京都の古刹歩き 〔洛北 No.5〕 | 龍虎俊輔の独り言-無心是我師-

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《 京都の古刹歩き 》

〔洛北 NO.5〕
【 寂 光 院
悲劇のヒロインが
ひっそり暮らした寺


大原は人気の観光地。
その大原を有名にした建礼門院ゆかりの寺が
この寂光院だが、
三千院やみやげ屋が
並ぶ界隈から少し離れているせいか、
この寺へ向かう道に人影はやや少なく、
門も境内も小じんまりとしている。
その佇まいは、
「ひっそりと余生を送った」舞台に
如何にも相応しい


◆ 観光POINT ◆
建礼門院と言えば、
『平家物語』における悲劇のヒロイン。
寂光院の庭にある池や桜を、
「汀の池」とか「汀の桜」と呼ぶのは、
平家物語に因んだものだ。
向かいの山を「翠黛山」と呼んでいるのも同様だ。
庭にしても池にしても、ごく小さなものだが、
その閑雅な趣には、
かつて建礼門院がそれらを眺めながら、
日々暮らしたであろう昔を彷彿させるものがあります。

本堂の外陣は、
豊臣秀吉の子・秀頼の時代に
修理されたものだが、
内陣の方は
平家物語の時代そのままに
残されているものだという。
よく見ると、
外と内では
板の黒光りの度合いが違うような気がして、
時代を感じさせてくれます。

また、
本堂に安置されている本尊は
地蔵菩薩立像で、
「六万体地蔵尊」という別名を持っています。
これは、
かつて6万体もの小像が刻まれ、
納められたという故事に因んだものである。

◆ エピソード ◆
本尊の地蔵菩薩よりも
むしろよく知られているのが、
その脇にある建礼門院像と阿波内侍像。
阿波内侍は
建礼門院に仕えた侍女で、
建礼門院のために大原を行き来した姿が、
大原女のモデルになったと言われいる。
頭に荷を載せて運ぶあの姿は、
大原のイメージの1つのだが、
現在では観光用の衣装として見る以外には
あまり見られないものになった。
そのルーツが、
この阿波内侍にあるという。

大原のイメージと言えば、
もう1つ、しば漬も名物。
これは野菜ほシソで漬けたもの。
一説によれば、
そのルーツも建礼門院にあるとか。
寂光院で寂しい毎日を送る彼女を見て、
村人たちが不憫に思い、
誰からともなく自作の野菜類などを
届けるようになった。
それがあまりに多いので、
保存のために考案されたのが、
しば漬けだったというのである。


 DATA
《 所 在 地 》
京都市左京区大原草生町676
《 交通アクセス 》
京都駅前より
京都バスに乗車し60分、
『大原』停下車、徒歩15分。
《 拝観時間 》
9時00分~17時00分
(12月~2月:16時30分迄)
(正月の3が日:10時00分~16時00分)
《 拝 観 料 》
¥600



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 龍虎 俊輔 
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