。

「両手をモチーフとして緊張感を描きなさい」

今までとは違うテイストの文に戸惑いを隠せずにいました。

頭の中の講評ノートを急いでめくり、

今までの講評を急いで見返します。

 

みつけた!

 

「緊張感のある画面だね」その言葉を講評時にかけられた作品

それは完全に今回の課題と一致していました。

これでやるしかない!

これなら、私の浪人人生を賭けられる!

そんな気持ちで5時間ぶっ通しで描き切りました。

後ろの席の子がびっくりするほど上手で、

不安になりましたが、彼のデッサンを超えてみせる!という

ポジティブな気持ちで取り組めるようになりました!

このような気持ちに余裕を持てたことも

今回、浪人して心が成長したからこそだと思います。 

デザインの日、私は電車の中で、ワールドカップのデザインを考えていました。

ワールドカップで盛り上がっていた年だったので、

今年はワールドカップにちなんだ課題がでると予備校で噂されていたのです。

ワールドカップのデザインも考え終わり、

筆もバケツも前日しっかりと洗ったので、準備にぬかりはありません。

いざ問題用紙をめくり、並べられた言葉。

 

「靴をモチーフにStyle」

 

全くワールドカップとも関係なく、

そして誰でも一度はやったことあるようなメジャーな課題でした。

しかし、それが故に出るとは思わず、不意を突かれた気持ちでいっぱいでした。

どうしようどうしよう。

デッサンの時とは違い、全くアイディアが出ずにいました。

何度も何度も、エスキースを描き、

今までの自分を最大限に生かせるデザインはこれしかない…!

40分ほど考えて、やっと出てきたデザインの案は不安でしたが、

そのデザインは自分そのものでした。

その後も描きながらどんどんと改良して、

いいものをいいものをという前のめりな気持ちで作品と向き合いました。

そして終了の合図がなると、昨日と今日の緊張疲れが一気に押し寄せてきて、

しばらく片付けられなかったです。

そのくらい全力を出し切った作品達だったと思います。 

 

合格発表の時、私は前回と違うことをしようと心に決めていました。

なので、前回一人で結果を見た分、今回は先生方と見ると決意してたのです。

前の日はいつもより、家の手伝いをしてみたり、亀の甲羅を磨いたり、

神に祈ったりして徳を積み、願掛けしました。

 

私はよく頑張ったと言えるほどに全力疾走した約3年間だったと思います。

だから、全力で自分を信じてあげてみようと思ったのです!

皆に見送られながら開いた、合格発表のページ。

ドキドキして、見たくないという気持ちも少しあり、

不合格したときの絶望を覚悟しつつ、大学での学びを夢みて、ポチリ…。

 

「合格です」

 

涙が滝のように溢れてきました。

先生にハグされて、頭の中は嬉しすぎて、真っ白です。

良かった良かった。皆が拍手してくれて、まるでオリンピックで優勝した選手のようです。 

合格の喜びを感じると同時に、今まで私よりも心配して、

ずっと私を信じてくれた両親やそばにいてくれた友人たち、

いつも親身になって話を聞いてくれた講師の方々、

私を合格へと導いてくれた山本先生への感謝の気持ちで胸がいっぱいになりました。 

これからどんなに辛い時があっても、ここで出会った友人や、頑張った日々、

山本先生を始め講師の方々からの教えを胸に乗り越えてみせます!

約3年間、渋谷美術学院で学んでほんとに良かったと心から思っています!

お父さん、お母さん、友人や、講師の方々、

そして山本先生… 本当にありがとうございます!!!!!!!!