奇跡的な天気に恵まれて順調に西ノ滝、槍沢の大滝の山行を終えて、いよいよ滝ノ内沢が近づいてきた。

しかし直前に今回誘っていたノブリンの体調不良で、久しぶりに二人での遠征になった。

 

シブの一番の懸念.

それは岩崎さんの記録では、ショルダー突破がかなり見受けられ、腰の悪い私とシブの2人では心配だということだったが、それは杞憂におわった。第三者のいない山行、それはプレッシャーに浸かった自分自身に対峙する正直な自然体の溯行が出来たと思う。

 

 

溯行日 2024.8.2(金)−3(土)

メンバー シブ、私

 

こんな海から本当にすぐに山村。その奥にこんな沢があるなんて。

 

 

 

 

 

 

谷が屈曲するとその先に、関門のような「一条ノ滝(25m)」。

 

溯行者を威圧する「一条の滝」から素晴らしいゴルジュ帯が始まる

 
一条ノ滝の登攀
 
一条ノ滝の先のCS3m滝、フリーで越える
 
次は、CS二条3m 右をフリーで越える
 

次は、横見の6m滝

左側をエイド

 

 

 

6m滝のフォロー(シブ)

 
4m滝は、右岸をワンポイントのエイドで越える。トラバースも案外悪い。フォローも考慮して、支点つくりを!
写真(下)は、フォローのシブ

 
ビレイしながら振り返ると、すぐに15m滝が立ちはだかる!

 
15m滝

 
時間も押してしたので、シブに左岸の高巻きを勧めて行ってもらうが、シブ全力で却下!
やはり15m滝も登らなければならない。

 
フリーとエイドのミックスで登攀
 
15m滝の頭から、フォローのシブ

 
15m滝上の左岸の岩棚でビバーク、まあまあ快適だった!

 

溯行中は、アブ、藪蚊いなかったし、ビバークサイトも快適だった。

 

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8/3(土)
抉り取られたような壁がかなり多い谷だ
 
二段4m、左から越える

 
横見の15m滝
 
ここはシブがリード。最初はスラブ、そして草付きの岩場。
滝頭へ10mの懸垂下降。最良なライン取りだったと思う。

 
懸垂下降後、頭から見下ろす

 
次は、3m滝、へつって左を登る
 
直瀑8m
左サイドを登る、頭への出口が悪い。シブに恐い言われた。
 
フォローのシブ

 
2m
左スラブ状を登る、少々悪い
 
用水路のような廊下
 

 
用水路を抜けると、先人の記録でいう最後の関門である7m滝が待ち構えている。
逃げ道なし、真っ向勝負あるのみである。
ここは、左をハーケンワークでアブミトラバースでクリア。すべての滝に言えるのだが、支点が抜けるとフォローが振られてしまうので、絶対抜けない支点つくりを!
後で分かったのだが、先人は右サイドをエイドしていた。左サイドの突破は初めてかもしれない。
 
7m滝の先は、河原状でビバーク適地

 
フォローのシブ

 
河原の先は、

 
3m滝のあと、

 
第一支流(右岸から)と第二支流(左岸から)が入り、その先には姥滝45m

 
お腹いっぱい、第二支流を詰めて下山、林道入山吹原線へ。駐車地までアスファルトで高速道路だ。

また後半の上部ゴルジュをいつか溯行しにいくことになるだろう。 

 

(総括)

 いきなり一条ノ滝で試され、その後から始まるゴルジュの中は小滝でも巻くのは容易ではなく仮に巻いたら詰まるかもしれない。

 当会の故川崎実氏、岩崎さん&北條さんペアに続いて、溯行して当時の先輩方の熱い想いを感じることができた。

遅まきながら初めての頸城山塊だったが、滝ノ内沢はシビアな登攀技術が要求される間違いなく一級品の沢だと思った。

私達の年齢では、おそらくどこの険谷にいっても最高齢かもしれないが、いつもこういった谷を溯行する為に日頃のトレーニングや滝登攀をしているので、これからも精進したい。

 

時期、天気、水量、溯行者自身&パーティの力量で溯行スピードは左右されるが、ビバークポイント(15mの下など)も結構あるので安全第一で。

 

(その他)

時間が遅く島道鉱泉には、立ち寄れなかった。

代わりに糸魚川温泉ひすいの湯へ(700円)。町中は静かなのに、ここはかなり賑わっていた!