志望校選定時にどうしても参考にしてしまういわゆる偏差値表、偏差値一覧ですがそこに書かれている偏差値が80%偏差値である事は意外に忘れがちです。
今更ですが80%偏差値というのはある入学試験の追跡調査の結果、受験者80%以上が合格した時の偏差値を示します。例えばある模試の偏差値が60の受験者が10人受験して8人合格、58の受験者が50人受験して35人合格した場合はこの学校の80%偏差値は60となるような仕組みです。
お気づきの方も多いかと思いますが、この80%偏差値を確保している受験者は受験者の中でも上位の位置付けになります。また、算出の前提となる模試は複数回、4科だったりするのでその平均が用いられる事が多いものです、いわゆる「持ち偏差値」みたいに称されるものですね。
追跡調査の結果ですし塾が持つ膨大な受験者の結果のデータですから統計的な信憑性は高いのは事実です。しかしながら我が子の志望校選定や合格可能性の判断に使用する際は以下の事に留意したいものです。
①80%偏差値である事…50%偏差値で見るとまた違ったイメージになります。凡そ80%偏差値と50%偏差値では3から5くらいは異なります。幾らか届かないくらいでは気にしない。
②複数回の平均である事…問題の相性などにもよりますが、複数回の偏差値の推移やバラつきも加味したいですね。
③4科の配点の違い…塾設定の模試の配点に基づく偏差値です。実際に受験する学校の配点に置き換えられている場合もありますが多くはそうではないかと。
④あくまでも前年度受験者の結果である事…大学合格実績などで人気の増減とそれに伴う難易度の変化が1年単位でも割りとあります。
⑤計算の前提になる最後の模試から入学試験までタイムラグがあること…多くの模試が終わるのは12月ですので「持ち偏差値」の計算はこの時点まで。1月や2月の入試本番まで僅かの期間のように見えてこの時期は学力が伸びます。他の受験生も同様ですので、それまでの立ち位置がガラっと変わる可能性もあります。
結論としては、80%偏差値は、複数受験する際にどこか一つは超えていたい数値かと思います。バラつきを考慮して更に+5くらいはありたいところですし、塾のアドバイスでもそのように言われます。合格可能性が高い受験校を持っているという事は本番時の様々な場面で精神的な余裕度が全く違います。
一方志望校に関しては50%偏差値を目安としての判断で良いと思います。熱望される学校であれば20%の受験生が合格している偏差値帯からも挑戦する事に違和感はありません。やはり80%偏差値を超えるのはなかなか難しいのが現実ですし、繰り返しブログにも書いていますが入試本番を前に偏差値は朧げで解像度が低くなります。第一志望校であれば偏差値は全くの参考値の扱いで良いと思います。
これから様々な模試で様々な偏差値が示されますが、動揺を最小限に抑えてやるべき事に対してブレずに着実に対応していきたいですね。大概ブレるのは親の方だと言う事も心に留めつつ。