まずソフトのレビューからはじめます。

 

ブログのトップページで少林寺三十六房の4Kリマスターをお勧めとして紹介していました。

 

色々お勧めしていても実際購入することは滅多にないんですが、このソフトは期間限定ポイントもあり、買っておこうと思って買いました。

 

これですね。

少林寺三十六房 / 洋画

 
これなんですが、
欠陥商品です。
吹き替えで見ていると、
勝手に字幕に切り替わって、
また吹き替えに戻ります。
 
こんなのが商品として販売されているなんて驚きです。
評価以前の問題です。
 
機能面ではそうですが、
画音質については別に評価したいと思います。
 
この映画は大分前の映画ですが、
4Kリマスターということで期待感がありました。
ですが、はっきりいってしまえば期待はずれです。
 
4Kにアップコンバートされた恩恵、質感の向上は見れます。
ですが、なんといってもノイズの処理が雑で、
アップの場面ではそれらしくキレイなのですが、
引いた映像になるとノイズが目立ちます。
キレイな場面がある分余計汚く見えるのです。
 
つい最近、CSでも少林寺三十六房シリーズが放送されました。
それとどう違って見えるのかを話しておきたいと思います。
 
まず、その前に再生環境の紹介をしておかなければいけません。環境によって大きく再生画質は左右されますから。
 
4Kソフトは、ソニーのUBP-X800M2のBDプレーヤー、HDMIケーブルはfibbr PURE3 5mで再生しました。
 
CS放送はパナソニックBDレコーダー BRZ1000で、
Audio Quest Carbon 3m、8倍画質で再生しました。
 
わかりやすく評価を数値で10段階評価にしたいと思います。
一番の注目ポイントはノイズ感です。
 
4Kのノイズ評価は3~9で変動します。
いい方の評価時間が6,7割くらいあると思います。
低い評価が3割くらいです。
先ほども言ったとおり落差が激しい分、
汚い部分が際立ちます。
上記の評価は印象評価も入っていると思います。
 
CSの8倍画質は6~7の評価です。
落差がほとんど感じない分、見やすさはこちらがずっといいです。
 
ただ、CSの少林寺三十房のシリーズの最初のタイトルは、
色のバランスがおかしいと感じます。それで不自然さを感じます。
 
次の続~のタイトルも今見ていますが、
2タイトル目になると、
ノイズ感も更に少なくなり(6~7程度)、
色のバランスもよくなって前作より全てにおいて向上した感じです。
ただ、内容的には前作のよさが全く消された作品になってしまいました。
 
CS8倍画質の続~のタイトルと4Kリマスターの作品の画質を評価すると同レベルに感じます。
4Kリマスターの方はさすが4Kと思える画質と残念な画質が混在しているので、(密度感を除いて)均すと同レベルに感じます。
 
CS放送をDR録画すれば密度感の差もそれほどの差ではなくなると思います。
DR録画にしても差が縮まらないであろう部分があり、
それは質感の部分です。
さすがに走査線の数の差がもろに出るところなので、
そこは4Kの特異性です。
 
それでは、
この少林寺三十六房の4Kリマスターが他の作品と比べてどのくらいの水準(目視のきれいさ)なのかを考えてみます。
 
比べてみる作品はまず
こちらのディスクです。
モーニング娘。'21 コンサート Teenage Solution ~佐藤優樹 卒業スペシャル~ / モーニング娘。'21
 
こちらのディスクはジャンパーケーブルの時にも紹介したディスクです。
ブルーレイとしては画質がキレイなソフトとして評価で使っています。
再生プレーヤーは少林寺4Kリマスターと同じ、ソニーのBDプレーヤーです。HDMIケーブルも一緒です。
 
4Kリマスターの方の評価は先述しましたので、
モーニング娘。のソフトの評価と比較を。
 
4Kリマスターの方はノイズ処理に関して不安定さを感じましたが、モーニング娘。のソフトの方では不安定さは皆無と感じるほど安定した画質です。
例えるなら、高画質写真が動画になっている感じです。
 
発色も申し分なく、色の表現も鮮やかさを感じるほど。
総じて、4Kリマスターより劣っている感じは全くしません。
 
ですが、4Kリマスターの優位性もあるような感じはします。
その部分は、質感と奥行き、若干の密度感です。
 
最初は走査線の数が多いし当然の差かなと思っていたんですが、パーッケージに載っているデータを見るとフルハイビジョンと表示されているので、1080Pなんですよね。
比較ソフトのモーニング娘。ソフトとほぼ同じ。
プログレッシブかインターレースの差しかないです。
 
わずかな差と感じなくもないですが、
それがわかると納得がいく感じもします。
 
簡単にプログレッシブとインターレースの違いを説明しておくと、
映像は走査線といわれる線がストライプになっていて、
点滅するように点いたり消えたりを繰り返しています。
 
白黒のストライプだとすると、
白は映像がオフの状態。
黒は映像がオン(映っている)の状態です。
 
インターレースは等間隔のストライプになっています。
幅が5cmのストライプと仮定します。
 
それではプログレッシブは何が違うのかというと、
白の部分に黒塗りがされています。
5cmの白の部分に3cmの黒帯を重ねた感じです。
なので、オフになっている部分の面積が少なくなって、
より映像の繋がりが良くなるわけです。
 
言葉でいうとこんな感じです。
 
そう考えると、
4kリマスターのプログレッシブとブルーレイのインターレースの違いがちゃんと表れている結果なのかと納得できないことはないわけです。
 
それと、今CSでドラマ「君が心をくれたから」の放送をやっています。
このドラマは最近放送されたばかりの、言わば最新のドラマ放送です。
このドラマをBRZ1000のレコーダーで2倍録画しています。
その画質とパッケージメディアのBDと4KリマスターBDの画質でどう違うのかを見てみます。
 
最新ドラマの画質は相当によく、今回の検証ソフトのような出来の悪い4Kリマスターのパッケージメディアなら圧倒的に超えます。
まず何と言っても画質の安定性が決定的に違います。
モーニング娘。のBDに近いくらい画質、安定性がいいです。
ただ、質感に関してはどうしてもパッケージメディアが優位です。
走査線の数が決定的に違うからです。
 
スカパーに問い合わせたときに、自分がCS放送のほうが映像がキレイだから・・・みたいな話をしたことがあって、
そのときにオペレーターの人は否定していましたね。
地上波のほうがキレイだと。
そういう考えになるのはデータではっきりわかっている走査線の数でしか見ていないからなんですね。
人が映像をキレイに感じるのは走査線の数だけで決まるものではなく、
ノイズ処理の仕方、色彩具合、明るさ諸々全てが関係してキレイだと感じるわけです。
 
そういう基準から自分としては、
地上波よりもCS(ハイビジョンチャンネル)の方が画質はいいと思います(余計なCMなどが入らないのもアドバンテージになる。)。
そのCS放送よりも出来のいいBDの方が画質はいい。
じゃあ4Kリマスターの必要性はなんだろうと。
今回の少林寺三十六房は出来が悪いリマスターだったけど、
自分は他に2つの4Kリマスターのタイトルを所有していて、
そのタイトル(ターミネーター1,2)は素晴らしい画質なので、
結局当たり外れがあるのかと。
 
今回の発売はキャンペーンの一環で、
まとめてタイトルが大量に発売された中の1タイトルだった。
しかも一昨年くらいから毎年同タイトルが発売されていて、
要するに、雑に大量生産されているタイトルの一つであったということ。
こういう大量にタイトルが発売される中にラインナップされているときは出来に期待しないほうがいいと思う。
 
画質云々は納得いかなくても、現時点では一番画質がいいとは言えるので、
画質のことを考えるよりとにかく作品を楽しんでいきたい。