《 京都古寺を巡る 》
- 寺社巡りが楽しくなる京都ガイド -
本テーマ 22
〈 広 隆 寺 〉
広隆寺 は、
京都市右京区太秦にある寺。
宗派は真言宗系単立。山号を蜂岡山と称する。
蜂岡寺、秦公寺、太秦寺などの別称があり、
地名を冠して太秦広隆寺とも呼ばれる。
帰化人系の氏族である秦氏の氏寺であり、
平安京遷都以前から存在した、京都最古の寺院である。
国宝の弥勒菩薩半跏像を蔵することで知られ、
聖徳太子信仰の寺でもある。
毎年10月12日に行われる牛祭は、
京都三大奇祭として知られる。
日本の至宝
弥勒菩薩像を拝する
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『日本書紀』にも記述が残る
京都最古の寺院
推古天皇11(603)年、
渡来系の有力豪族・秦氏の長であった秦河勝が、
聖徳太子から賜った仏像を本尊として
祀ったのがはじまりと伝わる京都最古の寺院。
「和を以って貴しと為す」の思想と共に
平和な世の中を目指した聖徳太子の理想が
表現された寺としても知られている。
また、法隆寺、橘寺などと共に、
聖徳太子建立の日本七大寺の1つに数えられている。
平安遷都自体、
秦氏の技術力と財力を頼りに
行われていたとも言われている。
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上品な微笑みに
慈悲の心を感じる
現在、境内には
八角堂の桂宮院本堂(現在非公開)や
境内最古の建物・講堂、
聖徳太子を祀る上宮王院(本堂)など
貴重な建物が残っている。
参道の先に堂々と立つ上宮王院(本堂)と
境内西端にある国宝・桂宮院本堂は、
聖徳太子信仰の中心地としても
知られている貴重な建物。
新霊宝殿には国宝指定第1号の弥勒菩薩をはじめ、
国宝や重要文化財に指定されている
飛鳥~鎌倉時代の諸仏が安置されている。
弥勒菩薩は
正式名称を「宝冠弥勒菩薩半跏思惟像」といい、
慈悲深い微笑みを浮かべながら
物思いにふける姿は気品たっぷりだ。
同じく国宝の宝髻弥勒菩薩半跏思惟像は、
もう一体の「半跏思惟像」として有名。
泣いているように見えることから
「泣き弥勒」とも呼ばれている。
千手観音立像、仏師・長勢作の十二神将像などの
仏像も忘れず拝したい。
また、毎年11月22日の御火焚祭の際は、
上宮王院(本堂)に安置された聖徳太子像(秘仏)と
霊宝殿の薬師如来像も特別に開扉される。
☆ 宝冠弥勒菩薩半跏思惟像 ☆
- 国 宝 -
創建当時の本尊と伝わる。
飛鳥時代に作られた像高123.3cmの像で、
全身はアカマツの一木造。
右足を左膝に乗せ、
右手を頬にあてて思索にふける尊い姿と微笑みは、
多くの人を魅了している。
☆ 宝髻弥勒菩薩半跏思惟像 ☆
- 国 宝 -
『日本書紀』では聖徳太子の供養のため
新羅から贈られたという説もあるが、
クスノキ製であることから
日本で彫られたとも考えられる。
☆ 三条通に面した 南大門 ☆
柱間3つのうち 中央の1つが出入口となっている
三間一戸と呼ばれる形式の門で、
三条通に面して堂々と立つ。
左右に安置された仁王像と、重厚な屋根が印象的だ。
☆ 境内奥に立つ 霊宝殿 ☆
国宝の弥勒菩薩半跏思惟像をはじめ、
天平、弘仁、貞観、藤原、鎌倉といった
各時代の仏像を祀っている。
昔から強い信仰の対象であった仏像を、
心静かに拝したい。
- DATA -
《 住 所 》
京都市右京区太秦蜂岡町32
《 交通アクセス 》
京福電気鉄道嵐山本線(嵐電)
太秦広隆寺駅下車徒歩1分
JR山陰本線
太秦駅下車徒歩10分
市バス11系統
「太秦広隆寺前」下車徒歩すぐ
《 拝観時間 》
9時00分~17時00分
(12月~2月:16時30分迄)
《 拝観料 》
霊宝殿 ¥700
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★ 龍虎 俊輔 ★
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