十日から十二日にかけて剣道同好会の同期の卒業旅行に参加。七時半福岡行の飛行機に乗り込む。飛行機は中3以来7年ぶりである。したがってまた7年ぶりに離陸の際あの下半身の妙な(?)感覚を味わうこととなった。逆風で20分遅れで福岡空港に着。そこで前日に現地入りしていたりヴぁるど氏の眠そうな出迎えをうける。眠そうな髭面にヘッドホンが付けられているその様は敬虔な某信者のようだ・・・。
空港を出てすぐのところにレンタカーを乗りに行く。あてがわれた三台の車を前に一同は立ちすくんだまま。実は計画好きと目されていたりヴぁるど氏を含め、全員ノープランなのであった。全員一致の行動を採るか、それとも車ごとの自由にするか。無計画な上に優柔不断であるためやっと各車に乗り込んでもそう早くは動かない。
ようやく動き出した。自分の乗った車では他にりヴぁるど、M野、F井各氏である。この濃い面々でとりあえず北九州のスペースワールドへ行くことになった。
一時間強かかって北九州に着く。スペースワールド横に逆さになった看板が付けられたラーメン屋で昼食をとる。壁には「マナーの悪い客お断り」とあり、なにやら物騒な雰囲気である。店のおばさんも恐い・・・。このおばさんがベロー〇ェ某店にデビューすれば竜虎相争う、の状況が生まれ、見事中和できそうである。にもかかわらずラーメンはとても美味しかった。とんこつスープはゴクゴクと飲める感じである。
スペースワールドといえば、中学受験の際、八幡製鉄所の跡地にできたテーマパークとして習った記憶がある。当時はバブル崩壊から日も浅く、賑やかなイメージがあった。しかし、いざ入ると薄気味悪いほど閑散としている。客より従業員の方が多い。絶叫系のマシーンが主であるが、待ち時間は0分である。また敷地の真ん中にあるドームにはいると一人もおらず、照明が照らされているのみである。遊園地の殺人事件に相応しい状況だった。宇宙をテーマにした遊園地であるため、それらしいモニュメントがおかれてあるが、こうした状況では不気味さが増すだけで、ダリの絵みたいである。
飛行機の離陸で既にブルっていた自分であったが、甘かった。絶叫系をここで五回くらい乗ることになったのである。「もっと楽しもうよ」と言われたが、人はこうした絶叫系に何を楽しむのだろうか。自分に限って言えば、間違いなく恐怖感が楽しむ対象としてある。人間が命の危険にさらされた時、体から警告が発せられるのである。そもそも絶叫系はそうした警告の感触をエンジョイするものではないのか。
シュールな遊園地をエンジョイした一行はすぐ脇にある八幡製鉄所の高炉(冒頭写真)へ。てっぺんに「1901」の文字。ここで外観ばかり見回っていたが、みんなの姿が見えないことに気付き、慌てて車に戻る。しかし車には誰もいない。高炉に引き返すと、みんなが戻ってきた。高炉の中を見ていたようだ。高炉の中に入れることに気付かなかった不覚を後悔したが、時間がない。北九州を後にした。
福岡に戻り渋滞の中、30分遅れで天神の福岡東映ホテルに着。一息ついて、中洲に徒歩で向かうことに。小遣いが既に5000円台であったので内心寒い思いをしつつ歩く。寒いといえば九州は「南国」、「火の国」であるが冬の九州は普通に寒かった。場合によっては東京より寒い。この時既にのどが腫れてきていた。風邪をひく前兆である。そういえばりヴぁるど氏ものどが腫れていた。彼はもともとのどが腫れていたが、その上に焼酎を飲んで、かつての同窓生と徹夜して今日を迎えているらしい・・・・・・。
中州までいっていろいろ探したが、この11人を収める店が見つからない。また東京で言えば歌舞伎町のようなこの場所で夕食もどうかと思われる。とりあえず二手に分かれて自由となったが、結局最初訪れた店に空席ができたので、めでたく11人全員でモツ鍋を囲うことができた。
風邪ひき防止のため人一倍鍋の脇にある唐辛子を入れまくって食べた。色からしてキムチ鍋のようである。しかしできのいい唐辛子のようで食が進む上に体も適度に温かくなった。最後に出されたちゃんぽんをみんなでおかわりを繰り返し、結局二時間強居座った。
お店をでて一行は一端ホテルに戻る。ホテル手前のスーパーで何人かは酒を購入している。ホテルの部屋で飲むのだろうか。しかし福岡の寒さと思わしくない体調から、自分はすぐ寝ることに決めていた。結局有名な中洲の屋台に入ることはなかった。未練はなかったが、体調と財布の中が良ければ行っていただろう。そう思うと少し残念ではあった。