
・・・と脳天気だった王子が、
その夜から様子が変になった。
食い意地だけは誰にも負けない王子が、
ご飯の用意をしていても覗きに来ない。
食べにも来ない。
薄目を開けてこっちを見てはいるけど、
じっとうずくまっている。
夜も、アサリンとミルクは
布団の中に潜り込んで来たのに、
王子はひとりでコタツの中の猫ベッド。
うーーむ、絶対いつもと違う。
いよいよ病院か??
で、今朝。
「んにゃっ」と声がして
「がるりがるり」とカリカリを食べる音。
シッポをたてて王子が復活した!
別に私が何かしたわけではないと思うけど、
元通り暴れ回るいつもの王子を
前のようには叱りつけられない私である。
・・・・巧妙な作戦だった?
「ふふ」

