合格体験記2021・その1 | 渋谷美術学院、代表のひとりごと

渋谷美術学院、代表のひとりごと

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福岡県 希望が丘高等学校出身 Kさん

 

多摩美術グラフィックデザイン学科 推薦合格

 

課題:5時間制作

部屋をモチーフに「home」の文字を配してデザインをしなさい

 

 

 

2019年9月16日、僕の人生を変える出会いがありました。

それまで僕は大分の芸術大学に進学しようと、

高3の夏から地元の予備校で受験勉強をしていました。

その日、僕はいつも通り予備校に行こうと準備していたら、

お父さんが大分県立美術館で面白そうなトークショーがあるから

一緒に聞きに行かないかと誘ってきました。

正直言って『今はそれどころじゃない、こっちは受験があるっちゃけん』と思い

断ろうとしました。

しかしお父さんは

『たまには休んでもいいとよ』と言ったので、

僕は渋々同行することにしました。

 

今思えば、もし僕がここで本当に断っていたらと想像するとゾッとします。

 

このときのお父さんに本当にありがとうと心の底から言いたいです。

そしてそこでトークをしていたのが渋谷美術学院のOBである

「小林一毅」さんでした。

この出会いが僕の未来をワクワクするものに変えてくれたのだ。

そんな風になることを知らない当時の僕は

少々ダルそうにトークショーのフライヤーに書いてある名前を見ました。

そこに記載されていた見慣れない「小林一毅」という字面から

どんなおじさんが出てくるんだろうと勝手に想像していました。

しかし登壇してきたのは黒のスタイリッシュな格好をした若い男性でした。

何かの間違いなのかと思いました。

 

トークショーの後、色々と気になりすぎて質問をたくさんしました。

僕みたいな素人でも丁寧にお話ししてくださる小林さんの人柄や

デザインに対する姿勢に魅了され、憧れを抱くようになりました。

その話の中で渋谷美術学院の存在を知りました。

 

帰ってすぐに調べると、絵の具で描いたとは思えないくらい

クオリティーの高い参考作品に目を奪われました。

今まで通っていた予備校とはレベルが違う。

それはすぐに解りました。

そして僕もここで力をつけたいと思いました。

僕はすぐに進路を大分の芸術大学から小林さんが卒業していた

「多摩美術大学グラフィックデザイン学科」に変更しました。

だけど福岡の高校に通っていることもあり、

なかなか踏み出すことは出来ませんでした。

そしてそのまま地元の予備校のまま受験をして落ちました。

親には申し訳ないと思いつつも、

落ちたことはショックではありませんでした。

なぜなら、やっと渋谷美術学院に通って

小林さんの背中を追うことが出来るからです。

僕は親をなんとか説得して了承を得ることができました。

 

一番最初のデッサンは20点でした。

学院での初めての講評の時間。

すると青髪でサングラスをかけたオーラのある人が現れたのです。

それが山本先生との初めての出会いでした。

 

容姿よりも衝撃的だったのは講評の内容でした。

そこで言われたことは

もしも・・・・

「自分に仕事の依頼がきたなら何を提案できるかを考えなさい」

というものでした。

 

その瞬間に心がワクワクしたのを鮮明に覚えています。

今までなんとなくやっていたデザインに対する意識が変わったし、

改めてこの学院に来て良かったと思いました。

学院ではデッサンや色彩構成といった受験のための授業が少ないかわりに

「workshop」 というものがあります。水のパッケージ、

ラベルデザインやセルフロゴデザイン、名刺のデザイン、

TDC(東京タイプディレクターズクラブ出品作品制作)など、

受験の枠に収まらず頭を柔軟にデザインをする機会が多くありました。

そのどれもが初めての経験で刺激的でエキサイティングなものでした。

水のラベルデザインではクライアントや消費者のことを

考えることの大変さと大切さを学ぶことができました。

セルフロゴデザインではロゴマークはもちろんですが、

ロゴタイプのフォント選びや文字間の調整が特に難しかったです。

しかしそのおかげでタイポグラフィーに興味を持つようになりました。

名刺のデザインでは錚々たる山本先生が持っている

大御所のデザイナーの方々の名刺を拝見する貴重な経験ができました。

トップの方々の名刺は非常にシンプルで洗練されたものが多く、

僕も背伸びをしてやってみたのですが、

これができそうで全くできませんでした。

僕はそれがすごく衝撃的でした。

そのことを山本先生に言うと、そんなの当たり前じゃんと。

デザインを40年・50年以上と向き合ってきた人達のレベルに、

まだデザインを始めて1年も経たない初心者が

追いつけるはずもないのは当然だよ、と。

この体験から、自分はまだまだだし、

これからまだまだ伸びることが出来ると思うことができました。

 

また、学院には日本だけではなく海外の図書も資料として沢山おいてあります。

デッドストックとなっているもの。入手困難なもの。兎に角多いのです。

その資料をいつも見ていました。

そしていいなと思った資料を課題に合うように応用したりしていました。

作品を制作する時は、絶対に普通なものは作りたくなくない。

見た人があっと驚くようなものが作りたい。

参考作品を作りたい。という気持ちでした。

 

その気持ちが焦りとなり苦しい時期が続いたこともありました。

推薦入試まで時間がない、気づくと僕はいつの間にか受験脳になっていました。

しかし、そんな固くなった脳を柔らかく解く機会となったのがTDCでした。

 

TDCは自分の好きなことを存分にやる楽しさ、喜び、

ワクワクする感覚を思い出させてくれました。

私はTDCの作品を作るにあたって、自分の中でルールを決めていました。

それは、やってみないと何もわからないからとりあえず手を動かし続ける。

受賞することや他人の評価を気にせず、

自分が良いと思えるもの、納得するものを、作ることでした。

今までできていなかった、「カタチ」に配慮し制作をしました。

初めてB1サイズの画面に向き合ってみると、

思ってる以上に大きくてこの画面いっぱいに

自分の好きなことが表現できるのかと、興奮しました。

身体全体を使って作品を作り上げていく感じ、

息を止めて繊細な作業をしている瞬間、

全てが楽しくてしょうがなかったです。

プロのコンペティションで戦うためにはどうすればいいのか、

自分は何がしたいのか、どういう作品にしたいのか、

自分と向き合う時間を推薦入試の前に

しっかりととれたことがよかったと思います。

 

推薦入試のクリエイティビティテストと色彩構成は

TDCでやってきたことの延長でした。

入試当日はTDCの作品を制作する気持ちで挑んだので

プレッシャーよりワクワクの方が勝っていました。

試験中は山本先生が考えた推薦予想問題が的中したこともあって、

「うっひょ〜っ」という感じで存分に楽しむことができました。

 

合格発表の時間、僕は学院のビルの屋上で結果を見ようとしていました。

その瞬間、それまで向かいのビルで隠れていた太陽が顔をだしたのです。

まるでご来光のような光が奇跡的なタイミングで差してきたのです。

僕はなぜか合格を確信しました。

そして、結果は見事に合格でした。

思わず声を上げてしまいました。

喜びと同時にこれまで支えてくれた人たちの顔が浮かびました。

すぐに家族、高校の先生、友達に連絡をしました。

良い報告ができ、ほっとし、太陽にも感謝をしました。

 

思い返してみると、僕はよく上手くいかなくて苦しいときに、

小林さんならどうやって乗り越えるだろうと考えていました。

そうすると落ちこんでいた気持ちが、

僕もやってやろうという気持ちになりました。

小林さんの存在は僕の心の支えであり、ヒーローでした。

小林さんをはじめたくさん活躍されている方々が腕を磨いた

渋谷美術学院という環境で学べたことはとても幸せなことでした。

 

最後に。

僕は学院に入学する年のはじめに浅草寺でおみくじを引きました。

そこには

 

貴人相助処(きじんあひたすくるところ)

目上の人(観音菩薩)の助け(お力)を得て、

いよいよ力を得ることでしょう。

 

ということが書かれていました。

 

目上の人、山本先生の助けを得て、力を得ることができました。

山本先生=観音菩薩

ありがとうございます。