中学受験生の6年生は9月からは志望校別特訓や志望校別模試が始まります。もちろん志望校に応じて状況が異なるのでしょうが、多くの私立、国立中学受験生はどこかしらの学校名を冠したコースや難易度別クラスに振り分けられます。サピックスのSS(サンデーサピックス)、早稲田アカデミーのNN(何が何でも)などをイメージしてください。

これ、実は子どもたちが最初に受験を意識する第一歩かもしれません。なんとなくモヤモヤしていた志望校や受験校が可視化され受験のイメージがはっきりするタイミングです。これらの特別講座は日曜日終日を使い、秋以降場合によっては他塾の模試への遠征も入るなど急速に負荷が増えて行きます。

前置き長くなりましたが、振り返ってみると6年生の9月以前、同9月以降で中学受験の合格に対しての貢献度/影響度という意味では凡そ半分ずつのかなと思います。勉強量の話ではありません。

そういう観点で更に振り返ると、5年生始め(4年生2月)で約10%、6年生始め(5年生2月)で約25%(全行程の1/4)、6年生9月始めで約50%、6年生年明け1月で75%、、。

あくまでもn=1+αの例で恐縮ですが、上記の進捗具合をグラフにするとわかりますが尻上がりのほぼ2次曲線です(笑。

多くの中学受験生が新4年と言われる小学3年生の2月までには塾に通い始め、6年生になるまでには既に2年以上通塾しています。5年生以降通塾日数も増えますし、単純な勉強量の積み重ねから見ると6年生になったくらいには全体の2/3くらいとは言わずとも半分くらいは登ったかな?と思いたいところです。しかしながら受験を終えて今振り返ってみて、6年生の夏休み終わった時点でも半分も登りきってなかっただろうなと言うのが実感です。

小学3年生以前の先取り学習やその積み重ねの意味はもちろんあります。かといって6年夏休み明けの現時点での立ち位置に絶望する必要も無ければ、逆に慢心するのは危ないということです。

表現の仕方は難しいですが、6年生夏期講習までは中学受験をすると言う事に対してのベースとなる学力を積み上げてきた段階、9月以降、特に11月以降は同じ志望校の受験生のライバルに対してどのようなアドバンテージを取れるか、になります。ベース学力が満遍なく順調に積み上がっている人はそのまま進めれば良いと思います。我が家もそうでしたが多くの子どもたちが不得意教科、不得意単元を抱えたまま夏休みを終えるはずです。加えて成績の上昇下降、安定しません。あんなにやってるのに、とか、あんなにやってないから、とかの思いで一喜一憂しがちですがこれはあまり意味が無いですね。

まずは9月以降、11月までの間は新しいカリキュラム、クラス編成、スケジュールに慣れる事に専念すべきだと思います。11月辺りで各種模試や志望校別クラスでの立ち位置が割とはっきりしてきますので、その時点で初めての現状分析と方針修正になるかと。ベースが積み上がって無いのか、志望校に対して試験としての相性の良し悪しとか。その代わり11月には割と腹を割ったというか最後3カ月を乗り切る為の大家族会議が必要になる場合もあります。

あと、見落としがちですが年明けの僅か1ヶ月間の間も無視できません。こちらについてはまた別記事で。