合格体験記2021・その3 | 渋谷美術学院、代表のひとりごと

渋谷美術学院、代表のひとりごと

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合格体験記2021・その3

 

 

Oさん 千葉県 市原中央高等学校 出身

 

多摩美術大学

グラフィックデザイン学科合格

 

武蔵野美術大学 

視覚伝達デザイン学科合格

 

多摩美術大学

情報デザイン学科 

メディア芸術デザインコース合格

 

武蔵野美術大学

デザイン情報学科合格

 

多摩美術大学

統合デザイン学科合格

 

受験学科、全て合格!

 

多摩美術大学グラフィックデザイン学科 デッサン入試再現 5H

 

150点満点!

 

 

多摩美術大学グラフィックデザイン学科 色彩構成入試再現 5H

 

150点満点!

 

 

 

 

 

 

田んぼが広がる田舎の近くには、

いわゆる美術予備校のようなものはありません。

現役の頃、なんとか通った地元の小さな予備校では

「受かった画を真似しろ」と言われ大混乱。

一浪目に大手予備校に通いましたが補欠という結果になり、

信じて電話を待ち続けても私に番号は回ってきませんでした。

 

 

 

『真っ黒じゃん!!』

 

 

二浪目。

渋谷美術学院での初の面談で、

山本先生に言われたこの言葉をはっきりと覚えています。

(思い出すたびに家族で笑っています)

 

 

 

 

私のデッサンは黒くて汚い絵でした。

 

学院に来てからは初めて知ることばかりです。

ハイコン、トーンチャートも初めてやりました。

もちろんめちゃくちゃ汚くなりました。

 

『色が響く』

 

という言葉も、

「何言ってんだろう?これ、みんなわかるの?」と意味がわかりません。

私も早くみんなみたいになりたい!追いつきたい!

元々負けず嫌いなこともあり、ますます知りたくなりました。

レオナルドダヴィンチの解剖学から始まり、

たくさんのデザイナーさん、絵画の本を読み漁りました。

学んでいた時間は私にはわかりません。

でも、私が在籍していた昼間部Sコースは

先生が言うには2000時間以上はあるそうです。

 

受験勉強をしている。というより、

山本先生の話を聞くのが面白いから。

描くのが、知るのが楽しいから毎日学院に通っていました。

TDCに出品したことも新しい経験で、

普通の予備校ではきっとやらない貴重な時間だったと思います。

課題もテーマもなく「自由に制作をしていい」と言われると、

何をしたらいいのかがわからない。

それは、今まで受験に合格することばかりを考えてきたからでしょう。

自分が「本当に創りたいモノ」を見つけなければいけないし、

それが見つかれば、そこから「個性」らしきものが見つかるのだと思います。

推薦入試は自分に自信がなかったのと、

自分のペースが乱れてしまうのが何よりも怖かったです。

先生からは「受けてみなよ」と何度も誘っていただきましたが、断ってしまいました。

(頑固!!と言われてしまいましたが…)

でもそれで良かったです。

それに、推薦を受けていたとしても私は落ちていたと思います。

その時の自分の判断が正しいかどうかはわかりませんが、

正しいと言える道にする努力が必要なのだと思います。

みんなが必死に推薦対策に向かっている間も、

同じくらい私も集中してやろうと心の中で意気込みました。

 

 

推薦で合格した2人の合格体験記を何度も読みました。

私は2人の合格が本気で嬉しいのと、

そこに書かれている文章に感動して読むたびに涙目になっていました。

やっぱりこの学院はすごい。

一人一人がちゃんとクリエイターとしての心が育っていくんです。

周りのみんなのことをこんなに尊敬することができる幸せに、

私は渋谷美術学院で学ぶことができて本当に良かったと痛感していました。

 

推薦が終われば、次はもう私の番です。

 

デッサンは早いうちからたくさん描いていたので、

満点狙うぞ~、楽しむぞ~と安定していました。

しかし、デザインの方はなかなか思うようにはいきませんでした。

「色が響く」という感覚はわかってきましたが、

「バランスが悪い」「バランスが悪い」「バランスが悪い」……

デザインをやるたびに言われていました。

でもわからなかったのです。

本に載ってるバウハウスやデ・ステイルのような

丸や四角や線だけのデザインは何がなんだかピンときていなかったし、

私には丸や四角や線にしか見えず

「かっこいい!」という気にはなっていませんでした。

もしかして私は向いてないかも…?諦めた方がいいのかも…?

このモヤモヤは1月の中旬まで引きずっていました。

 

 

「戦う為にまだ自分自身が固まりきれていなかったから」

それが一番大きいと思います。

 

 

フワフワしていて自分が自分のことを

はっきりと言うことができませんでした。

このままじゃ絶対落ちる!

それでも焦っても仕方ないので、

もう一度落ち着いて、推薦の合格体験記を読むことにしました。

 

Kちゃんは

「私はヘンテコでアンバランス、ユーモアでバカっぽい、

 ヘタクソだけど愛おしい、そんなものが好きです。」と書いています。

 

じゃあ私は何なんだろう。

 

部屋で悩んでいても窮屈になるだけです。

私のことを、いつも見守ってくれている母に聞いてみたところ、

「掴みどころがない。」

「強いのか弱いのか、図太いのか繊細なのか?はて?って感じ」と返ってきました。

そういえば、学院に来た初めの頃に「独特」と先生に言われたような……

もしかしたらあの本なら、私っぽいかも。

世界に少し光が差してきたような気持ちでした。

 

先生と相談して

私が受験で戦う武器に選んだのは、

インドのハンドメイドの絵本でした。

 

タラブックス(出版社)の「タラ」は、

サンスクリット語で「星」を表すそうです。

私にはこの本が自身を導いてくれる星かもしれないと、なんとなく感じていました。

自然への畏怖や憧れ。木々に精霊、あるいは神が宿る。

というインド中央部に暮らす少数民族ゴンドの人々に伝わる物語。

「夜の木」や「水の生きもの」も、独特な絵が描かれています。

受験生の中ではおそらく、被ることはないだろうと思いました。

1月20日を過ぎていましたが、そこから成長速度が上がったと思います。

 

学院で120点(参作)のデザインが出せたわけではありませんが、

自分なりに画面に大きく民族のお面を描いた日は

「自分の世界観ができつつある。」と先生に言ってもらえて舞い上がってしまいました。

学院から帰ってきても「本番は何をしよう」とウキウキしていたと思います。

もし本番にコレみたいなブサイクな猫や人間の顔を描いたら。

緊張する空気の中で、審査する側は笑ってくれるかもしれない。

そんなことを考えながらエスキースをしてみたり、

一人で笑っていたり直前は過ごしていました。

 

 

ついに試験が始まります。

しかしグラフィックの試験の朝、かなり緊張していました。

デッサンは現役も一浪も30点を取っていたので、

もし今回も取ってしまったら…と悪いことばかり想像してしまいました。

 

でもここで弱気になってはダメです。

先生はいつも「楽しんで!」と言っているのです。

「受験生」「合格したい」という枠ではなく、

「もしも将来仕事をいただいた場合、

 私という一人のクリエイターがいたらどう応えるか」と冷静になりました。

怖がる必要はどこにもない。

私が楽しんでいないと、見る側もきっと楽しくはありません。

深呼吸をして先生方からもらった沢山の手紙を読み、

「私が描くんだからさっさと道をあけなさい!」と

いうくらい強い気持ちでドスドス歩いて向かいました。

 

合格発表の日。

ちょっとの不安と、私の気持ちは届いたのだろうか?と

ワクワクが混じって変な感覚でした。

 

パッと一瞬で画面に映し出された結果は、

 

全て合格。

 

母と手を取って笑っていました。

 

 

合格はもちろん嬉しい!でも同時に、やっぱりここは通過点であり、

次のスタート地点なんだとまた新しいドキドキが始まっています。

自分の心臓が動いてる限り、人生に立ち止まってる時間はない。

今までの感謝の気持ちを込めて、両親にはたくさんたくさん恩返しがしたい。

私の画やデザインで、世界が明るくなってほしい。

まだまだ、私がやらなきゃいけないことは山ほどあります。

 

先生が日々指導する中で、私が好きな言葉があります。

 

 

『世の中に汚い色はない。

 どんなものでも

 隣り合う色の組み合わせで、

 響くか、引き立て合うか、綺麗かが決まる。』

  

 

人間も色と一緒なのかな。と思います。

私は一人だったらただの黒く汚い色で終わっていたかもしれません。

でも、周りの人のおかげでやっとスタートラインに立てたのです。

 

現役で全落ち、一浪で補欠。最後には全て合格。

 

全ては隣にいるあたたかい人々や言葉の数々に支えられて、得られた結果です。

本当にありがとうございました。

 

 

 

真っ黒だった時からの成長記録

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