2019年度推薦合格者/合格体験記その4 | 渋谷美術学院、代表のひとりごと

渋谷美術学院、代表のひとりごと

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2019年度推薦合格者/合格体験記その4

Kさん  札幌大谷高等学校卒

多摩美術大学グラフィックデザイン学科 合格


「ナイフで柿を剥く両手」を想定してデッサンしなさい







“人生は選択の連続である。“

かの有名な劇作家シェイクスピアの作品の一つ、
『ハムレット』の中での言葉。

今まで沢山の選択をしてきた中で
小さな選択から大きな選択まで、
それら全てが今の自分を作っているのだと思った。



 初めて渋谷美術学院へ行った日の衝撃を、私は一生忘れないだろう。



多摩美術大学へ行きたい。
そう心から願うようになったのは高校三年、夏の終わりのこと。

雲の上の存在だった多摩美が憧れから
行きたいという強い意志へと変わり始めた頃、
浪人生活を渋谷美術学院で過ごしていた高校の先輩からの勧めで、
急遽、渋谷美術学院の夏期講習に通うこととなった。
 

初日、壁に貼られたうつくしい参考作品たちと
講評で並ぶ同世代の作品。
と、サングラスをかけて登場した山本先生。

あの日の感動と衝撃を今でも覚えている。

学院で見る作品は地元では見ることの出来ないほど
レベルの高い作品ばかりで、どこかやるせなさを覚えるほどだった。

もしも私が渋谷美術学院の校訓を決めるならば


一、頑張らずに 楽しんで


に即決するだろうと思うほど
学院では“頑張る“という言葉が禁句である。
学院に来たばかりの私は頑張らずにどうすればいいのだろう、
というのが正直な感想だった。

夏期講習後半、
自分のデッサンやデザインが上達していくのが
目に見えてわかるのが楽しくて嬉しくて、
これが先生の言っていた“楽しむ“の一部なのだと理解出来た気がした。

早く地元に帰りたい!と最初思っていた夏期講習は、
終わる頃にはずっと渋谷美術学院に通いたいと思うようになっていた。
 
地元へ帰ってから
自分の進路について改めて見つめ直した時、
頭に思い浮かぶのは学院に貼られていた作品たちと山本先生の存在だった。

学院では「受験勉強は教えない。」がモットー。

だからこそ、一つひとつの作品をつくるうちに
デザインの面白さと楽しさ、うつくしさに魅了されていったのだ。

映画やミュージカルが好きな私は
当初グラフィックデザイン学科とは別の学科を志望していたが、
高校三年生の夏の終わり、悩んだ末に遅い進路変更をした。
 

その後は通信科として学院から送られてくる課題をやりながら
地元の予備校へ通い、冬期講習からは
講習会生として再び学院へ通った。
 

約4ヶ月ぶりに再会した学院生たちは見違えるほど上達していて、
自分を鼓舞させるには最適な環境だった。


中段と上段を行き来するくらいまで上達することの出来たこの年は
グラフィックデザイン学科のみを受験し、補欠という結果だった。
しかし繰り上げ合格を告げる電話がくることは無かった。 






 浪人生活、1年目。

変に補欠という結果だった私は、
ほんの少し生まれた自信と期待を胸に
迷わず浪人する道を選択をした。
 

最初こそ順調に進み始めたが、だんだんと
繊細な絵だ、と言われていたデッサンが
こなれている、と言われるようになり
すっきり見える、と言われていたデザインは
物足りない、と言われるようになった。
 

まさか。ここまできて悪くなるはずがない。
上段に並ぶことがほとんどで、一番高い点数だってもらえてるじゃないか。


ほんの少しの自信は焦りへと変化し、
“楽しむ“という気持ちを忘れた私の作品は
いわゆる受験生らしい、浪人生らしい
面白みのない作品へと変わっていき

上段に並んでいた私の作品は、
いつしか中段に並ぶことが増えていった。


この頃の私は無意識のうちに“頑張らなきゃ“と思っていたし、
“楽しむんだ“と「自分に言い聞かせてる」ことに
気付かないふりをして過ごしていた。
初めて学院に来た頃に感じた「楽しさ」を失っていたのだと今ならわかる。
 
いつになったら苦しみから抜け出せるのかと
自分なりに試行錯誤し挑戦してみては空回りばかりで、
方法を探し続けた先で辿り着いたのはやはり“楽しむ“ということだった。

出した答えに気付くのが遅く、
結果はグラフィックデザイン学科の不合格と
他学科の補欠が1つだった。






 浪人生活、2年目。

もう全て忘れよう。
そう思うことにした。


「不合格」の文字を見て、
もう一年やる、という考えは全く思い浮かばなかったが
これからどうするのか、
いつまでも答えの出ない私に両親が言ってくれた言葉がある。
 

 自分のやりたいことをしなさい。
 どんな選択をしても自分で決めて
 納得して出した答えならいくらでも応援する。
 ただ、後悔してほしくないだけだ。


それは、大きな選択をする時にいつも言ってくれた言葉だった。
この言葉のおかげでもう少し頑張ってみようという気持ちが生まれ、
現役の頃のように通信科として自宅で課題をやりながら
推薦試験の2ヶ月前から直接学院に通う決断をした。


9月、久しぶりに訪れた学院はとても新鮮で
現役の頃に戻ってきたようだった。

そうして今年の11月。
多摩美術大学グラフィックデザイン学科推薦入試。
ようやく合格することが出来た。


誰だって夢のはじまりは本当に小さなことだと思う。


絵を描いたら周りの人が喜んでくれたこと。
授業で描いた絵が絵画展で賞を獲り、表彰されて嬉しかったこと。
ただ美術の時間が楽しくて、友人や先生から褒められることが嬉しくて、
いつの日か、自分を表現してみたいと思ったこと。

そんな気持ちが、私を雲の上まで連れてきてくれたのだ。


最後に

表現したい気持ちがあまりにも多く、
上手く言葉で表現出来ないのがもどかしいですが
山本先生をはじめとする全ての先生方、
いつも私を助けてくれて、支えてくれてありがとうございました。
 

特にお世話になった山本先生やY先生。
授業後遅くまで学院に残って相談に乗って頂いたり、
私の人生に向き合って親身に考えてくれたり、
時には私を励まし明るい気持ちにさせてくれました。

そして、大変な記憶と時間を「いい思い出」になるようにしてくれた
家族にも本当にありがとうとお話ししたいです。
 

貰った分だけ素敵なデザイン、
素敵な表現者としてお返し出来たらと思います。


思いがけず長い間お世話になってしまいました。
出会いと環境にとても恵まれたことを感謝します。

本当にありがとうございました。