この本を読んでいると先日の記事で書いたところ、弊ブログの読者でいらっしゃるルナ様から、以下のような情報とご意見をいただきました。

 

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性犯罪の被害は、AV強要などの闇の話も知っておくべきだと思います。

 

近年、芸能界に憧れを抱いたり、また将来、自分の子供をアイドルやモデルの世界に入れたがる親も増えているので、業界の裏や闇ビジネスが存在するという事実は、子を持つ親や、良識ある大人たちこそ学ぶ必要があると感じております。

あの手この手を使って、ウジのように湧いてくる凶悪な性犯罪から弱者を守るためには、周囲の大人たちが知恵をつけていかないといけないので。

 

特に、渋谷109周辺、原宿の竹下通りや表参道は(スカウトの名所と言われてます。)、スカウトされることを目的に歩いている芸能人志望の女の子も結構いるので、AV業界関係者も、そのような女子たちを狙って彷徨していることが多いです。

 

スカウト慣れした悪徳業者は騙しのプロですし、またこの手のトラブルは人に相談しづらい内容であるため、術中にハマると抜け出せなくなると思います。

 

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>ルナさん

ありがとうございます。

 

著者である宮本節子さんと、彼女が代表世話人を務める“PAPSポルノ被害と性暴力を考える会”の方々が、AV出演を強要された女性たちから相談を受けた数々の事例について、相談女性たちのプライバシー保護のため個人を特定されないよう配慮して書かれた良書なので、ぜひ多くの人たちに読まれてほしい。

(なおPAPS(ぱっぷす)は、AV出演案件にかぎらず、リベンジポルノや性的な盗撮などで困っている方々の相談窓口とのことで、公式サイトのトップページには「相談していいの?と思うことでも、ご相談をお待ちしています」とあります)。

 

自分が出演した映像がDVDやネット、アダルト雑誌の付録などで流通するようになってからのしかかる恐怖は、男性である私でも容易に想像できます。

不特定多数の人たちに見られることへの恐怖はもちろん、知人に見られる恐怖、自分が出演した映像を見た人たちと知り合う恐怖。

街を歩いていても、「自分のビデオを観た見知らぬ男性から、とつぜん声をかけられるのでは?」と不安になることもあるでしょう。

その後の出演を拒否したいとプロダクション側に意思表示したところ、高額な違約金を請求すると脅されたときの恐怖はそれこそ、男性であっても容易に想像できるはず。

 

この本で紹介されたエピソードのうち、とりわけ絶望的だと思ったのは……

出演契約を二本残している女性がそれまでの出来事を家族に相談し実家に匿われたものの、家の前に停まった不審な高級車から複数の男たち(もちろん、AVプロダクションの者たち)が現れたというもの。

警察はなかなか来てくれず、やっと来てくれた警察官は……

インターホンを押して女性にプレッシャーをかけた男たちを、「敷地内に入っただろ」と住居侵入罪で現行犯逮捕しなかったどころか、男たちの話に耳を傾けたあげく、契約書があって違約金が発生するのなら、あと二回だけ出演したらどうかと女性に勧めたそうな。

この警察官の対応は国会でも取り上げられ問題視されたそうですが、それをもって安心する気にはとてもなれません。

 

 それよりさらに絶望的な気分になるのは、「出演契約書にサインしたんだから、自業自得だろう」と、女性側を非難する人が男女を問わず多いこと。

この本にも書かれてますが、

若い女性の芸能界への憧れと無知につけ込み、女優(AVではなく普通の)やモデルにならないかと声をかけ、

身分証を写真に撮って自宅や大学、勤め先などの情報を確保し、

宣材写真として使うなどの口実でセミヌードの写真などを撮って後の脅迫手段を用意し、

最終的には「拒否したら、暴力を振るわれるかも」という予感を抱かせることでAV出演の契約書にサインをさせるといった、

システム化された手口に対抗することを、十代や二十代の人たちには必ずしも期待できないと思われます。

 

本で紹介されている事例によれば、最初は喫茶店などの不特定多数の者が出入りできる場所で、AVの仕事であるとは一切告げず、モデルやアイドルなどの芸能の仕事のスカウトであるように思わせ信頼させてから数日後、

外部から遮断された空間で、複数の男たち(と、なだめ役の女性)に囲まれた状況のなか、恫喝こそないものの暴力の予感を抱かされ、「この状況を終わらせるには、契約書にサインするしかない」という思考に追い込まれた、

という形態のものが少なくないと思われます。

つまりは、自由意思で出演に承諾したとは言いがたい(中には、最初にレイプされてその映像を撮られ、それをネタに脅迫されて出演させられた事例もあるそうですが、そこまであからさまな犯罪の形態はさすがに多くないようです)。

 

 

契約書の内容はもちろん、女性にとって圧倒的に不利なもの。

 

特に問題なのはまず、メーカーとプロダクションとのあいだで交わされる「出演基本契約書」の内容を、女性が知らされていないことが多いこと。

つまりは撮影現場で、女性がいくら「こんな行為をさせられるなんて、聞いていない」と主張したところで、聞き入れてもらえない事態に。

 

次に、女性の肖像権の使用についての条項。

これがどれほど怖ろしいかについてはぜひ、この本の230~231ページを読んで理解してほしいものです。

 

この本が刊行された時点でPAPSは200件あまりの相談を受けたそうですが、相談者の自死や未遂が確認された事例もあるとのこと。

事例を紹介された方にも、アクセスがとれなくなった方が。

 

 

以下は本書のレビューを離れて、個人的な感情を書きなぐった蛇足です。

 

AVという表現物について、世の大人たちが未成年の子供たちに対してすら寛容な姿勢をやたらとアピールすることに、私はかなりの違和感をおぼえてました。

中学生や高校生の頃、「年頃の男の子であれば、エッチな本やビデオに興味を持つのは当然」のような類の発言を大人たちから直接聞かされたことが、一度や二度ではありません。

そのたび私は、「余計すぎるお世話だ、このキモクソヤロー! 物分りの良すぎる大人を演じることでしか、若者に慕われる術を知らねーのか! エロ文化の鑑賞に大人たちからのお墨付きを大っぴらにあたえられることほど、興ざめなことは他にねーんだ! そもそも大人から“エッチな”なんて言葉でキモ過ぎる親しみアピールされた日にゃ、あんたなんかの偉そうな説教なんか、金輪際まともに聞く気にならねーからな!」と思ったり、実際に口にして驚かれたりしたものです(当時はまだそこまで弁が立たなかったので、若干誇張して書いたことを正直に申告しておきます)。

 

その手の大人たちによる親しみアピールに感化され、自分自身がその手の大人になり、友人の娘である小学生の女の子の前で下ネタ話を堂々とする悪友もおります(そいつには何度か、殴り合いに発展する覚悟で激怒したことが)。

 

子だくさんで注目されタレントのようになった男性が、日本で一番だか東京で一番だか忘れましたが、とにかく「○○で一番カワイイ女子高生」に選ばれた若い女性との対談で、「俺は自分の娘がAVに出たいと言っても、それは本人の自由だから反対しないよ」みたいなことを言っている記事を読んだことが。

初対面(おそらく)の未成年女性相手にどうしてそんな発言をしたのか、前後の文脈が編集でカットされている可能性もあるので意見するのは控えることにしますが・・・・・・

 

蛇足すぎ、しかも独りよがりすぎる感情の書きなぐりでのお目汚し、大変失礼いたしました。