ストーリーはそこそこ面白かったですが、ジョン・ル・カレの『寒い国から帰ってきたスパイ』とブライアン・フリーマントルの『消されかけた男』を読んだことがある人であれば展開やオチを予想できてしまう程度だったので、大満足にはいたりませんでした。

 

何より不満だったのは、「ロシアの諜報員は非人道的であるのに対し、アメリカは諜報員にすら人間味がある」というスタンスが幼稚に感じられたこと。

ロシアの諜報員や諜報組織を非人道的に描くことに反対なわけではありませんが、「アメリカの諜報員は正義」という描き方が幼稚に感じられてしまいます。

この点、CIAの残酷さを描くことがモチーフの“ジェイソン・ボーン”シリーズや、CIAによる非人道的な拷問の様子を淡々と描いた『ゼロ・ダーク・サーティ』を観たあとでは、『レッド・スパロー』はまるで旧ソ連崩壊前のハリウッド映画のように古臭く思えてなりません。

 

その問題にくらべれば瑣末なことかもしれませんが、ロシア人たちがロシア国内で英語を話すのは、スパイ映画として本当にダサい。

 

『ペンタゴン・ペーパーズ』を観ればよかったと後悔しました。