高まる和解への反対●和解からの離脱(81社《うち会員外18社》に増加)
今週末の9月4日(Googleブック検索和解の最終期限)、和解からオプトアウトするにせよ、和解にとどまって異議申し立てするにせよ、この日が最終期限だと和解管理者は一方的に言っているが、このところ急に動きが出てきている。10月7日には、この和解をめぐる公聴会がニューヨークで開かれる予定で、反対組織「オープン・ブック・アライアンス」に集まったInternet Archive、Microsoft、Amazon.com、Yahoo!、専門図書館協会(SLA)、NY州立図書館協会、米国ジャーナリスト著作者協会など、連邦地裁に異議申立の意見書を提出したギャント弁護士、国を挙げて反対しているドイツ、彼らがどのような主張を展開するか
日本でも、27日、日本ペンクラブが異議申し立て、公聴会への参加を表明。『週刊プレイボーイ』の連載も再開され、2日には流対協中心に76の出版社が連邦地裁へ和解に反対、オプトアウトしたことを表明、新たに日本写真著作権協会が抗議、3日にはGoogleを日本で刑事告訴した著作権者が会見…、最終期限に向けて動きはじめている
流対協は文化庁と会談、Google問題への文化政策的な取組を求めるとともに、出版社の著作権法上の権利・著作隣接権の設定についても要求したが、こちらは利用者、つまり経団連が首をタテに振らないと始まらないという。以前、著作権法の改正が頓挫したときに棹さしたのは、書協なのか、経団連なのか、この機会に検証してみるのも悪くない
国会図書館、日本文藝家協会、書協がデジタルアーカイブの充実、有料配信構想などについて話し合いをしている模様。議論をオープンにして、第三者機関設立の準備段階の門戸を狭くすることなく、複写権センターの悪例(流対協などの排除)の轍を踏まないでもらいたいもの
AmazonのKindle2がアメリカで急成長、SONY+Googleとともに、日本にも再度、デジタル読書の高波が押し寄せてくるのかもしれない
木下 郁(流対協・事務局)
※『FAX新刊選』 2009年9月・187号より