以前、この谷を溯行したが、通行不可能な廊下に行く手を阻まれた。

左岸側に活路を求めて、巻き始めたが岩壁が次々と現れて、仮にこれらを突破していったとしても

かなりの時間を要して下山時刻がヤバくなることは明白だったので、ピストンで下山した。

 

今回、再訪し、この谷の全貌を見ることができた!(2021.5.10)

 

駐車地付近からみた、真砂谷八町滝(写真下)。

 

林道歩いて、出合へ向かう。天気は最高。

 

出合に鎮座する大岩

 

今回は、右岸の仕事道を使い、かつて植林小屋があったであろう地点までショートカット。

この地点を過ぎると渓相が変わり始める。”鋭峰”(C375)みえる地点から、両壁が迫ってくる。

 

10m滝を越えると、鋭峰の基部で別れている思われる二又。右手は本谷、左手が岩ルンゼとなっている(C400)。

 

前回は本谷を忠実に溯行したが、通行不能の巨大CSの廊下帯に阻まれた。(写真下)

目にしたものにしか分からない、凄い圧迫された空間。

 

前回は左岸側に活路を求めたが、

今回は、右岸側、前述の岩ルンゼからの巻きに活路を求めた。

登れば登れるほど上に追い上げられるが、首尾よくC600辺りで痩せ尾根に乗ることができた。先ほどの鋭峰から伸びている尾根だ。

上手くルーファイして本谷の沢床に降り立つことができた。

降り立った沢床(写真下)。

 

谷の全貌を把握するため、谷を下降していく。

地形図に見えるC540辺りの右又(二条5m滝を懸ける)を見送り、巨岩帯の右岸斜面を下って行くと、あの通行不能となった巨大CSの頭に立つことができた(写真下)。

両岸発達した側壁で迫ってくるが、なぜかここからは威圧感を感じないのは何故だろうと考えていた。

 

 

しばし景観を楽しんだ後、頭を後にして溯行を続ける。

悪場もなく、滝を登っていく。谷は傾斜をますます増していく。岩壁にはヒノキの巨木が根を張り付かせていて人の手を寄せ付けない感が漂っている。

 

ほぼ最後まで谷筋を忠実に上がれば、予想した通りのコルに詰め上がった。向こう側は、寺谷の本谷源頭だ。

すぐ近くのP922が下山開始地点。

尾根が波状に見えてわかりづらいが、ルートとする尾根には石標が、しっかりとある。時折岩稜帯を巻いたりしていかねばならないが、ルーファイをしっかりすれば良い。岩が多いので、ルートや課題ができそうな壁や大岩があるのもこの尾根の特徴かも。

冬場にこの尾根をシブと二人で登ったが、今回の下降の方が分かりやすく感じた。

この尾根には大好きな巨木達(写真下)がたくさんあり、それぞれ擦りながら下山した。

 

 

 

最後に、下山下降点P922から見た八町滝(写真下)。

滝の左半分が、上部の尾根辺りから崩落して、その土砂や岩が堆積しているのが伺える。