私の中の、小さな世界


左ひざの裏に、カフェオレみたいな茶色のアザがあります。

ひとつの大きな塊ではなく、小さな島がぽつぽつ並んだ形。全長は10cmくらい。生まれた時からずっとそこにあり、私の体の一部として成長してきました。


小さい頃、何気なく友達に見せたら「なにこれ?」と笑われたことがあります。笑いの意味が軽くても、その瞬間、胸の奥が少し冷たくなったのを覚えています。それ以来、なるべく見せないように、ズボンの丈や座り方を気にするようになりました。


だけど、不思議なんです。

たまに鏡でその模様を見つめていると、嫌なはずなのに、なぜか安心する。まるで自分だけが持っている秘密の地図のようで、「これがなかったら私じゃない」と思ってしまう自分もいるのです。


人はきっと、完璧じゃない部分にこそ物語を感じるのだと思います。

この模様があるから、私は自分の弱さも、誰かの弱さも、少し優しく見られるようになった気がします。


もし、あなたにも人に言いづらい特徴やコンプレックスがあるなら――どうか、その存在があなたを全部ダメにするわけじゃないことを覚えていてほしい。

もしかしたら、それは、世界であなただけが持っている宝物なのかもしれません。