《 京都の古刹歩き 》
〔 洛東 No.11 〕
【 青 蓮 院 】
王朝絵巻を彷彿させる門跡寺院!
延暦寺三門跡として名高い名刹。
かつて、
上皇の仮御所として使われた頃の風情が
今も境内には色濃く残っています。
国宝の不動明王画像をはじめ、
貴重な寺宝も数多い。
◆ 観賞POINT ◆
粟田山の山裾の自然を
巧みに利用して造られた庭園は、
名作庭家として知られる小堀遠州の作だ。
江戸時代を代表する作庭家として
名高い人物である。
皇室に関係の深い由緒ある寺院だけに、
格調高く優雅な佇まいを見せる庭園には、
他の寺院とは
一線を画した雰囲気があります。
ツツジ、クチナシ、馬酔木など、
園内に豊かに繁る樹木はその種類も豊富で、
春の花、新緑や紅葉と、
四季折々に特徴のある風景で目を楽しませてくれます。
この庭は
別名「霧島の庭」とも呼ばれ、
5月の連休の頃には、
一面に咲き誇る霧島つつじの花が、
庭を一層美しく彩る。
また、小堀遠州の庭園と隣り合わせには、
足利時代(室町時代)の絵師・相阿弥が造ったと
伝えられる池泉回遊式庭園もあります。
こちらは隣の遠州作の庭とはまた違って、
幽玄の雰囲気あふれるもの。
さらに、
好文亭の前庭は、
江戸時代中期の作庭家として
名高い大森有斐によるものと言われています。
それぞれの時代を代表する名作庭家の作品を、
同じ場所に並べて見比べることができる場所というのは、
如何に京都とはいえどもここをおいて他のない。
石組みや樹木の配置、築山の形などに
作庭家たちの個性が表現されています。
また、
境内の建物にも注目したい。
それぞれの名称も、宸殿、小御所、華頂殿などと
寺というより御所や御殿につけられるべき名のものが多い。
館内には狩野派の筆による
雅やかな雰囲気の障壁画や襖絵で彩られ、
古の時代の王朝絵巻を彷彿させる眺め。
かつて後桜町上皇の仮御所「粟田御所」として
使われた時代の雰囲気が、
今もよく残されています。
院内に数多くの国宝や重要文化財を収蔵されており、
これも見所の1つである。
中でも日本三大明王の1つとされている
「青不動明王童子像」は、必見だ!
その迫力に圧倒されます。
■ DATA ■
〈 所 在 地 〉
京都市東山区粟田口三条坊町69-1
〈 交通アクセス 〉
京都駅前より
市バス5系統に乗車し、
『神宮道』停下車、徒歩3分。
〈 拝 観 時 間 〉
9時00分~17時00分
〈 拝 観 料 〉
¥500
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★ 龍虎 俊輔 ★
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