背広にリーゼントで大塚に向かう。準備中は興奮気味であったが、電車内では眠気がきてウトウト。何故か羽賀道場の夢を見る。「中川君いませんけど、型やりましょうか」と先生達がいつも通り型の稽古をやっている。確かに稽古があればその時間帯である。(実際ない日だったが) あぁ勿体無いなあ、いけばよかったかな…?。うつつに戻れば大塚駅である。線路の金網にくっついたように立つ黒いホテルが本日の追いコンの会場、「ベルクラシック」である。改札をでると、予想に反して後輩が既に数名、そして部長さんが。後輩たちから「すごいテカってますよ(笑)」と言われる。所定の時間までまだ結構時間があり、後輩も来ていないだろう、ネタばれもしないだろうと思っていたので若干不本意な状況である。駅前で突っ立ているのも意味がないのでとりあえずホテルの控え室へ向かう。
部長さんと控え室にいくと誰もいない。しばらくすると着付けを終えた女子や他の男子もやってくる。背広姿を認めるや、「おい中川、お前白スーツだろ!?」と借金取りを彷彿とさせる面持ちで声を掛けてくる。期待は大きく熱い。どうやらこの空気に見事徹夜でもって応えることができたようだ。
トイレの個室でこそこそ着替えて控え室に戻れば、大爆笑を浴び、携帯の写真を撮られる。何だか犯罪者の認証撮影か、テーマパークのキャラクターのようで不思議な感じである。そういえば、永ちゃんコンサートでは多くのファンがあの白スーツのまま電車で会場に向かったりしてるが、彼らは周囲の視線をどう感じているのだろうか?自分はせいぜい数十人の視線と、控え室と会場計数百㎡の空間で精一杯であるが。
会場に入場する際、特に自分は最後にみんなより一拍遅れて走りながら登場させられるはめになった。ここまでくればむしろ望むところ。E.YAZAWAのロゴタオルを肩に背負い、勢いで落ちた白ハットを拾い頭上高らかに振りかざして席に駆けると、またまた大爆笑である。小学校の学芸会以来、どうやらこれが宿命のようである。
スピーチには、もともとあがる性格なので事前にしこたま飲んで酔っ払って臨むことにした。おかげで一気呵成に済ますことができた。大体決めていた内容は話すことができたと思う。酒は小心者に役立つことがあるようだ。もっとも酔いすぎて退場の際、下りの階段を下りるところを上がりの階段にあった「立ち入り禁止」の立て札にぶつかってしまったのであるが・・・・・・。
夕方、追いコンは場所を六本木に移して二次会へ。この時はさすがに背広であるが。ハイネッケンの缶ビールが配られたが淡白で水っぽく、あまり好まれなかったようだ。でもカクテルが美味かった。今年の追いコンは留学生が多くいて和気あいあい、去年や一昨年のそれとは雰囲気が違う。この40期の温和な雰囲気を反映しているらしく、結局一日を通して大人しい感じであった。もっとも今までの追いコンが荒れ気味であったかもしれない。
六本木から高田馬場「まんぷく亭」へ移るころ、結構疲労が溜まっていた。前日探し歩き疲れた東急ハンズ内で延々流れていた「マツケンサンバⅡ」が、今日も宴が続く中脳内でまだ通奏低音で絶え間なく、まるで今日のテーマソングのように流れていた。しかし、見かけではテンションは上がりっぱなしであった。「まんぷく亭」では恒例の「先輩への絶対服従」飲みが挙行されたにもかかわらず、T元と乾杯で煽りまくった。「まんぷく亭」の佐藤さんのご要望で再び白スーツに着替えもした。
しかし、結局のところ一次会以降総体的に落着いていた。それほど暴れなかったし、ちゃんと家にも帰れたのである。自分にしては珍しいものだ。しかも徹夜で疲れていたのである。なんとも不思議なことではであった。今日の追いコンをすこしセンチメンタルに感じようとしていたからかもしれない。そういえば、今日頭の中で流れていた「マツケンサンバⅡ」が何処か泣きの入ったフィナーレのように聞こえた。