- 心に火をつけるkidsコーチング 投手編/手塚 一志
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再三ご紹介してきたこの本
これを読んで思うに、こと子供たちの
指導においてはスキルというものが
必要なのだなと感じます。
それは野球の技術指導ではなく、
子供をその気にさせる術が必要
だということです。
要するに、極論から言えば指導者は
野球なんて知らなくてもよいのです。
手塚さんが本書で述べている
コーチングの三原則
「褒めず、教えず、助言せず」
そして、私が提唱する3M法則
「見つける、認める、見守る」
を心得ていて、実践できる方であれば、
それだけで少年指導者の資格十分だと
思います。
これだけでかなり強いチームを作ること
ができるのではないでしょうか。
あとは、野球に少し詳しい大人を数名
側近としておけば十分でしょう。
逆に中途半端に野球を知っているか、
やってきた人は変なプライドや常識に
とらわれていて融通が効きません。
いわゆる野球が好きな近所のオヤジ
的な感じの人・・・
これでは正直務まりません。
いわゆる根性野球オンリーの方です
昭和の時代であれば、それでも良か
ったかもしれません。
でも、今の野球は10年、20年、あるい
は30年も前の野球とは全く別物です。
だからこそ再三言うように自己研鑽
が必要なのです。
しかし、その時代に乗り遅れた前時代的
な指導者が多いのも事実
私は常々少年指導者においては、しっか
りとした認定・更新・評価システムが必要
だと思っています。
今では「コーチング学」という学問が存在
するわけですから、子供たちのためにも
大人はしっかり学ぶべきだと思うんですね
そもそも「コーチ」の語源は、大切な人を
本人が行きたいところまで連れていくと
いう交通手段(馬車)が由来であるといいます。
となれば、コーチングの基本とはなんでしょうか
それは、まず選手たちがどこに行きたいか
(どうしたいか)を理解することだと思います。
「上手くなりたい」
「ただ、友だちと好きな野球をしたい」
・・・
その子によって考えていることも様々でしょう。
ゆえに、誰一人として、判で押したような
コーチングなどありえないということです。
特に子供たちは、体格も技術も個人差が
あるわけですから、「十把一絡」は無理が
あります。
そういう子供たちの特徴を知り、気持ちを
汲み取ることがコーチングの最初の一歩
だと思うのです。
そういう意味からすれば、大人自身が
どうしたいかなんてどうでもよいこと。
だから、大人が勝ちたいと躍起になって、
見境がなくなっている時点で指導では
なく、
「死導」
になってしまっているんです。
こうなると「コーチング」がどっかに追い
やられてしまっていることになります。
子供たちに「話を聞け」って偉そうに
怒鳴る前に、
「聞くべきなのは自分なのだ」
ということに指導者自身が本来気が付く
べきなのでしょうが。