高知県西側の酒もまた、個性的で旨いのです。

個人的トップ3が東側と高知市なのですけれども、心底不味いと思う酒を造るのは一部の蔵……。

その西側で今回取り上げるのが、西岡酒造店の『久礼(くれ)』……男気溢れる辛口です。

水は、全国的に有名な四万十川の伏流水。

米は高知県での消費量が非常に多い、愛媛の『松山三井(まつやまみい)』。

腕時計と酒を愛でる会-全体

初めて呑む、『日本酒度+10』の久礼。

ラベル類も標準的な純米とは違います。

腕時計と酒を愛でる会-+10ラベル

腕時計と酒を愛でる会-裏ラベル

グラスをご覧いただくと、薄っすらとした琥珀色に見えるでしょうが、画像以上に濃い色です。

腕時計と酒を愛でる会-グラス入り

香りは華やかで、『辛口』とは思えぬフルーティさ。

口に含むと甘みと若干の酸味の後に、じんわりと辛さが広がって行きます。

このコクは、松山三井の力でしょう。

同じく愛媛の『しずく媛(しずくひめ)』よりも、パンチがあります。

酵母は公開されていませんが、おそらく協会酵母。

熱燗(50度前後)にすると、(他の酒にも共通する事ですが)香りも味も一変します。

これが、日本酒の面白いところ。

香りは米の香り(と、僕は表現しています)、味は淡麗辛口で、冷やよりもガツンと来る辛口になります。

燗冷めが始まり、ぬる燗になっても、その旨さは変わらず。

全国的に展開するなど、規模が大きくなりすぎて、大量生産の『う~ん……』なアル添酒を造る蔵にはできない小回りがの良さが、小規模な蔵の醍醐味。

あくまでも丁寧に、本当の旨さを追及して、素晴らしい仕事を見せてくれます。

やっべぇ、マジ旨い、この酒……。